キン肉マンから考える経営に必要なこと

背景

物心つく頃からキン肉マンが好きだった。

1981年生まれ。小学生3年生の頃に「王位争奪編」がオンタイムのTVでやっていたころ。おそらく好きになったのはもう少し小さい頃か、夏休みの朝や夕方などに「悪魔超人編」などの再放送のアニメがやっていた。きっと兄の影響だろう。ギリギリの世代のため同級生とはあまり語ることができなかったのが僕の青春時代の悔いだ。その悔いからこんな文を書くに至っている。

キン肉マンは今年で40周年。とても偉大な漫画だ。キン肉マンから学ぶことは多い。

ダイバーシティ

キン肉マンには、多種多様な超人が登場し、仲間になったり、敵だったキャラクターがときに手を貸してくれる。中国のラーメンマン、イギリスのロビンマスク、ロシアのウォーズマンなど世界中の仲間の他にも、悪魔界のプリンスのアシュラマンだっているし、完璧（パーフェクト）超人は宇宙からやってきている。「だってオラ人間だから」とカミングアウトしたジェロニモ（後に超人になった）もチームに参加していた。そもそもキン肉マンなんてキン肉星の王子だ。

出身だけでなく、皆が必殺技やキャラクターがあり、それぞれに役割がある。アニメ版の色彩豊かなキャラクター構成も色鮮やかで、これらも個性。

ラグビーのポジションそのものでないか。日本代表がNZ代表と親善試合をする際に、新宿駅で見つけた写真を見て、今更ながら気づいた。この広告を企画した人もきっきっと、笑。

冷静沈着なリーダーシップを発揮するロビンマスク(SO)、猪突猛進なバッファローマン(No.8)頭脳のミートくん。技のラーメンマン(W)。それぞれの個性をいかして、団結して敵に勝つ。

僕が一番好きなキャラクターはブロッケンJr。彼は噛ませ役だが、なかなか負けないし、いつもカッコいい戦いをする。しぶとい。ラグビーならフランカーかセンターか。会社にいたら営業マンに任命する。

そう、これだけの様々な個性は、ラグビーにも、会社経営にも、チームビルディングにも当てはまる。チームには多種多様な人が集まって成り立つし、多種多様だからこそ強い。

完璧なリーダーはもういらない

この漫画の主人公は言わずもがなキン肉マンだ。けれども顔は誰よりもお間抜けだし、ファン投票でおそらく1位になったことがないのではないか。少年マンガののバトルものでこれほどまでに主人公らしくないキャラクターを僕は他に知らない。

おならで空を飛び、強敵が現れればおしっこをちびって逃げる。けれどもここぞというときには正義感や友情のパワー、火事場のクソ力で敵に勝つ。信頼しあった仲間が頑張っているから、仲間が自己犠牲をし、パワーを貸してくれるから。

最近、リーダー涵養プログラムというものに参加したのだが、その主催である長尾彰さんの著書「完璧なリーダーはもういらない」の宇宙兄弟。経営者の人の中で人気のキングダム。それよりも30年も前にこんな素晴らしいリーダー像を示してくれていたことに最近ようやく気づいた。

僕は店をやり始めた際にマイクロマネジメントをしていたことがあった。賢者風愚者だった。今もか。

もっと前に、自分が「キン肉マン」になってもいいことに気づくべきだったんだ。

ファンベース

さとなおさんこと佐藤尚之さんの著書「ファンベース」。さとなおさんと出会って、僕は今、ファンベースな会社をつくっていこうと、２年ぐらい色々なことを変えている。よなよなエールみたいな会社をつくっていきたい。

キン肉マンもファンベースの漫画だったんだ、とプレイボーイを読んでいてはっと気づいた。

中野　特に「超人募集」なんてわくわくするじゃないですか。読者と作者のアイデアの融合だなんて、こんな生かし方は大発明ですよ。そこに関われたというのは、まさに編集者冥利に尽きる出来事だったと今でも思ってます。(プレイボーイ no.22 2019年6月3日号より引用）

これはアデランスの中野さんのモデルともなった、中野さんと作者の対談から。超人を募集し、採用する。ロビンマスクだって、バッファローマンだって採用された超人だ。応募した人、採用された人はきっと熱烈なファンになっているはずだ。

キン肉マンを連載して、今年で40年！

ドラゴンボールやワンピースのような愛され方ではなく、コアなファンに熱烈に愛されているからこんなにも長く続けられるし、色々なグッズも出ているし、色々なイベントも開催されている。

アップデート

ネタにもなるのだが、キン肉マンは作品中でキャラや設定だったりをがらっと変えることがある。

前号でいたキャラが今号ではいないといったことが何度かある。オーバースーツといって、体を破って新たなキャラになることがある。

朝令暮改。

悪いと思えばすぐに変える。経営にはとても大切なことだ。

最後に

色々書いたけど、ホント大好きなんです。

僕も一度超人応募したことがあります。