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桜色の本棚

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私が出会った素敵な本のこと、読書のことを綴った記事をまとめました。読者の方と本との橋渡しができたら嬉しいです。
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#音楽

林檎が突き刺さる前に。/カフカの『変身』と、ニーゴの「ザムザ」

こんにちは。桜小路いをりです。 リズムゲーム「プロセカ」のゲーム内ユニットに、「25時、ナイトコードで。」というユニットがあります。 その書き下ろし曲である「ザムザ」。 ボカロPのてにをはさんが提供したこの曲が、私はとても好きです。 「ザムザ」の歌詞を拾ってみると、モチーフになっているのは、フランツ・カフカの『変身』でした。 相変わらず苦手意識のある海外の小説。 しかし、ここでこのご縁を逃すわけにはいかない! と思い、早速手に取りました。 今回の記事は、プロセカの

音楽は、いつだって美しい。〜安壇美緒さん『ラブカは静かに弓を持つ』〜

こんにちは。桜小路いをりです。 安壇美緒さんの本屋大賞ノミネート作、『ラブカは静かに弓を持つ』を読み終えました。 チェロを、その音色を、音楽を通して織り成される、圧巻の小説でした。 装丁に惹かれて手に取ったのですが、読めてよかったです。 物語の主人公は、音楽にまつわる著作権を管理する組織、通称「全著連」で働く橘という名前の青年。 彼は、幼少期からチェロを習っていましたが、ある事件をきっかけにチェロを辞め、傷を抱えながら淡々とした日常を過ごしていました。 彼の日常が変

ヨルシカと読んだ『アルジャーノンに花束を』

こんにちは。桜小路いをりです。 先日、ダニエル・キイスの『アルジャーノンに花束を』を読み終えました。 長年愛され続けている、不朽の名作としても名高い本作。 今まで、なかなか読む一歩を踏み出せなかったのですが、このたび、ようやく読了することができました。 そのきっかけのひとつが、ヨルシカの「アルジャーノン」という楽曲です。 実は、あらすじや結末はもともと知っていたのですが、きちんと読むのは、これが初めてでした。 『アルジャーノンに花束を』は、幼児ほどの知能しかもってい

クリスマスの「おとも」の音楽と本。

こんにちは。桜小路いをりです。 今日はクリスマスイブということで、クリスマスに聴きたい音楽と、クリスマスに読みたい本をいくつかピックアップしてみました。 音楽は、お気に入りの「歌ってみた」やカバーも含めてご紹介していきます。 最後までお読みいただけると嬉しいです。 クリスマスの「おとも」の音楽こはならむ「スターライトパレード」 まずは、SEKAI NO OWARIの「スターライトパレード」の「歌ってみた」です。 メリーゴーランドの前で撮影された映像が、曲のファンタ