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西瓜の思い出。


先週から夏のくだものの代表格、
西瓜が売られているのを見るようになった。

緑の縞模様が定番の西瓜だが「黒い」
西瓜がころがっているのをファーマーズで
見かけて思い出した人がいた。

その人は大叔母の亡くなった夫で、
京都出身の満州育ちだった。

その人…つまり大伯父は胆石持ちで、
尿結石を溶かす薬のようなものを日常的に
頓服していたと思う。

その大伯父曰く満州で「砂糖」の仕事で財を成していた彼の一族は、たいへん裕福だった話をよく聞いた。

しかしながら、大伯父の病弱は幼い頃からで
胆石の治療薬として西瓜を山ほど食べたという。

子どもの頃、治療として西瓜を食べ過ぎた
大伯父は西瓜が嫌いだった。

そして満州時代に食べた西瓜は、
真っ黒で甘い西瓜だったという話だった。

生きていれば大伯父が経験した満州時代の
話をちゃんと聞いて書き残しておけば
よかったと思う。

西瓜が嫌いだった大伯父は、
胆石治療をしていた病院で
亡くなった。

なかなか数奇な運命を辿った彼の人生
について、まだ存命の大叔母に聞いてみたい気もする。



夏の風物詩。

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