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胃の痛みと憧れ

世に文豪と呼ばれている人ってみんな胃腸が弱そうな顔していません?
太宰治、夏目漱石、芥川龍之介、三島由紀夫などなどみんな胃痛を抱えていそうだな、と僕は思います。
実際、夏目漱石は胃潰瘍を患っていたそうです。

ここからは憧れの話になります。
小学生の頃、夏目漱石の自伝を読んで胃の痛みと戦っていたことを知りました。ときには吐血するほどだったそうですから、とてつもない痛みに苦しんだのでしょう。
その話が少年だった僕の心をくすぐりました。「吐血するほどの胃の痛みに苦しんでいた」というのがいかにも文豪らしく、格好良いと感じたのです。
そして中学2年生になって、生まれてはじめて胃の痛みを経験しました。
そのときとっさに考えたのが「これがあの夏目漱石も苦しんだ胃の痛みか!」と誇らしく思ったのです。
普通マトモな脳みそなら胃が痛みだしたら「嫌だなぁ…」と思うでしょうに。これで自分も夏目漱石(またはそのような文豪たち)に一歩近づいたと喜んだわけです。
いわゆる中二病ですね。アホですねぇ…。書いてて段々恥ずかしくなってきました。

じゃあその憧れたような人物になれたかというと、もちろんなれていないし、むしろその対極に位置する人間になったような気がします。
まあいいじゃないですか、平和ってことです。

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