ペトロフ プロコフィエフ
綾部(以降あ):前回若木さんからプロコフィエフの立ち位置も含めて、まだあまりわからないということを聞いていたので、いくつか挙げておくと、打楽器的で構成的だということ。もうひとつは、多様に不協和音を使うということ。不協和音と言っても従来の平均律の中での不協和音ということなので、今ではあまり不協和音という区別をする意味は微妙だと思うんですが、とにかく当時は新しかった。でも僕はむしろ、ここまで時間が経ってプロコフィエフを聞くと、バッハや古典をすごくお手本にして作られていると感じるんですね。これから紹介する10の小品というのは、ロマン派のように聞こえるかもしれませんが、実際プロコフィエフが若い頃作曲したこの曲は、それぞれタイトルがついていて、それらを見るとわかるんですが、ほとんどバッハが組曲でやっていたようなヨーロッパ大陸に伝わる舞曲の順列組み合わせになっていて、それをさらに進化させた組み合わせになっています。こういうのが僕は古典的だと思っているんですね。
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