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小規模宅地の特例は2回使える

今日は、簡単なアドバイスで信頼を勝ち得るお話、「小規模宅地の特例は2回使えるのか?」というものです。実は、これ個別面談でお話しするとかなり感謝されるので、そのお話です。
 
私たちの面談をしていると、相談者は40歳~50歳くらいの現役世代でも、祖父母と同居をしている方がいらっしゃいますよね。私は面談する際でのヒアリングにおいては、当該相談内容が相続に関連するか否かにかかわらず、必ず相続人関係図を書くようにしています。これは当たり前のようにしていることですが、相続人関係図を書きながら面談をすすめると、目の前の相談者だけでなく、子や祖父母に関連する話に展開しやすいと感じます(個人的にノウハウだと思うが)。
 
で、今回のお客様は以下のような形としましょう(年齢などは架空です)。
 
▼同居世帯
・祖父75歳
・祖母74歳
・夫(祖父祖母の子)46歳
・妻(今回の相談者)45歳
・子16歳
・子15歳
▼別世帯
・上記夫(46歳)の弟(44歳)
・他相続人はなし

 
上記同居世帯で住居は土地名義はすべて祖父、建物名義は半分祖父、半分は夫というケースです。ここで、今日のタイトル、「小規模宅地の特例は2回使えるか」ということを知っているといないかで、相談者の信頼を勝ち得ることができるわけです。
 
結論になりますが、これ、「使えます」よね。そして、私は一次相続と二次相続について、やり方如何によっては相続税額が変わってくるので注意してくださいね、というアドバイスをした。どういうことかというと、例えば、祖父の資産が以下だったとしましょう(すべて架空)。
 
・土地:5000万円(330㎡以内)
・建物:1000万円
・預貯金:3000万円
 
やりがちなのが、一次相続で『とりあえず母さん』という言葉があるくらい、「とりあえず・・・」という形で母親に相続させる。この場合、相続税額はどうなるかというと・・・、そうですよね、0円ですよね。配偶者の特別軽減1.6億があるので。

ただ、二次相続でそのまま財産が相続することになったとすると、基礎控除は4200万円になり、等しく分割ということになります。ここでは相続税額の算出の詳細は割愛しますが、上記夫(46歳)は今の土地、建物は相続することにして、小規模宅地の特例の適用を受けることができる。

他方、弟(44歳)は預貯金等を受けることになります(本ケースでは一部代償交付金が発生するケースもある)。ザックリですが、このケースでは320万円くらいの相続税額となります。
 
これが、祖父における一次相続から均等に分割をしてみたとするとどうでしょう。イメージですが、
・上記表記での祖母(配偶者):土地一部
・上記表記での夫(子):建物と土地一部
・上記表記での弟(子):預貯金
 
とすると、祖母は、配偶者の特別軽減と小規模宅地の特例が使える。夫の土地の部分のみ小規模宅地の特例が使えるわけです。この場合、一次相続で相続税が発生することになります。ザックリですが、160万円ちょっとくらいの相続税となるかと思います。で、二次相続では基礎控除は4200万円になり、母名義分を兄弟で等しく分けることにすると、ここでも土地を受ける場合は、夫(子)は小規模宅地の特例が使えるのよね。なので、二次相続での相続税額はほぼかからないという事象となります。
 
実際は、こういうのはケーススタディでご紹介するといいのだと思いますが、何がいいたいかというと、もちろん要件を満たす必要があるわけですが小規模宅地の特例が2回使えるということを知っているだけでも、お客様の信頼は勝ち取れるわけで、その後のお話もスムーズかと。
 
以上です。

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