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桜色の本棚

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私が出会った素敵な本のこと、読書のことを綴った記事をまとめました。読者の方と本との橋渡しができたら嬉しいです。
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#エッセイ

お天気雨の儚さが、背中を押してくれるとき。

こんにちは。桜小路いをりです。 先日、オンラインで注文した本をブックオフのお店に取りに行くべく、お天気雨の中をお散歩しました。 別名、狐の嫁入り。 太陽の光を弾いた雨の雫がキラキラと輝いていて、空から水晶の粒が降ってきているみたいで。 遠くには、はっとするような鮮やかな青空が広がっていて。 幻想的な光景を眺めながら、ちょっとウキウキした気持ちで歩くことができました。 私は、お天気雨や、雨が上がってすぐの晴れが、とても好きです。 水溜まりがキラキラと光っていて。 雨

「きらめくヒント」をくれる1冊〜田辺聖子さん『歳月がくれるもの』〜

こんにちは。桜小路いをりです。 最近、大切な御守りになる1冊と出会いました。 それが、田辺聖子さんの『歳月がくれるもの まいにち、ごきげんさん』です。 このエッセイは、月刊誌『MISS』で連載されていたもの。 私よりも少し年上のお姉さん世代の方に向けたものなのですが、だからこそ、「素敵な大人になるヒント」が散りばめられて、今、出会えてよかった本でした。 「聞き書き」の形式で、本当に実際にお話しを聴いているような気持ちになれる距離感、親しみやすさも魅力のひとつ。 200

本屋さんの「手描きポップ」の力に誘われて。

こんにちは。桜小路いをりです。 私は、本屋さんが大好きです。 それは、四方を本に囲まれた幸せ空間だから……というだけでなく、純粋に、本と読者の橋渡しをしてくれる「本屋さん」という場所が、すごく好き。 そういった意味では、ネットの書店やAmazonで「この商品を買った人は、こんな商品も買っています」というおすすめを眺めるのも好きです。 あのシステム、新しい本に出会えるのは嬉しいし楽しいけれど、積ん読が増えるのが少しジレンマだったりします。 私が、本以外で、本屋さんでよく

しおりを挟んで。~上白石萌音さん『いろいろ』に寄せて~

こんにちは。桜小路いをりです。 上白石萌音さんのエッセイ『いろいろ』を、読み終えました。 見開き1ページ前後の短いエッセイが何編も収録された1冊で、「隙間時間に少しずつ読もう」と思っていたのに、気づいたら一気に読んでいました。 そのくらい、惹き込まれる作品でした。 温もりのある素朴な言葉が綴られていて、途端に萌音さんを身近な存在に感じてしまうような1冊です。 役者さんって、究極的に「言葉」を伝えるご職業だからなのか、すごく言葉のひとつひとつを大切にされているという印象