タイルの施工予算
1.平米あたりのタイル材料費
たとえば、レンガタイル60x227x15mm使用で、目地幅縦横12mmの場合1平米あたりの使用枚数は、58.13枚≒絶対ロス分含め60枚
60枚x@単価/枚
注)役物は、別途明細(m)単価で下記項目同様に 形状別に見積ます。
2.平米あたりの目地材費用
メーカー指定材の種類によって大きな価格差が生じますので注意が必要です。特に、特殊目地工法の場合は、設計仕様書に記入されなければ、予算不足であとで問題が起こります。
目地の幅、深さ、目地材の詰め方、工法によって消費量が違うので、意匠によって差があることを把握してください。
3.平米あたりの接着材費用
タイルを施工する場合、下地によって工法が変わります。タイル用の圧着専用モルタルを使う場合、弾性接着剤を使う場合、後者のほうが予算が掛かります。
使用するタイルの形状、厚み、重量、裏あしの厚みなどにも影響します。
4.平米あたりのタイル張り職人工賃(手間)
現場の大きさなど、材料の種類により職人の施工費は変化します。
ここでは、モザイクタイルは、別として ボーダーなどの平米あたりの枚数が多いほど工賃は割高となります。決して小さいから大きいからという感覚ではなく、施工性の難度です。
一般的普通価格は、二丁掛60x227サイズで、平米あたりの貼り付け単価が基準となります。施工者が数枚手に持って、リズミカルに貼れるサイズです。
重量があったり、サイズが大きいと 施工垂れや目地合わせチェックなどより手間が掛かる事になります。
5.平米あたりの目地詰め工賃(手間)
上記タイル張りと同じように、タイルの種類によって変化します。
特に、どのような詰め方で施工するか、塗り目地なのかチューブ目地なのかさらにチューブで詰めた後の二次加工手間が掛かるのかなど、1日の施工可能面積などから査定されます。
良い施工は、設計段階から職人の技術料を良く考えておく必要が絶対にあります。職人は、専門職としてプライドもって仕事をしていますので、末端で良くある話ですが、「予算これしか無い」なんて事は論外です。
6.タイル材料、副資材運賃配送費
タイル材料の工場から現場までの間に掛かる費用 配送ルート、どんな容量単位で、配送車種の違いにもよります。昨今東京などは、大型車が入れず、荷降ろしも車上渡条件が多いので、ユニック車や荷降ろし人工費用など重要な予算となってます。
25kg袋入りセメントや目地材、接着剤、他副資材の配送費用も必要です。
荷揚げ費用・他:トラックから現場に配送された後の問題が大きいです。置き場所の問題で、場内取り込み及び荷揚げ、間配りなどタイルは重量がありますのでこれも誰しも無料で費用が掛かっていないわけではありません。
7.外壁クリーニング費用
設計段階では、ほぼ打ち合わせには出てきませんが、外壁タイルは目地を伴っての工事がほとんどですので、希塩酸で洗浄しなければ完成しません。
目地材の汚れのみではなく、目地セメントを希塩酸で洗い流すことで鮮明な色あいが現れます。
希塩酸洗浄は、タイルの種類や洗浄のタイミング、周辺とのとりあいの材料など、酸で痛めないよう、監督者と十分は打ち合わせが必要です。
8.会社経費及び諸経費
諸条件によって、費用の見積が違ってきます。場所によって、交通費、宿泊費、駐車費用、工具現場リース費用、養生費等々色々考えられます。
9.※ 躯体コンクリートの表面処理費
下地モルタルの作成(左官工事)や剥離防止対応のために超高圧水洗浄を施す場合も昨今多く、ゼネコンにて対応での予算となりますが、タイル工事店が別予算でサブコンとして請ける場合も多いです。
設計事務所においては、計画段階(基本設計)から実行予算の概算を把握しておく必要があります。メーカーカタログの設計上代価格(材料費)程度の把握では、難度の壁面工事においてはあとあとで問題化しやすいと思います。概略のタイル割付含め、タイル工事が発生する場合はできるだけスタート段階から、平行してお打ち合わせをお勧めします。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?