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モノづくりは魔法の物語!ブランドストーリーの作り方"3つのステップ"

ブランドストーリーは、

自身のブランドの価値をお客さまに伝え、

他のブランドとの差別化やお客さまとの信頼関係を築くために、

非常に重要な要素です。


しかし、ブランドストーリーを伝える際に、ウェブページや動画などの表現方法によっては

売り込み要素が強い雰囲気になってしまうことがよくあります。


私も過去に、ブランドのイメージ動画のようなものを作ったことがありますが、

改めて見返してみると、少し売り込み要素が強く出ているなと感じます。


リンクを張っておきますのでご覧いただければと思います。


↓昔作ったブランド動画


このように売り込み要素が強くが出てしまうと、

かえってブランドの価値を下げてしまう可能性があります。


そこで今回は、ブランドストーリーに必要な価値とは何か、

そしてブランドストーリーを作る方法についてご紹介していきます。


現在、ブランドとして活動している方や、これからブランドを立ち上げたいと考えている方にとって、有益な情報になると思います。

ぜひ最後までご覧ください。


下記の記事では「ブランドの世界観」を作るために必要な"5つの要素"を解説していますので合わせてご覧下さい。⇒「ブランドの世界観を作る"5つの要素"」を見てみる




ブランドストーリー3つの世界線

今回、ブランドストーリーについてご紹介するきっかけとなったのは、

先日、サイトの記事で、

”ジュエリーの作家や職人が貴金属を溶かして材料を作り、その材料からジュエリーを作ることができる”

という内容を書いていた際に、

改めてジュエリー制作の素晴らしさを感じたからです。


限りある資源である金やプラチナなどの貴金属の破片や粉を溶かして再利用し、そこに形すらなかった全く新しい希少価値の高い製品を生み出す。


「まるで魔法みたいだ!」

と改めて感じました。


ジュエリー作家や職人に限らず、モノを作っている人、絵を描く人、ミュージシャン、書道家など、ゼロから何かを生み出すクリエイターの皆さんは本当に素晴らしいです。


その中でも、特に素材から何かを作り上げる人々にフォーカスしてみると、

3つの世界線が存在すると考えます。

ひとつ目は、素材
ふたつ目は、つくり手
そして、みっつ目はお客さまです。

例えば、指輪はただの物質に見えるかもしれませんが、

その物質には素材そのものが持つ価値や、

素材が生まれた背景、そこに関わっている人々が存在します。


また、つくり手の視点では、職人や作家の思いや苦労、

その人を支えている道具やサポートしてくれる周囲の人々

そして、できあがった製品を手にするお客さまと、

そのお客さまの思いや普段の生活、ライフスタイルに至るまで

指輪にはたくさんのストーリーが詰まっています。


ブランドストーリーに必要な3つの価値

そして、そこに含まれている背景や思いこそが、

ブランドストーリー、ブランドの価値そのものではないかと思います。


ストーリーに必要な価値が見えてくるものを分解すると、以下の3つになります。

・素材が持っている価値
・つくり手の思いやこだわり
・お客さまが感じる情緒的価値

以下、それぞれの要素について解説します。


素材が持っている価値

素材が持っている価値は、

素材そのものの質感や素材が生まれた背景に関連します。


素材の質感には目で見える光沢だけでなく、

削ったり叩いたりする際の音や手触り、匂いなど、

五感で感じられる要素も含まれます。


素材が生まれた背景には、

例えばレザーや紙、パーツなどのあらかじめ加工された素材の文化や、

素材が作られる過程、携わった人たちの思いが絡んできます。


素材を扱っていることに価値があるため、

それを深掘りすることでさらに豊かな価値を表現できます。


下記の記事では、素材か持っている価値からストーリーを引き出すポイントを7つご紹介していますので合わせてご覧下さい。⇒「素材が持つ"7つの価値"と"ストーリー"その表現方法」を見てみる


