照明さんになれて良かった
こんにちは!照明を務めました渡部真子です。
舞台美術研究会を引退して、さわら小學校の人として活動していました。本公演は正真正銘、私の最後の照明チーフ現場です。集大成ですね。照明について語ってよいみたいなので、ちょっとだけこだわりとかを話そうと思います。
照明って何してるの?✨
一言でいえば、光で舞台に立つ人々の顔が見えるようにしています。私たちが設置する灯体以外の光は全部落とすので、舞台を照らしている光は全て照明さんが計画した通りになっているわけですね!照明さんの仕事がなければ、舞台は真っ暗ってことですね!なんか強そうですね!
今回は舞台がとんでもなく広かったので、当然仕込んだ灯体もとんでもない数です。そしてそれらを照明卓のチャンネルに振り分けて操作できるようにするわけですね!
今回使ったチャンネル数は220、それらすべてのパーセンテージを設定して、ひとつのシーンを作ります。今回作ったシーン数は340です。さすが本公演。これまで100チャンネル120シーンくらいが私の中の平均だったので、限界突破って感じです。加えてピンスポットも2台用意し、どこで何色を入れて誰を追うのか、ということまで考えました。頭パンクしますね。補佐たちにダンス灯の色を考えてもらったり、打ち込みを手伝ってもらったり、もうダメダメなチーフでしたね。ごめんなさい。
今回のこだわり💡
LEDライトがバチバチ光ったり、ムービングライトで客席当てたり、ミラーボールが回ったりって、単純に「すげー!」ってなるじゃないですか。でも正直これらってやり方さえ覚えれば比較的楽にできるんですよ。それより、舞台上全面を自然な灯りで照らす方が何倍も難しいし、チーフの工夫が活きます。これってあんまり知られていない、照明のかっこよさであり、奥深さであると思うんですよね。
だから今回は、「わかりやすいかっこよさ」と「自分が思うかっこよさ」、そして「自分が見てきた照明」をすべて詰め込んだ灯りを作ってみました。
1幕は自然に寄せた灯かり。私の得意分野(だと思いたい)です。特に家の内と外の区別は意識しました。一服する夜と決心する朝、今まで作ったシーンのなかで一番うまくいったんじゃないかな、と思っています。どこからどんな光を当てているのか、映像を観て考えてみてください…!
2幕は完全にミュージカル。他大の宝塚コピーサークルの公演に何度か関わった経験を詰め込み、1幕との切り替えを図りました。合唱のシーンは補佐たちに色のアイデアを貰いました。うちの補佐たちはすごいです。
3幕は補佐にめちゃくちゃ打ち込みを手伝ってもらいました。本当にありがとう。顔に影を落とし、ばちばちのチェイスを組み、ムービングを登場させる。わかりやすいかっこよさ、派手さを追求しました。ムービングの制御は後輩に教えてもらっちゃいました。ぶたびの後輩たちはみんな優秀ですね!へへ。本公演は大きければ大きいほど、そして派手であれば派手であるほど良いのです。収集つかなくなったら雷落とせば良いのです。それを3幕でぶつけました。
まさに集大成!!!と言える灯りになったのではないでしょうか!もし興味のある方は、照明にも注目して映像を見てみてくださいね☺︎
森のみんなに🌳
最後に、森のみんなに感謝を伝えたいです。
2019年の春研『虹の架かる夜』、森新歓公演『Chiasma』では演劇にスタッフとして関わることの楽しさを教えてもらいました。同年の新人公演『FRIEND』は私のチーフデビュー戦で、現4年代のみんなはその時のことを「お世話になりました」と今でも言ってくれるけれど、お世話になったのは全然私の方でした。企画公演『無線電信機の言伝は、アンドロイドに届かない。』は、いろんな才能を持った森の先輩・同期・後輩に囲まれて、精一杯背伸びしてみた現場でした。そのあと中止になった数公演のための図面も、まだちゃんと残っています。秋研『まちぼうけ』では森のみんなが沢山力を貸してくれて、本当に嬉しかったです。企画公演『3匹の少年A』は最初で最後のイナポジ現場で、同期が沢山いてくれてとても安心しました。
そして本公演。まず、オファーをくれてありがとう。「一緒に演劇がしたい」と言ってくれてありがとう。トラブル続きで沢山迷惑をかけて、本番も思うようにいかず、実はすっっっっっっごく悔しかったです。でも、大好きで大切な人たちの最後の公演を一緒に迎えられたことが本当に嬉しくて、きっとずっと忘れないだろうな、と思っています。
できたこともできなかったことも、この4年間たくさんあったけれど、最後に森の本公演という大事な公演の座組にいられて本当に良かったです。
森の皆さん、ありがとうございました!
舞台照明ライフ、ありがとうございました!
渡部真子(さわら小學校)