第42期霧島酒造杯女流王将戦を終えて
初めて、女流棋戦を長々と見た。第42期霧島酒造杯女流王将戦第3局、西山朋佳女流王将と室谷由紀女流三段の一局、終始室谷女流三段の形勢が有利と画面に表示されていた。盤面は最終盤であったが、そこで見るのをやめた。以前に書いた内容を訂正するためだ。ここ最近は、里見香奈女流四冠・西山朋佳女流三冠がタイトルを分け合っているが、その他にタイトル獲得できそうなのは加藤桃子女流三段と伊藤沙恵女流三段ぐらいだと以前に書いた。
しかしそれが虚偽になってはと思い、訂正を進めていた矢先、大逆転で西山朋佳女流王将が防衛を果たした。これで通算6期目のタイトル、棋士になれるかはともかく女流タイトル獲得としては歴代8位タイである。
最近の女流棋界は上記のように、里見香奈女流四冠と西山朋佳女流三冠が分け合っている状況にある。この二人は1993年度を境に±2年度の生まれの差があるから、世代と一括りに考えていいと思う。また加藤桃子女流三段や伊藤沙恵女流三段もこの枠組みの中に入る。この世代の中、女流タイトル獲得または挑戦した女流棋士は他にも香川愛生女流三段や渡部愛女流三段、室谷由紀女流三段、長谷川優貴女流二段も含まれる。この世代は女流棋士界の中で第4世代だと考えている。
第1世代は蛸島彰子女流六段や山下カズ子女流五段、谷川治恵女流五段らを輩出した1945年度前後の生まれ、第2世代は清水市代女流七段や中井広恵女流六段、斎田晴子女流五段、林葉直子クイーン王将、山田久美女流四段らを輩出した1968年度前後の生まれ、第3世代は矢内理絵子女流五段、千葉涼子四段、石橋幸緒女流四段、竹部さゆり女流四段、岩根忍女流三段、本田小百合女流三段らを輩出した1980年度前後の生まれである。他、タイトル獲得した女流棋士の中、甲斐智美女流五段と上田初美女流四段は第3世代と第4世代の間となる。
ここまでの流れからすると、大体13~15年ぐらい周期で世代の波がやって来ることが分かる。ということは、次の第5世代は2006~2008年度前後に生まれた方々になるのだろう。まだ先の萌芽は見つけられないが、いずれは出てくるものと思い楽しみに待ちたい。
現状は、第4世代における女流タイトルへの席巻が顕著である。勿論、他の世代の巻き返しの楽しみではあるが、当分はこの第4世代を中心に回っていくものと考えている。里見女流四冠がどこまでタイトル獲得数を延ばすのか、またこの世代の中、タイトル未獲得の女流棋士がいつ獲得するのか、伊藤沙恵女流三段や室谷由紀女流三段には是非ともいずれ初戴冠を果たしてほしいし、その条件は十分にあると思う。
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