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ハングリー?

 臭い。臭い!臭すぎていい匂い。俺のうんこはカップ・ヌードルの匂いがする。臭いのに良い匂い。うんこして直後、即、食欲が沸いてくる。このうんこを食べたらカップ・ヌードルの味がするのかと思ってしまう。俺のうんこがカップ・ヌードルの匂いにそっくりだというのはどうやら俺の思いこみという訳ではなさそうなのだ。ある日駅の便所でうんこをするチャンスがあり、うんこの個室で励んでいたところ、どうやら二人組が会話をしながらトイレに入ってきた様子で、俺は個室の中でその会話を聞いていたのだった。
「お前あの中で誰狙いなん?」
「え、僕か。僕はな、一番右側に座ってた娘やな。」
「あ、それヒカリちゃんやな。光って漢字書いて、でヒカリちゃんや。」
「あ、そうそうヒカリちゃん。」
「へえ、あの娘狙ってるんか。」
「そう言う君は誰狙いなん。」
「俺はカップ・ヌードルやな。」
「あはん?」
「俺はカップ・ヌードル。ってあはん?」
「説明してくれるかな。」
「何で俺は突然に『カップ・ヌードル』と言い出したのか。」
「そうそう。」
 二人の会話が聞こえたのはここまでだった。俺は思わず叫んだ。個室の中から。

 アイム・ハングリー!

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