バッティングメカニズムブック~理論編~

☆指導の際のポイント整理

1、骨盤の回転動作のメカニズム


バッティングにおける骨盤の回転動作は、
踏み込み足の股関節を支点とした回転動作である。
後ろの腰を位置を投手方向に向けて、直線的に移動させる=体重移動

つまり、回転の半径を最小にすることで回転動作を速める。
【チェックポイント】
☆踏み込み足の股関節を引き込む(内旋)できるかな?
=バッティングにおける回転の支点を作れているかな?

☆軸足のかかとはつま先よりもホームベース側に回っていないかな?
=軸足はその場での回転運動になっていないかな?
(修正法として、かかとに空き缶やペットボトルを置くのは有効な手段)

☆踏み込み足はめくれているかな?
=それだけ重心移動しているバロメーターに使用できなくはない
めくれる(小指側に体重が乗る)ことは悪いことではない。



2、ミートポイントについての誤解


ポイントを近くというのはイメージであり、
本当に「近く」で打つことではない。
ポイントを近く
⇒打つか見送るかの判断をできるだけ遅らせること

【そのために必要なこと】
①最短距離のスイング軌道を習得すること
②スイング自体(スイングスピード)を速くすること
なぜ近くで打てとなるのか?
⇒変化球を含む緩急に泳がされるから。

であるなら、スイングの開始が早まる程対応は難しい。
(判断する時間が短くなるため)

つまり、最短距離のスイング&ヘッドが返らないことが重要。
トップハンドの主体のスイング(腕の曲げ伸ばしのコントロール)は、
ヘッドが遠回りする&ヘッドの返りが早いことを意味する。

※真ん中の少し早く伸びのあるストレートを百発百中捉えられるようにすること。それはつまり、ヘッドが下がらない、早く返らない、遠回りしないで、バットをボールに対して無駄のない軌道で向かわせることができ、何度も狙ったところに振り出すことができるということである。
(この表現は興味深い。基本に忠実。)



3、上体の回転とボトムハンドの重要性

3‐a、最短距離のスイング

最短距離のスイング
⇒ボトムハンドの肩のリードを含んだ上体の回転動作によって、トップからバットを引き出すこと。

☆「割れ」を作ることが重要。
=ボトムハンド側の肩甲骨を外転させ、脇腹~肩周囲を伸張させる。

【チェックポイント】
☆トップを作る時に骨盤ごと回転させていないかな?
骨盤の向きは反対のバッターボックスのまま。

3‐b、脇を「締める」/脇が「空いてる」

ボトムハンド側の肩甲骨を内転させることで上肢をリードすると、トップハンドも追従し、脇が締まったスイングになる。
※原則としてスイングの軌道はボトムハンドの肘の方向になる。
(両肘が身体についた状態では、下方向のスイングにしかならない)

3‐c、バットを内から出すスイング

①後ろの骨盤を横向きのままピッチャー方向に移動することが最低条件。
⇒骨盤が遠回りするとバットも遠回りする。
②上体の回転動作によってグリップが出るだけ。
(よってグリップから出すのではない)
※ボトムハンド側の肩甲骨の内転や胸郭の開きが上手くいっていない場合、そこにだけフォーカスすると動きがぎこちなくなるので、あくまでも上体の回転ということを忘れない。

3‐d、スイングの主体となる腕は?

主体となるどちらかの腕がスイングの軌道に大きく影響する。
(※片手スイングすればわかる)

特に、トップハンド主体の場合、悪い癖の原因となることが多い。

3‐e、線で捉えるイメージの弊害

線で捉えるイメージは良く使われる表現。
しかも、トップハンドでボールの軌道に合わせることが多い。

しかし、上述のように遠回り、ヘッドが落ちるスイングになりやすい。
あらゆるコースにボトムハンドでチョップするイメージが有効(小指から)
その延長線上にバットは必ず来る。

3‐f、スイングの軌道とトップの関係

振りたい軌道の逆方向にボトムハンドが伸ばし、ボトムハンドの延長線上にバットがあること。

※テイクバックでバットが寝る=ボトムハンドの肘は上向き
スイングプレーンに対する入れ替えが必要

 テイクバックでバットが立つ=ボトムハンドの肘は下向き
スイングプレーンに対する入れ替えがあまり必要ない

低めの場合、ボトムハンドの側の肩を上げるために身体を側屈する。
(下半身は変わらない)

3‐g、理解しやすいイメージ

顔の向きを変えず
着地では前肩が顎の下、スイング後では後ろ肩が顎の下にくる。



4、トップハンドの動きのメカニズム

ハンマーでたたくという表現が使われるがこれも遠回りすることに繋がる。

違いは前腕の角度。いいスイングは前腕が立った状態から次第に水平に寝ていく。しかし、ハンマーで叩く形は、振り出し始めから前腕が寝る。
上体の回転動作はボトムハンドの動きはとても重要だが、
トップハンド側の肩のすぼみの動きがないと成立しないことも事実。

最終的にトップハンド側の肩が顎の下に入るような形に。
=両肩の入れ替え動作=結果的に大きいフォロースルーに



5、ステップ動作のメカニズム

5‐a、ステップの基本原則

足の動かし方は何でもいい!(すり足 or 上げる or ノーステップ?)
【守るルール】
骨盤を投手に対してほぼ真横に保つこと!

【チェックポイント】
☆踏み出し脚の膝は内に向いていないかな?
☆投手に背中が大きく見えていないかな?

⇒これらが当てはまると身体ごと捻っている証拠。。
では、なぜ身体ごと捻ってはいけないか?

トップは、骨盤と上体の向きに捻じれをつくる『割れ』のこと。

捻りすぎると、グリップもヘッドも投手方向に入りすぎる。
すると、内角や速い球に対応できない。

その原因が身体ごと捻っていることの可能性がある。

【改善】
・肩甲骨/胸郭の動かしたトップのつくり方
・股関節で受けるとは?ヒンジやスケートジャンプ

5‐b、頭を動かさない?

トップで割れの状態を作るために、
後ろ腰の前方移動に伴い頭の位置も前に動くが、
ステップ着地後、スイング始動からインパクトまでは頭は一切動かない。
【突っ込む3パターン】
①スイングと一緒に顔の向きまで回転してしまう
②着地足が骨盤回転の支点になっていない
(スイング中も身体が前方に移動してしまう)
③上半身が腰よりも前にかぶるスイング

5‐c、着地時の体重配分の真実

軸足:踏み込み足=0:10
これが真実。静止画では、軸足に乗っているようにみえるが、内側が地面に接しているだけでほとんど体重は支えていない。
しかし、イメージは悪くないので適切な言語もしくはできなければやはりそれを習得できるドリルを行うべき。


6、テイクバックのトップのメカニズム

ボトムハンドとバットは直角程度に。
鋭角の場合⇒スイングが遅れる or 遠回りする
鈍角の場合⇒十分な加速が取れない 
【グリップをどの程度深く入れるか?の1つの目安】
・投手からみて頭より後ろに見えていたら入れすぎの可能性。
・頭の延長線上にあるのが目安。

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