見出し画像

医療をより良く。  新見正則


オックスフォード大学院への5年の留学を終えて1998年に帰国しました。
当時からすでに欧米では患者さんの当たり前の権利とされていた
セカンドオピニオンを普及させたく、
さっそく大学病院で本邦初の保険診療でのセカンドオピニオン外来を
はじめました。

セカンドオピニオンが普及しないはずはない。

主治医以外の医師から治療の意見を聴くなど、当時の医療界の思い込みではあり得ないことでした。
「そんなことをすると諸先輩から潰される」とのご助言を受けたこともありましたが、新しいこと、そして世の中の役に立つことを啓蒙したいという思いで、忠告に耳も貸さず、木曜日と土曜日にお一人1時間、毎週10人以上の患者さんを拝見する日々を数年続けました。

努力が少しずつ常識を変えた!

幸い他の病院でもボツボツとセカンドオピニオンが始まり、
その後は「セカンドオピニオン外来がない病院は一流でない」という
雰囲気が醸し出されました。
そして世間の、医療界の思い込みであった
「セカンドオピニオンなんてとんでもない!」という常識が変わりました。

その後、セカンドオピニオンは普及して、
僕の作戦通り「セカンドオピニオンを行わない病院は3流病院である」
との認識がひろまりました。
ただ、残念なことにセカンドオピニオンは保険診療にはなりませんでした。

多くの病院のセカンドオピニオンは依頼先の紹介状が必要で、
費用も低額ではありません。
結局は、簡単にはセカンドオピニオンを受けにくい現状です。

ちょっとだけ宣伝します

僕のクリニックでは、セカンドオピニオンに紹介状は不要です。
もちろん紹介状があった方が情報が増えますので
より正確なセカンドオピニオンが行えます。
紹介状がないセカンドオピニオンでも、多くの患者さんは満足して帰ります。

次はオンライン・アテンドを普及したい

診察室内で患者さんと医療サイドのお互いの思い込みを
打破したいと思っています。

診察室内で行われる診療行為の情報は患者さんのものです。
自分に関する診療中の説明、
説明に使用されるコンピューター画面のスクリーンショットは
患者さんの当然の権利として持ち帰ることができるようにしたいのです。

「オンライン・アテンド(僕がそう呼んでいます)」を普及させたいと思います。
がんや重大疾患の治療のお話を聞くとき
ほかの人に一緒に話を聞いてもらいたいが都合で同席できない場合
スマートフォンのスピーカー機能などで
遠隔から主治医の相談に一緒に参加してもらう作戦です。

医療の質を上げたい。ただ、それだけ

僕の外来では当然に上記はすべてOKです。
ほかの医師に尋ねると「当然にOK」と言う医師と、
実は病院が録音さえ禁止しているという病院もあります。
そんな医療サイドの思い込みを打破したいですね。
オンラインアテンドが患者さんの当然の権利として普及すれば
医療の質は必ずアップすると思っています。

漢方薬がかんたんに処方できるという新常識!

セカンドオピニオンを自分でやってみて初めてわかったことは
約9割の患者さんに正しい治療が行われているにもかかわらず
患者さんは満足していない、ということです。

そこで漢方薬の勉強を始めました。
そして約25年が経過します。
10年程前からは漢方上達法の書籍を出版し始めました。
僕が10年以上かけて到達した漢方の智慧を
読者には「1年」で追いついてもらおうという作戦です。
そんなことはできないと昔の僕もそんな思い込みを持っていました。

でも、たった1年で僕の10年以上に追いつける方法を出版しましたよ。
是非とも漢方を臨床で使用したい医師や薬剤師の先生は、新興医学出版社の書籍で勉強してください。

抗がんエビデンスをもつ生薬が普通に使われるように

そんな漢方好きになった僕ですが、実は中国が直観で嫌いでした。
そんな思い込みがあったのです。

たくさんの国に学会や旅行で行きましたが、
中国を訪問したことはありませんでした。

日本の漢方(和漢)の勉強はある程度の段階に達し
ちょっと中国の漢方(中医学)を勉強したくなり、突然中国語を学びました。
そして、中国語の勉強のために致し方なく中国を訪れるようになり、
僕の「中国嫌い」の思い込みは一変しました。

そして、中国では抗がん新薬として使われている
フアイアという生薬に出会いました。
フアイアは、世界初の抗がんエビデンス(1,000例規模の生存率をエンドポイントにしたランダム化臨床試験)を獲得した生薬です。

延命効果があって、かつ副作用がないものなどあり得ないという
僕の思い込みは完全に打破されました。

いろいろな思い込みを打破してきた僕の人生ですが
僕自身の中の思い込みも打破されながら新しいことに挑戦しています。
そんな変化が僕は大好きです

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?