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44歳の酒飲みアーティストが神々の宿る壱岐で海洋ごみから生み出した海龍イキサウルスを海へ戻し浮かべて遊ぶ!?〜前編 vol.3〜

壱岐に着いてからikibase横のアトリエで本格的に制作が始まるまでの数日間の記憶を旅人感覚でお届けします!

さて、44歳酒飲みアーティストが何の縁もゆかりもない壱岐の土地まで遠路はるばるやってきたわけですが…

ここikibaseでのアーティスト・イン・レジデンス「海ごみアートプロジェクト壱岐」が決まった際、面白い偶然?に気付きました。というのも…

私(石田 真吾)が、壱岐のikibase(壱岐市石田町筒城東触1482-1)にやってきた。

石田 真吾が、石田町へやってきた?

「な〜んだ!壱岐に引き寄せられて来てんじゃん!」

「何かめっちゃ… ストーリー感じるやん!」

そんなこんなで、これから始まる石田町・ikibaseでのアーティスト・イン・レジデンスに心躍らせニヤニヤする酒飲みアーティスト 石田 真吾。

「冷凍庫でキンキンに冷やした壱岐焼酎・壱岐の華 刻印ラベル40度をストレートで乾杯!」



「まずは壱岐を見る ・ 知る ・ 体験するから!?」

壱岐へ来た当初、サクッと行った観光地をお届けします。

それでは早速見ていきましょう!

車窓から眺望できる見渡す限りの大麦畑。

「新緑色の稲穂が春風で波打つ大麦畑」

新緑色に光り輝く大麦の穂が、心地いい爽やかな春風に乗って揺れる景観に思わず口半開きで見入ってしまいました。

「What a beautiful world !!」

その景観は、まるで…

新緑色のグラデーションが波のように起伏する幻想的な油絵を彷彿とさせる素敵な癒しの世界。

そんな美しい稲穂が奏でる癒しの世界にどっぷり浸りました。

おかげで…

モヤモヤして塞ぎ込んでいた私の乾いた心が潤い軽くなりました。

「もしかして… コロナ禍の数年、私の心を縛り付けネガティブシンキングにさせていた思い込みと言う名の悪しき憑き物が取れたのかな?」

もう…

「壱岐の癒し力、半端ないて!」

「春風に乗って揺れる新緑色の稲穂」

壱岐焼酎原料の大麦の稲穂に視覚で癒され、そして…

年月を経て熟成された壱岐焼酎が酒飲みアーティストの嗅覚と味覚を支配し陶酔させる。

その心は…

「壱岐出身イラストレーター・長岡秀星さんが描かれた壱岐焼酎のラベルで有名な壱岐っ娘25度を水割りで乾杯!」

「壱岐焼酎でイキます!」

「他にも壱岐の観光名所へ、イキました!」

イキるな!

もうええて。

「原の辻遺跡の出土品」

「この土器を使って壱岐産の美味しい米でも炊くかの〜!」

「壱岐の観光ポスターより (イラストレーター・ざしきわらしさん作)」

「壱岐のVTuber?」

「原の辻ガイダンス施設内にて壱岐の伝統工芸品・鬼凧(おんだこ)」

「でかっ!!」

「原の辻ガイダンス施設内・壱岐のお土産コーナーにて壱岐焼酎各種」

「今日の晩酌には、どれを飲もうかな?」

原の辻ガイダンス施設正面入り口にて藁の馬にまたがる酒飲みアーティスト」

壱岐の荒馬?ならぬ藁馬にまたがり…

気分上々↑↑

「摩訶不思議な謎の慰霊碑?」

「何やこれ!? 」

「石の欠片を全部集めて窪みに嵌め込むと謎が解ける仕組みかいな?」

原の辻一支国王都復元公園周辺の景観」

「野に咲く〜♪ 花のよ〜うに〜♪ 風に吹か〜れて〜♪ (ダ・カーポの曲)」

「⑤王の居館 (原の辻一支国王都復元公園)」

「今夜の宿は、ここに決めた!」

やめとけ。

「⑪交易の倉庫 (原の辻一支国王都復元公園)」

「私は雲になりたい」

貝になりたいちゃうん? 

何で雲なん??

