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【1】私の声 ~くも膜下出血になった時~

漫画家の新月ゆき(@Shingetsu_yuki)です。
マンガには描かなかった部分を、エッセイとして記録を残します。

■だから、伝わらなかったのだろうか?



今でも、時々、思い出すことがあります。
マンガに描かなかった「私の声」

突然の激しい頭痛になった時、救助を求めるために、私は「119」に電話をしました。


119に連絡



だけど、その前に、廊下を挟んだ別部屋にいる住人に向けて、私は求めました。



「助けて」



当時、私はシェアハウス暮らしで、私を除く3人の住人がいました。
1階の食堂では、私が。
1階の廊下を挟んだ別部屋には、2人の住人がいました。

だけど、1階の食堂に、誰も来ませんでした。
(その当時のことを、シェアハウス住人に確認したところ、私の声は聞こえなかったそうです)

その後、私は「119」に電話をしました。
「119」は、私に同じ質問を繰り返しました。

119「〇〇週間以内に、渡米した経験はありますか?」
私「ありません」
119「…〇〇週間以内に、渡米した経験はありますか?」
私「…ありません」
(〇〇週間は具体的数字が曖昧の為、数字を伏せます)

当時、同じ質問を繰り返す「119」に、疑問を思いました。
私は、質問にきちんと答えているのに。
だけど、伝わらないから、「119」は同じ質問を繰り返すのでしょうね。

このことは、今でも、時々、思い出すんです。

もしかして、私の声が小さかったから、私の声は伝わらなかった。
(普段は、小さな声で話すことはありません)
もしかして、私の舌が滑らかに動かなかったため、言葉が不明瞭だったから、私の声は伝わらなかった。
(普段は、はっきりした話し方をします)


だから、私の声は伝わらなかった。
だけど、私に救助が必要なことは伝わった。




伝わったから、今、私は生きています。





これは、今でも、時々思い出す「私の声」です。

ほか、119と救急車では、次の会話もしました。

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