見出し画像

小春日和に、「リコリス・リコイル」を見る。

こんにちは。桜小路いをりです。

大いに流行りに乗り遅れていますが、先日、アニメ「リコリス・リコイル」をアマゾンプライムにて視聴しました。

アニメオリジナルということで、ノンストップで進むストーリーの展開に一気に見てしまいました。

魅力的な登場人物たちと、はっとさせられるような台詞の数々、何より「和カフェ」の穏やかな雰囲気とアクションシーンの激しさとの対比が象徴的で、考えさせられます。

簡単に書いておくと、「リコリコ」こと「リコリス・リコイル」は、東京スカイツリー辺りが舞台。

「リコリス」とは、犯罪を未然に防ぎながら、人知れず平穏な日々を守る秘密組織に属する少女たちのことです。彼女たちは、殺人技術を身に着けて、事前に犯人を抹殺するなどして東京の平和を保っています。

アニメ「リコリコ」は、そんな秘密組織の支部・和カフェ「喫茶リコリコ」の店員の少女2人が主人公です。

「喫茶リコリコ」の看板娘は、錦木千束。
底抜けに明るく、優秀な「リコリス」ではありますが「命大事に」を信条としており、戦闘の場面でもゴム弾を使っています。(彼女曰く、死んだほうがマシなくらい痛いらしいです。)
銃弾の軌道を瞬時に見抜いて避けられる、という天性の才があり、実は重大な秘密を抱えている存在。

物語は、もうひとりのヒロイン・井ノ上たきなが「喫茶リコリコ」に移動してきたことから物語が始まります。

たきなは、クールで合理的な性格、とことん無駄なことを嫌います。
また、千束とは対照的に、人を殺めることに抵抗も躊躇もありません。
常識や良識に欠けるところもありますが、千束に影響され、徐々に「リコリス」としてではなく、「ひとりの少女」として成長していきます。

見終えたあと、物語全体を俯瞰してみて、「うーん……なんか、この雰囲気を知っている気がする」と考えていました。

アニメをほとんど見ない私が、なんでここまで「リコリコ」に魅了されてしまったのか。

千束ちゃんや、たきなちゃんが、カッコよくて可愛いから、だけじゃない。
和カフェの雰囲気が素敵だから、だけでもない。

色々と考えて、悩んで、YouTubeでとある「リコリコ」の「MAD」に出会って、気づきました。

YOASOBIの「怪物」だ、と。

こちらの動画です。まだアニメを視聴したことのない方は、こちらの「MAD」を見る際には、ややネタバレ注意です。

例えば、ここの歌詞。

素晴らしき世界は今日も安泰

「素晴らしき世界」という皮肉めいた言葉の裏には、「リコリス」という名の少女たちの存在が見え隠れする。
その世界が「安泰」なのは、彼女たちの決して少なくない犠牲のお陰。

まさしく、「裏側の世界」のおかげで「表」では平和に時が流れていく。

他にも、

願う未来に何度でもずっと 喰らいつく
この間違いだらけの世界の中
君には笑ってほしいから

僕の在るべき姿とはなんだ
本当の僕は何者なんだ

跳ねる心臓が 身体揺らし叫ぶんだよ
今こそ動き出せ

ただ君を守るそのために
走る 走る 走るんだよ

この辺りが、特に「リコリコ」とリンクするような歌詞のように思います。

それぞれの登場人物の気持ちや言動を思い返しながら、つい何周もしてしまいました。

「怪物」は、あくまでもYOASOBIが「BEASTARS」のために作られた楽曲ではありますが、ぜひ、「リコリコ」の世界観にも重ねて聴いてみてください。

おっと、「リコリコ」は、オープニングとエンディングも素敵なので、こちらについても少しだけ。

オープニングは、ClariSさんの「ALIVE」。
オリジナルの疾走感もアニメにぴったりで、「THE FIRST TAKE」バージョンのしっとりとした壮大な雰囲気も素敵です。


エンディングは、さユりさんの「花の塔」。
爽やかで華やかな曲調なのに、行間に言い知れぬ寂しさや切なさが滲み出ていて、不思議な魅力がある1曲。


どちらも、「普通」の青春から遠く離れたところで生きることを宿命づけられた「リコリス」たちに通じる部分があります。
そして、それでも平和のために闘うという凛とした姿までも、感じられる気がしました。

「彼岸花(=リコリス)」は、不吉でありながら美しいお花なので、改めて「リコリス」という少女たちの存在にぴったりだなと思います。


第二期もあるのかな……あったらいいな。

「『初回から機関銃ぶっ放しまくるアニメ』って、最後まで見れるかな」(前知識だけはやたらと豊富)と思いつつ見たのですが、見て良かったです。

これから小説も読むので、読了したらまた記事を書けたらいいなと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

流行りに乗り遅れても、懲りずに書いていきたいです。

今回お借りした見出し画像は、彼岸花の写真です。淡い色彩が、少しだけ「花の塔」のジャケットに似ていて、即決でした。

この記事が参加している募集

#アニメ感想文

12,511件

最後までお読みいただき、ありがとうございました。 私の記事が、皆さんの心にほんのひと欠片でも残っていたら、とても嬉しいです。 皆さんのもとにも、素敵なことがたくさん舞い込んで来ますように。