「福を呼び込む白ネコの急須? (芦辺の寿司屋・豊月)」

「そんな野暮な質問には、答えないニャ〜!」

・・・

「芦辺の港町を散策中に見つけた摩訶不思議なキノコ型の石碑?墓?」

きのこ♪ たけのこ♪ す〜ぎのこ〜♪

「芦辺浦の郷愁風景」

「この昭和レトロな空気感… 和むわ〜♪」

「芦辺浦にある宿・みなとやゲストハウス

ここは、釣り師のご主人と海女の奥さんが営む小さな港町の宿。

「ちょいと! そこのお二人さん! 覗き見厳禁ですよ!」

「漂着ごみの発泡スチロールを上手に生かしたアップサイクルアート(みなとやゲストハウス)」

「ぼ・ぼくはオニギリが好きなんだな!」
*放浪の天才画家・山下 清をTVドラマ化した時の名台詞。(裸の大将より)

「芦辺浦の食事処・空と海」

弘法大師・空海!?

・・・

「お腹空いたろ? ちょいと寄って… 食うかい? なんつって。」

・・・

罰が当たるぞ。

「芦辺浦のACB工房 (アシベコウボウ)」

「漂着ごみの浮標(ブイ)を加工し生み出されたUFOキャッチャーで、白の
ワンボックスGETだぜ!!!」

1回いくらですか?

「漂着ごみの浮標(ブイ)をカットして作られた店内インテリア (ACB工房)」

「この浮標(ブイ)に壱岐焼酎1.8ℓと割水を注いで一気飲みしてみたいかも!?」

じゃあ、やってよ?

・・・

「じゃあ、3分以内に飲み干せたら10万円くれる?」

・・・

やめとけ。

「漂着ごみの浮標(ブイ)をカットして作られた店内トイレの手洗い鉢 (ACB工房)」

潜水士のレトロなヘルメットを彷彿とさせるセンスの良さに脱帽!!

「ACB工房の人面石けん」

壱岐の原の辻遺跡から発見された国の重要文化財である人面石をモチーフに作った石けんとのこと。

「ここでしか買えない! 人面石のイカスミ・クッキーが焼き上がりましたよ〜! お土産にお一ついかがですか〜?」

・・・

適当な事言うな!
怒られるぞ!

・・・

「馬の埴輪・ACB工房」

「この馬… 人見知りが激しいのね?」

「んっ? 何か落ち込んでる?」

・・・

植木鉢の上でず〜と、埴輪やっとったら…

そんな日もあるやろ。

空気読めや!

・・・

「鬼の足跡 (牧崎公園内)」

崖っぷちから見下ろすと干潮時のせいか漂着ごみが目立ちます。

「勝本浦にある旅館・LAMP壱岐

旅館屋上に設けられたウッドデッキの外気浴スペースからは、勝本漁港や
玄界灘が眺望できて最高です!

「勝本浦にあるクラフトビール醸造所・ISLAND BREWERY

私のお気に入りは、定番商品のGOLDEN ALE!



「対馬からやってきた環境アドバイザーとの対話!?」

さて、ここからは…

長かった前置きからの本題に入ります。

私が壱岐へ来てから間もなくして対馬から環境アドバイザーの男性が、
ikibaseへやってきました。

その理由は…

私が個人で企画したアーティスト・イン・レジデンス「海ごみアートプロジェクト」を成功させるため、ikibaseさんが対馬の海洋ごみ問題に詳しい
環境アドバイザーをお呼びしての勉強会(ランチMTG)を皆で一緒にしよう!と企画してくれたからです。

「環境アドバイザーと海ごみ問題について対話する造形アーティストの石田真吾 (ikibaseにて)」

私と環境アドバイザー&ikibaseさん2名を合わせた計4名での勉強会は、対馬のリアルな海洋ごみ問題に初まり途中からは雑談を交えた終始穏やかな時間となりました。

しかし、そんな勉強会を終えた私の心中では…

どうにもこうにも納得のいかないモヤモヤした感情が残りました。

というのは…

海ごみを素材に生み出したARTは元々、砂浜に漂着していた海ごみを拾ってきて接着しただけの海ごみの塊にすぎないわけだから… それを崇高な現代ARTだ!と周囲に納得してもらえるような上手い説明が出来ない。

だからこそ…

作品完成後の展示・発表からの仕舞い方が、とても重要なのではないか?

つまり、それは…

アーティストが生み出した海ごみアートを自らの手で壊し処分する事で、アーティスト・イン・レジデンスとして終わらせる仕舞い方が、クリーンなんじゃないか!

でも、その真意は…

漂着ごみの清掃活動をする傍ら定期的に海ごみを拾い集めてきて生み出した海ごみアート?までの一連のストーリーは素晴らしいと思う。だけど、その後… 作品(海ごみの塊)を壱岐に置きっぱなしにしたままアーティストが帰るっていう仕舞い方 = 拾い集めた海ごみを自分で責任を持って処分せず壱岐に置きっぱなしで帰るって言うプロジェクトの仕舞い方は如何なものか?

