2024-42| 【読書備忘録】『忘れる読書』
タイトルが『忘れる読書』。
このタイトルを見た時に疑問が湧きました。
「読書って忘れていいのかな?」と。
大学受験をした時に、「覚える」ことを推奨されても「忘れる」ことを推奨された覚えはありません。
むしろ「忘れる」ということは、「悪」いことだと思ってすらいました。
しかしこの本のタイトルは「忘れる読書」です。いったいどういうことなのでしょうか?
本は忘れてもいいが、もちろん読んだ方がいい
さて、「忘れる」とか言われると、そもそも読書は重要じゃないのかしら?という気持ちもちょっと湧いてきます。
確かに、SNSやニュース、YouTubeなど今では情報を得るにも多数の方法があります。若者の読書離れという言葉も聞かれるように、読書自体が時代遅れなのでしょうか?
そんなわけはありません。
今の時代でも読書は非常に重要な役割を持ちます。いや、むしろ情報過多な時代だからこそ読書が重要と言えるでしょう。
筆者も以下のように書いています。
> 「本」というある程度体系化されたパッケージは、持続可能な教養を身につけるために、とても適しています。思考体力と気づく力は、ウェブで細切れの情報に触れているだけでは、なかなか身につきません。
ではどうして、忘れることが大事なのか?
冒頭で書いた通り、幼少期に私たちは「忘れないこと」の大切さを教えられてきました。
定期テストしかり、受験勉強しかり。
しかし、著者は「読んだ内容を覚えていようと思ったことはなく、 むしろ忘れるために本を読んでいます。」と書いています。
なぜ忘れるために本を読むのか?それは主にクリエイティビティを促進するためです。
読んだ内容を覚えている段階では、自分の思索は育っていない。むしろ忘れた頃に、自分の思索の中に入ってきて、既存の知識、新しい知識とつながっていくのです。
外山滋比古さんは「発酵」という言葉を使っていたかと思いますが、まさにそのような効果を語っているのではないでしょうか。
とはいえ、ただ忘れるだけではなく、むしろ思い出せるように大雑把に頭の中に残しておくことが大事。そのためには細かい事実よりも、抽象化された流れや大きな視点での把握が必要です。
意外とこれが難しい。忘れていいからと言って、考えなくていいわけではない、むしろ大いに考えながら、忘れることが大事なようです。
どういうふうにどんな本を読むのか?
読書の大事さと、忘れることの大事さを簡単に見てきました。
(そもそも私のこの理解であっているのか少し不安)
この本では、どんな本を読むといいかや、どうやって読むといいかの方法についても書かれています。
先日紹介した佐藤優さんは本を汚し、読書ノートを作る方でしたが、落合さんの読書はまた違った感じです。
他にもクリエイティブにあるための技術についても書かれています。興味のある方はぜひ。
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