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ストレスとレジリエンス   新見正則


ストレスへの対処は2択! 逃げるか、慣れるか

ブラック企業かなと感じる会社で働いている時、
もしも自分の命も失うほどのストレスを感じているのであれば、
一目散に逃げましょう。
つまり、さっさと会社を辞めましょう。
しかし、自分ではちょっと耐えられそうなストレスであれば、
ぼつぼつと対応する方法もあります。
ストレスにうまく対応できれば耐えられるようになるのです。
するとブラック企業と最初は感じていた組織が
実はさして問題ないこともあります。

暑さ寒さもストレスですよ

暑さもストレスのひとつ。
経験したことがない暑さでは、熱中症で命を失うリスクがあります。
だからといって暑さを避けていたのでは、暑さに強い体はできません。
熱中症警報が発令されている炎天下で体育の授業は避けるべきでしょう。
しかし、熱中症注意報程度であれば、
熱中症の危険を十分説明し、水分を取らせて木陰で休む時間も与えながら、
そしてお互いに周囲の人を観察して何かあれば知らせることなどを徹底して、
屋外で運動をするのです。
そうするとぼつぼつと暑さに強い体になってきます。
これを暑熱馴化といいます。
寒さに対しても体は対応します。それを寒冷馴化といいます。

ストレスに負けないレジリエンスを鍛えよう

人はいろいろなストレスに対して徐々に強くなるように設計されています。
ストレスに強いことを僕はレジリエンスと呼んでいます。
レジリエンスに適切な翻訳がありません。
修復力とか快復力とか訳されますが、ちょっとしっくりきませんね。
ですから、レジリエンスという言葉がそのまま使用されますが、
なかなか人々には認知されていません。

このレジリエンスを鍛えることが
幸せに生きるための大切なキーワードと思っています。

いろいろなものに対するレジリエンスがあります。
すでに述べた精神的ストレスに対するもの、暑さ、寒さに対するものなどです。
それぞれのレジリエンスを自分ができる範囲でぼつぼつ鍛えるのです。

ひとはそれぞれ、個人差に気をつけてね

このレジリエンスには個人差があります。
ですから人によって耐えられるストレスの強度が異なります。
これを理解していないと
「私は耐えられるストレスなのだから、他のみんなも耐えられるはずだ!」
という論理展開になり、パワーハラスメントの原因になります。
人はそれぞれだと思えることがなにより大切です。

感染症にもレジリエンスが必要じゃない?

さて、このレジリエンスは感染症にも当てはまります。
命に関わる感染症や、得体の知れない感染症からは一目散に逃げましょう。

初期の新型コロナウイルスに対しては、
ともかく感染者は隔離して関わらないようにしました。
中国では今もゼロコロナ対策を国全体で、強権力で展開しています。
でも、実は逃げ回っているだけではレジリエンスは鍛えられないのです。

新型コロナウイルスに対し
レジリエンスを上げる方法のひとつがワクチンです。
ワクチンが超有効であれば、1回の接種で感染することはなくなります。
しかし、そのようなワクチンは
天然痘に対する種痘ワクチン以外に存在しません
(家畜伝染病では牛疫があります)。

しかし、1回の接種で相当期間有効な
麻疹、風疹、水痘などのワクチンは存在します。

それらは徐々に感染防止力が低下するので、
追加でワクチンを打つか、
実は感染しても発症しない不顕性感染という状態で
ブースター効果が誘導され、感染防止力が維持されます。
一方でインフルエンザワクチンや新型コロナウイルスワクチンは
上記にはまったく及びません。

免疫力をアップすることが大事

このような状況では、
各自でそれらのウイルス感染症に対する
レジリエンスを上げる必要があります。

いわゆる免疫力をアップさせるのです。

もちろんワクチンも選択肢に入ります。
よく寝る、バランスよく食べる、適度の運動をする、日光を浴びる、などの
些細な努力を積み重ねて下さいね。

そして、上手に感染して、さっさと元気に復帰することが
実はレジリエンスを高めているのです。

社会全体で医療崩壊を引き起こさないバランスで
多くの人が上手に感染して元気に復帰することが
重要な段階になっていると思います。

命に関わるストレスからは逃げるが鉄則

なお、諸般の事情で感染すると重篤な状態になる可能性が高いひとは、
「命に関わるストレスからは逃げる」ことが鉄則です。
しっかりとワクチンを打って、そして外出を控えましょう。

新型コロナウイルス感染症も、レジリエンスという文言を知って、
ストレスのひとつである新型コロナウイルス感染症への対応を
考える時期になったと思っています。


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