要するに…

自分が出したごみは、きちんとごみ袋に入れて集積所に出してから帰って下さいね! 海ごみを現地に残さず綺麗サッパリ処分してから帰りましょうね!

・・・

メラメラ(炎)

私の中での納得いかないモヤモヤした感情に火が付きました。

「やってやろうじゃね〜か!(炎)」

私の価値観 → 海ごみ=¥0でGETできる作品の素材(宝の山) → ごみ以上の価値を生み出せる! → 現代アートの評価や価値基準?と言うよりも… 地球に優しい循環型のアップサイクル(創造的再利用)アートへと昇華させた作品を通して日韓中の都市から流れ着く膨大な漂着ごみの社会問題及び、アップサイクルアートの観点から、これまでの人間社会(経済活動)で当たり前にされてきた大量生産 → 大量消費 → 大量廃棄による環境問題 (SDGs目標14:海の豊かさを守ろう!)に海ごみ造形アーティスト 石田真吾として社会に、一石を投じたい!

一方…

他者の価値観 → 海ごみ=ごみ → ごみ以上の金銭的価値を生まないから所有したくないし欲しいとは思わない! → 崇高な現代アートの評価や価値基準に値しない、ただの不要品。

・・・

人を惹き付ける力を宿した壱岐島の守り神・海龍イキサウルスを見向きもされない厄介者扱いの海ごみを素材にこの手で魂込めて生み出してやる!」

メラメラ(炎)

メラゾーマ!!!

・・・

「んっ?」

こんな事を言うと…

それって、アーティストがアーティスト・イン・レジデンスの機会を得て
訪れた土地で生み出した特別な価値あるアートなわけだよね? それなら最後、現地で作品の梱包作業 → 作品輸送(ヤマト・佐川・西濃運輸)の段取りをし終えたら… スッキリした気持ちで、レジデンス期間最終日に帰れるじゃん? それに後日、自身の新作・海ごみアートでもって個展やアートフェアに出したりアップサイクルアート系の公募展にエントリーする事だって出来るじゃん?

だから、別に…

海ごみから生まれた現代アートなんです!って周囲を納得させられる説明や証明とか… そんなの要らないよね!

それって、結局は…

海ごみアートの現物を実際目にした人が、それをどう捉えたかの価値観や
感じ方でしか推し測れないわけだから!

・・・

言っても所詮は、拾い集めた海ごみの塊にすぎないんだから崇高で権威ある現代アートと同一視しろって言うのは正直、無理があるでしょ!

・・・

これは面白い! 子供はこういうの(海ごみアート)は好きだろうね!

そもそもが人の価値観・考え方・評価基準なんてぶっちゃけ、十人十色なんだから… アーティストがいちいち気にしたって仕方のない事でしょ?

「お気に入りのクラフトビール・GOLDEN ALEを片手に暫し雑談中 (ikibaseにて)」

こんなふうに頭の中で自問自答していたのですが実は、今回の個人企画「海ごみアートプロジェクト」で生み出そうと企んでいた壱岐の海龍イキサウルスに関しては、最初から完成後に作品を島外へと持ち出す(輸送する)つもりはありませんでした。

なぜなら…

壱岐で誕生した壱岐島の守り神・海龍イキサウルスには、壱岐の未来ある
子供達・島の人達・観光客に末永く愛され語り継がれる特別な存在であってほしいから!

海ごみから生まれたイキサウルスを通して「壱岐が抱える海洋ごみ問題」について島の子供達からお年寄りに至るまで多くの人達に興味や関心を持ってもらいたいから!

そんな社会的なメッセージ性の強いアップサイクルアートの海龍イキサウルスを壱岐市石田町にあるikibaseにて造形アーティスト・石田 真吾が、情熱を持って未知なる海ごみアートの創出に挑戦するアーティスト・イン・レジデンスなのです。

「のどかな田園風景と牧草地(壱岐和牛の餌用の畑)に囲まれたアットホームなikibase」

海ごみ造形アーティストの石田 真吾として生まれ変われる…

またとないチャンスだ!

そんなふうに自分を奮い立たせた上で、新しいアップサイクルアートへの挑戦と言う大きな扉を今この瞬間…

自らの手でこじ開けました。

ゴゴゴゴッ

「 さあ! いよいよ… 新たなアーティスト人生の幕開けだ!」


次回、中編 vol.1では… 壱岐の砂浜に漂着する膨大な海ごみの実体及び
清掃・収集活動について詳しくお届けします。


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