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「健康口座」の可能性

今日は、こうした商品(サービス)が他行などでも出てくる可能性もあるため、改めて「健康口座」についてお話ししてみたいと思います。
 

皆さんは「健康口座」という、新しい概念(本当は概念ではなく、サービスもしくは商品名)をご存じでしょうか。この健康口座は昨年11月から大垣共立銀行が専用口座として提供していますが、大垣共立銀行、日本メディカルビジネス、SBI損害保険株式会社の三社が連携で開発したものです。これ、今後銀行の新しいサービスになるかもしれませんし、医療保険の在り方自体も変わっていくかもしれませんね。
 

株式会社 メディカルファイナンステクノロジーズHPより


健康口座とは?についてですが、これは、一言でいうと、「将来の医療費の支出に備えるための医療費専用口座」です。医療保険と異なる点として、ご高齢の方とかで、外来で町医者にかかるというケースは非常に多いと思うのですが、そうした外来での医療費の支払いなどを、この健康口座に入れている分から「立替払いサービス(直接支払い)」をしてくれるということ(※提携医療機関に限る)。医療準備金を確保したうえで、老後生活などを送れるような形です。
 
この考え方は、米国にある「医療貯蓄口座」に近しいのですが、日本ではおそらく初のサービスです。
 
この「健康口座」のサービスをまとめると以下のようになります。
 
1.病気やケガなど将来の医療費支払いに備える専用口座「健康口座(医療費等支払専用普通預金口座)」
2.提携医療機関を受診した際に専用口座からの引き落としで当日の医療費支払いが不要となる「医療費立替払いサービス」
3.入院費の自己負担分をカバーできる実損補償タイプの健康口座専用の医療保険の提供
4.健康管理アプリや健康口座ナースコールなどの付帯サービス

 
この健康口座は開設は無料であり、上記サービスを受けるには月額330円かかります(ちょっとややこしいですが、口座維持手数料ではなく、あくまで会員サービス手数料。「健康口座」会員サービスは、株式会社メディカルファイナンステクノロジーズが提供している)。

そのうえで、3の「健康口座」医療保険に加入した場合、別途、年齢性別に応じた保険料が健康口座から引き落としにはなるのですが、入院費の自己負担分を、かかった分のみカバーする実損補償タイプの保険が付くという仕組みです。

建付は、「健康口座」会員だけが加入できる団体契約(メディカルファイナンステクノロジーズ(日本メディカルビジネスの関連会社)が保険契約者、会員が被保険者)という形です。補償(損保なので)内容は、興味がある方はHPなどをみてみてください。
 

株式会社 メディカルファイナンステクノロジーズHPより


https://www.mfintech.co.jp/
 
もともと大垣共立銀行というのは、地銀においては非常にユニークな商品・サービスを展開していることで有名なのです。例えば、ライブスルー専用店舗の開設とか、女性行員によるユニット(OKB45)とかやっていたんですが、あまり知られていないですよね。。(もちろんOKBは、AKBをオマージュしているが)

 
この健康口座の一番の魅力は、おそらく対象は高齢者になるのだと思うのですが、60歳~70歳くらいのときに事前にしっかりと医療費分介護費用分というのを資金確保しておくという、保険でなく「口座(お金)」で準備しておくという点。さらに入院などになった場合は、(医療保険に加入する人は)その分も保険から出してくれるという仕組みです。ただこちらは任意。あと、医療機関に直接支払いをしてくれるというのは、高齢者医療を考えると、使い勝手がいいのではないかと思います。

 
実は、このサービスは今私が個人的に考えていることで参考になったもので、今回こうして紹介したのですが、それが「認知単身高齢者」です。個人的に最近よく考えていることですが、認知症というのは(介護問題も併せて)非常に重要な課題でありながら、ある意味、保険会社もこれといった解決策を出せていないし、もちろん今ある認知症保険で本当に大丈夫なのかどうかも疑わしい。日本は、「認知症+単身世帯高齢者」が急増していくことがわかっているのに、ここには「安心」が作れていない。
 
私がよく思うことは、ライフプランというのは、祖父・祖母、相談者父、母、息子、娘とか、これだけでも登場人物が6名いる。そして、FPがつくるライフプラン表というのは、なぜか、この6名全員が健康であることが前提に作られていて、ここには違和感しかない。基本的に、私がお会いしたお客様で、6名も登場人物がいると、誰かしら、身体リスクがあって、それで家族のことを心配したり悩んだりしていた。私自身もそうだ。であるにもかかわらず、ライフプランは健康で90歳まで生きることになっているわけです。
 
なので、「健康準備金」として、ライフプランの支出項目に私はよく入力するのですが、こうした今回の「健康口座」という形でお客様に提供されていくことは、もちろんお客様利便性もあがるし、医療=民間保険でカバーという前提までも変えていく話になるかもしれませんよね。
 
今日は以上です。


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