見出し画像

未成年者の「パパ活」に利用されやすい業態の年齢・本人確認を強化~パパ活八策  策1~

未成年者の「パパ活」においては、大きく二つの問題があると考えます。

一つは、言うまでも無く未成年者保護の問題。もう一つが、密室で行われるため証拠が整わず、トラブル発生後、刑事事件となった場合の被疑者の摘発や民事事件となった場合の被害回復に困難が生じうることです。

前者、未成年者保護については、性的な関係も含め、「パパ活」自体は法令に反しない限り自由であるべきです。しかしそれは、メリット・デメリットやリスクをきちんと理解した上での、両当事者の自由な意思決定で行われたものであることが大前提です。

ただ、未成年者については、その要保護性ゆえに、たとえそれが本人の表示した意思であったとしても、自由な意思としてみなされないケースが法令上多々あります。法律行為(例えば契約)の取消権や、刑事責任の免除などがその主な例ですし、少年法や選挙権の制限もその一環と言えるでしょう。

後者、つまり密室での行為についても、トラブルがあった場合の解決を妨げやすいものです。

例えば、カラオケボックスやラブホテルという密室では、暴力ないしは威迫によって、合意した内容以上の性的な接触を求められる性的被害のリスクが高まります。また、逆に、合意した内容が履行されないにも関わらず、「パパ活」の合意自体によって脅迫や強盗の被害に遭う、いわゆる美人局のリスクも無視できません。

密室での行為は、当然ながら証拠が集まりにくく、特に、「いつ、どこで、誰が」などの基本的な情報が曖昧になりがちです。

このように、元来自由であるべき「パパ活」ですが、法令上保護されている未成年者は「パパ活」から遠ざけるべきであり、密室での行為のリスクを減少させるべきであると考えます。その手法の一つとして、本人確認・年齢確認の強化を進めていくべきです。

一方で、「パパ活」のあらゆる場面に年齢確認・本人確認を求めることは必要以上に自由を狭めることになるとも考えられます。そこで当面、「パパ活」に利用されやすい業態として、

飲食店の完全個室、カラオケボックス、ネットカフェ、ラブホテルなど、サービス提供中に店員などの第三者が覗くことがほとんど無い密室で、
複数人のグループでサービスを利用する場合

に限定し、年齢確認・本人確認の強化を提案します。また、犯罪や不法行為が疑わしい利用については、警察等への通報義務も併せて設けるべきです。

インターネットを利用する場合のネットカフェでは、すでに本人確認による会員登録が必須とされている店舗がほとんどであり、ある程度はその延長線上で対応できるはずです。

具体的な手法については、身分証による会員登録に加え、身分証の提示、クレジットカード決済の義務付けなど、業態や店舗によって柔軟性をもたせるべく制度設計をしていきたいと思います。

また、個人情報保護に十分配慮し、業者による法令に基づかない情報漏洩については、営業停止や営業許可の取り消しなどの厳格な処分を制度化することも、併せて提案いたします。

酒やタバコについては、スーパーやコンビニ、飲食店などで、年齢確認が励行されています。「パパ活」は、酒やタバコよりも直接的な犯罪のリスクが高いと考えられます。未成年者保護を念頭に、年齢確認や本人確認を強化することで「パパ活」の自由を一定程度制限することになったとしても、それは十分合理性があるはずです。

「パパ活」から子どもを守る。「パパ活八策」の、まさに一丁目一番地として、訴えていきたいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?