つくり手の思いやこだわり

製品を作るつくり手の思いやこだわりは、

おそらく、私たち作り手が思っている以上に、

お客様に伝わっていないのではないかと思います。


そのため、ひとつひとつの工程を見直し、どんな思いで作業しているのか、

工程へのこだわりがどのような意味を持つのかを表現することで、

より魅力的に映ります。


お客さまが感じる情緒的価値

情緒的価値は、機能的価値とは異なり、お客さまの感情に関連する価値です。

製品が丈夫で長持ちするなどの機能的価値と比べて、

情緒的な価値は製品がかっこいい、かわいい、優越感を与えるなど、

感情に訴える要素です。


モノが溢れている現代においては、

同じような製品であれば、どこから買ってもさほど大差はないため、

どのように情緒的価値を引き出すかがとても重要です。

お客様が抱いているニーズの本質を理解することが必要です。


有名なマーケティングの本に

「ドリルを売るなら穴を売れ」

という本があります。


これは、

「ドリルを買いたいお客さまのニーズの本質は、穴を開けたいという欲求である」

ということを示しています。


つまり、ドリルを売る際には、パワーや精度、スペックを語るよりも

「私でも簡単にできた!」という満足感や、

「硬い素材もサクサク開けられるようになった」というスキルアップへの情緒的価値

訴えかける方が、お客さまの本質的な欲求を満たすことにつながるということです。


以上が、ブランドストーリーに必要な価値の要素です。

ブランドストーリーを構築するには、

・素材
・つくり手
・お客さま

の3つの要素を分析し、次のようにまとめることが重要です。


・素材は、素材が生まれた背景を探ってみる
・つくり手の工程を細かく分解して思いやこだわりを表現する
・お客さまが抱く情緒的な価値、本質的な欲求を探ってみる


ストーリーの作り方 3つのステップ

ここからはストーリーの作り方について解説します。

作り方は以下の3つのステップに分けられます。

①誰に伝えるのかを明確にする
②価値を明確にする
③ストーリーを作る


ステップ① 誰に伝えるのかを明確にする

たくさんの人に伝えたい気持ちは理解できますが、

たくさんの人に向けて伝えようとすると、伝わりにくくなります。


例えば、公園で「みなさーん」と声をかけても、

関心を持って振り向いてくれる人はそんなにいないでしょう。


しかし、「25歳の女性のみなさーん」と声をかければ、

振り向いてくれる確率は高くなります。


さらに、「さとうさーん」と声をかけると、振り向いてくれる確率はさらに上がります。


自身のブランドのターゲット層がある程度決まっている場合でも、

メッセージを伝える際には、たった1人のお客様(ペルソナ)に向けて作ることが非常に重要です。


まずは、

誰に伝えるのかを明確にしましょう。


ステップ② 価値を明確にする

伝えたい相手が決まったら、「何を伝えるのか」という価値を明確にします。


この価値については、先ほど解説したブランドストーリーに必要な以下の3つの価値、

・素材
・つくり手
・お客様

からピックアップしてまとめていきます。


素材が持つ価値を伝えたいのであれば、

素材が生まれた背景や、素材にどのように向き合っているのか、

どのように活かす努力をしているのかを明確にします。


また、つくり手に焦点を当てるのであれば、

各工程の意味を明確に示し、工程に込められた思いや作業の意義を

しっかりと伝えることが重要です。


ステップ③ ストーリーを作る

伝えたい相手や伝えたい価値が明確になったら、それをストーリーとして言語化します。


この際、以下の2つの新たな価値を加えると、共感を得やすいストーリーになります。

・自己表現的価値
・社会的価値


自己表現的価値は、

ブランドのビジョンをお客さまと共有するために、

ブランドとして活動することで何を成し遂げたいのか、

どういうブランドであるべきなのかといった、

自己実現に必要なことを伝えることです。


お客様が共感して応援したくなり、それが自己表現的価値となります。


社会的価値は、

社会が抱える課題に対して、

ブランド活動によって社会貢献する価値のことです。


例えば、私は、「プロポーズリング」という新ジャンルの婚約指輪を販売しています。


これは、男性のプロポーズの一言が、

日本の少子化問題を解決するために不可欠であること、

その一言が、日本の未来を変えていくということを伝えようとしています。


このように、自己表現的価値と社会的価値を加えることで、

先ほど決めたブランドの価値がより共感を得やすくなると思います。


自分が達成したい姿や実現したいビジョン、または社会的な役割を盛り込んでいきましょう。


「ブランドストーリー」まとめ

今回はブランドストーリーについてご紹介しました。


まとめると以下のようなポイントになります。

①誰に伝えるのかを明確にする
メッセージはマスに刺さるのではなく、まずは1人に伝えることから始め、
そのターゲット層を拡大していくことが重要です。

②価値を明確にする
素材、つくり手、お客様の3つの視点でブランドの価値を見直し、
自身のブランドに合った価値を明確にすることが必要です。

③ストーリーを作る
自己表現的価値や社会的価値を加えることで、ブランドの価値に深みが生まれ、信頼性が高まり、共感を得やすいストーリーになります。


ブランドストーリーはWEBサイトや動画、SNSを通じて発信されますが、

冒頭でお伝えしたように、プロモーションの色合いを強めないように注意しましょう。


現代ではインターネットやSNSが当たり前の状況であり、

ブランドの意図や知名度を上げたい、商品を売りたいといった意図がストーリーに表現されると、

逆にブランドの価値が低下してしまいます。


重要なのは、

お客さまの目線に立ち、お客様の立場でストーリーを表現することです。


そのためには、ペルソナの設定が非常に重要です。


ただし、空想上のペルソナでは意味がありません。

ペルソナを設定したら、自分のブランドの実際のお客さまと向き合い、

ペルソナとの乖離がないかを確認し、本当のペルソナ像を作り上げてください。


そして、ブランドのストーリーを作り上げて発信し、

その反応を追いかけていくことが、ブランドの価値創造につながります。


ぜひこれらのポイントを参考にして、

より良いブランドを作り上げ、長く愛されるブランドを築いていきましょう。

少しでもお役に立てれば幸いです。


下記の記事では「ペルソナ設計」について解説していますので合わせてご覧下さい。⇒「理想のお客さま像を見つける"ペルソナ設計"とは?」を見てみる




今回も、最後までお読みいただきありがとうございました!


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