進戯団 夢命クラシックス

進戯団 夢命クラシックス

最近の記事

花音

『花音』 著 伊藤マサミ 雄大な自然が広がる山岳地帯。その景色の中に忽然と隆起した鉄の街。大きな山を2つほど切り崩して作られたその街は、昼夜問わず蒸気を噴き上げ、眩いネオンが輝く摩天楼。しかしその作りは、中心部の発展した都市部と、明かりの灯らない縁の郊外。そして街の周囲をぐるりと囲む山と森の境目には、開発途中とみられる歪な工業地帯。 浸食している。 街がその手足を広げ、森と山の色彩をゆっくりと灰色に変えていくのだ。 一角で火の手が上がる。森が燃えている。山が揺れてい