2023年2月上旬+読書メモ

長男も次男も、ワールドワイドウェブに書くにはちょっとな、ということが色々とあった。人を育てるのって難しいなと思った。それでも、子供たちに対して僕ら両親と同じ目線で接してくれている人たちが、他にもいることが分かっただけでも少し気が楽になった。

がんとバックギャモン

https://book.mynavi.jp/ec/products/detail/id=126888

バックギャモンで世界チャンピオンを取った矢澤さんの本。矢澤さんのことを最初から強い人なのかなとも思っていたが、むしろ自分の弱い部分を受け入れることで強くなれた人なのかもしれないなと感じた。

バックギャモンというゲームはサイコロを使う事で不確実になることが、まるでこの世界のミニチュアのようだなと考えていて、それこそがバックギャモンの魅力であると感じている。そして上手なプレイヤーは不確実性に身を任せるのではなく、相手の「良い目」を減らし、自分の「良い目」を増やすような手を探す。矢澤さんはそういったバックギャモンの経験から、人生でも同じ様に「良い目」を増やすよう努力されていた。それは自分にとってはとても腑に落ちることだし、自分もバックギャモンをするように良い手を探して生きていこうと思えた。バックギャモンは人生の教科書でもあるのだ。

ちなみに思っていたよりバックギャモンそのものの解説も多くて、これを入り口にゲームを始める人が増えてくれるといいなと思ったが、同時に将棋のように「皆様ルールはご存知でしょうからそのへんは省略させていただきます」とはいかない歯がゆさも感じた。

マックスウェルの悪魔

マクスウェルの悪魔、エントロピー、情報量のあたりのことを知りたいと思って読んだ一冊。読み物としても、教科書としても面白い本だった。ボルツマン因子のあたりが複雑で理解できなかったのが残念だが、例え話にとどまらず数式を使ってきっちり理論が説明されていて良かった。ランダウアーの原理のあたりまで説明されていたらより良かったと思うけど、書かれた時期的に難しかったのかもしれない。

ところで読みながら「子供が部屋を散らかすのもエントロピー増大かな」なんて考えていたら、最終章では本当にそういったことが書かれていて笑ってしまった。部屋を片付けてエントロピーを減らしたがる、私のような人間こそマクスウェルの悪魔なのかもしれない。そして、そんなマクスウェルの悪魔たる人間たちにとってはエントロピーが大きいのは辛い。SNSなんてやって不確実な情報を浴びる行為は、自らエントロピーを大きくさせて辛くなりにいっているのと同じなのではないか。そんなことはさっさと辞めるべきだ、なんてことを考えた。