ブレッドボードの使い方とは?
この記事では、電子工作で必ず使う「ブレッドボード」について解説していきます。
はじめに
この記事では、サンハヤト製のブレッドボード(SAD-101)を使って説明します。国内メーカーであるサンハヤトの製品は品質も良く、おすすめできます。
ブレッドボードを使い始める前に
SAD-101は分解できるようになっており、買ったままの状態だと下側にパーツがついています。
その下側についているパーツを、上側に付けなおしましょう。
この時、裏のシールは絶対に捨てずに、必ずきれいに貼り直してください。裏側の端子を絶縁(電気が流れないように)するために必要です。
このように電源パート(赤線と黒線)が上にくる方がわかりやすいのでおすすめです。もちろん、これをしなくても使用に全く問題ありません。あくまで筆者のおすすめとしてご紹介しました。
ブレッドボードとは?
ブレッドボードとは、電子部品を挿し込む穴がたくさん空いた板のことです。
その穴同士が内部でつながっているので、電子部品を挿し込むだけで部品同士が接続され、簡単に回路を作れます。
昔の人たちはパン(Bread)を切る板(Board)に電子部品を固定して実験をしていたらしく、その名残でブレッドボードという名前になっています。
ブレッドボードの仕組み
ブレッドボードは大きく分けて、下記の2パートに分かれます。
電源パート(図中、上側)
部品パート(図中、下側)
パートによって穴同士のつながり方が違うので、それぞれ順にご説明します。
1. 電源パート
電源パートは、赤い線と黒い線に囲まれた穴の部分で、電池や電源から伸びたワイヤーを差し込むところです。
これらの穴は横方向にすべてつながっています。
例えば赤線側の穴にワイヤーを挿した時、その真横方向の穴であればどこでも繋がります。👆の状態では、赤とオレンジのワイヤーはつながっています。
黒線(マイナス)側も同じです。穴を1つ選んでワイヤーを挿した時、その真横方向の穴であれば、どれでも繋がります。👆の状態でも、赤とオレンジのワイヤーはつながっています。
ただし、黒線側の穴と、赤線側の穴とではつながりません。あくまで横方向にのみ繋がっています。つまり👆の状態では、赤とオレンジはつながっていません。
【補足】サンハヤト製ボードの注意
図のように、サンハヤトのブレッドボードには、赤い線側の穴にジャンパーワイヤーがつけられています。このワイヤーによって赤線側のすべての横方向の穴はつながっています。
しかしこのワイヤーを外すことで、赤線側の穴は右側と左側で接続が分断されます。図の状態では、赤とオレンジはつながっていません。
よほどのことがない限り外すことはありませんが、ぜひ覚えておいてください。
2. 部品パート
部品パートは部品を配置するパートで、縦方向に穴同士がつながっています。
例えば1列目のa,b,c,d,e,fは全部つながっています。同じく2列目のa,b,c,d,e,fもそれぞれつながっているし、3列目も、4列目も、どの列も同じで縦につながっています。
そのため、👆のように同じ列にワイヤーを挿した時、赤とオレンジのワイヤーはつながっています。
ただし、異なる列同士はつながっていません。なので👆のように1列目のaと2列目のcに差し込んでも、ワイヤー同士はつながりません。
またブレッドボードの中央には溝が彫られています。同じ列であっても、このスリットを越えて穴同士はつながっていません。
例えば、1列目のa,b,c,d,e,fとg,h,i,j,k,lの間には溝があって、つながっていません。つまり👆のように挿しても、赤とオレンジのワイヤーはつながりません。
つなげたい場合は、図のように溝をまたぐようにジャンパーワイヤーを挿す必要があります。
配線のやり方
では実際に、LEDを光らせる回路を例に配線してみます。
使用するLEDはOSDR5113Aで、抵抗は10kΩ*です。スイッチ付きの電池ボックスも使用します。(*すっごくまぶしいので、大きめに設定しています。)
①電池ボックスから伸びた赤ワイヤーを赤線側の穴に、黒ワイヤーを黒線側の穴に挿しこみます。この時スイッチはOFFにしておき、電池はまだ入れないこと。
②赤線側の穴から、部品パートの穴にジャンパーワイヤーを伸ばします。
③抵抗を挿しこみます。この時、両端子が異なる列になるよう挿しこみます。(同じ列だとつながってしまうので)
④抵抗の端子と同じ列に、LEDの長いほうの端子(アノード)を挿しこみます。もう片方は違う列の好きな場所に挿しこみます。
⑤最後に、LEDの端子(カソード)から電源パートの黒線側の穴にワイヤーを伸ばします。
これで電池ボックスに電池を入れ、スイッチをONにしてLEDが光れば、うまく回路を作ることができています。本当にビミョーに光ってますね。抵抗大きすぎたかも...。
溝(みぞ)の上手な活用法
同じ列でも溝をまたぐように挿しこめば、端子同士はつながりません。この溝を使った上手な活用方法をご紹介します。
1. スイッチを挿す
タクトスイッチは、溝をまたぐように置くとピッタリフィットです。ただし向きには気を付けましょう。
2. ICを挿す
図のように挿せば、ICのそれぞれのピン同士がつながらずに、独立した状態になります。
ブレッドボードの注意点
1. 定格電流(流してよい最大電流)
ブレッドボードには流してよい電流の最大値が決められています。サンハヤト製SAD-101の場合は、下記のとおりです。
実際は最大値から余裕を見て、その半分以下で使うことをおすすめします。
2. 部品同士がぶつからないように
足の長い部品をブレッドボードに挿すと、どうしてもぐらつきがあります。部品同士が近いと、上空で接触してショート*することがあります。
対策として部品同士の距離感に気を付けたり、どうしてもスペースがない場合はもう1枚ブレッドボードを使うのもありです。
*意図しない経路で電流が流れてしまうこと。単に端子同士を接触させることをいう場合もある。
3. 電源パートの+-を間違えない
電源パートは穴が隣接しているので間違いやすいです。
赤線(プラス)側に挿したつもりが黒線(マイナス)側に挿していた、なんてことは割とあります。スイッチをONにする前に、回路の見直しは絶対にやりましょう。
また繰り返しにはなりますが、回路を作っている間は電池ボックスに電池を入れずに、またスイッチはOFFにしておきましょう。
おわりに
いかがだったでしょうか。
今回はブレッドボードの基本的な使い方を解説しました。
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ポイントは、👇のとおりです。
電源パートは、横方向につながっている
部品パートは、縦方向につながっている
ただし、溝を越えてつながってはいない
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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