音楽は、いつだって美しい。〜安壇美緒さん『ラブカは静かに弓を持つ』〜
こんにちは。桜小路いをりです。
安壇美緒さんの本屋大賞ノミネート作、『ラブカは静かに弓を持つ』を読み終えました。
チェロを、その音色を、音楽を通して織り成される、圧巻の小説でした。
装丁に惹かれて手に取ったのですが、読めてよかったです。
物語の主人公は、音楽にまつわる著作権を管理する組織、通称「全著連」で働く橘という名前の青年。
彼は、幼少期からチェロを習っていましたが、ある事件をきっかけにチェロを辞め、傷を抱えながら淡々とした日常を過ごしていました。
彼の日常が変