【キャリア相談】事業の撤退(68歳・会社社長)
埼玉県大宮市にお住いの68歳の男性会社社長Tさんから頂いた相談を紹介します。
そこで今回は、Tさんのキャリア相談「事業の撤退」を頂戴して、「事業の撤退」を「楽しみに変えるチャンス」にしたいと思います。
【私ならこうする】
事業を撤退すべきか否か、私自身会社を起業して運営していた時、夜寝られないほど悩んだ経験があります。
大企業でキャッシュが潤沢なサラリーマン社長と、限られたキャッシュフローの中で判断を求められる中小企業のオーナー社長とでは悩みの深さとストレスの大きさは全然違います。
さて今回のケース。アナタ自身も、答えが分かっているのだと思いますが、
年々低下する売電価格、年々増加する競争激化、そんな環境の中での消耗戦からいち早く手を引き、会社も社員も成長し、豊かになれる新しい分野を見つける方が良いのは明らかだと思います。
破綻を招く「一発逆転の追求」
アナタの(私がそうであったように)、
もう少し我慢すれば状況が好転するのではないかという希望的観測、
この事業に参入を決めた時の熱い思い入れ、
簡単に引き下がれないという経営者としてのプライド、
ドブに捨てることになるこれまでの投資額など、
簡単に引き下がれない気持ち。分かります。
しかしこうした感傷的な思いを断ち切る勇気が必要です。
なぜなら、歴史が示すように、リスクと問題を否認した「一発逆転の追求」は破綻を招く可能性が極めて高いからです。
ドラッカーの質問
しかし、感傷的な思いを断ち切ることは容易でありません。
私は、ピーター・ドラッカーの次の質問を自問自答して破綻を免れました。
【ドラッカーの質問】
1つ目の質問は、
「もしアナタが今の事業をしていないとしたら、アナタは今、その事業に
参入しますか?」
2つ目の質問は、
もしその答えがNOだとしたら、
「その事業をアナタはどうするつもりですか?」
このドラッカーの質問を、鏡に向かって自問自答してみてください。
3つ目の質問
熟慮した結果、アナタが事業売却又は事業閉鎖を決断した以上、
「神から、会社も社員も成長し、豊かになれる新しい分野を見つける絶好の機会を与えられた」
と割り切り、社員が職を失う前に、社員を巻き込んで直ちに経営資源の割り振りに着手してください。
失敗の繰り返しの末にチキンラーメンを発明した日清食品の創業者 安藤百福さんは 「転んでもタダでは起きるな。そこらへんの土でもつかんで起きろ」
と言ったそうです。
そこで私から3つ目の質問をします。
「アナタは何をつかんで起きるつもりですか?」
アナタの輝く未来のために!
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