終戦、そしてその先へ

2019.10.20
JPN 3-26 RSA

日本代表は初のベスト8の戦いで南アフリカに敗れました。前半はスコア的に互角に戦えていましたが、後半は持ちこたえることが出来ませんでした。
しかし日本代表は本当に良くやってくれました。選手、監督、スタッフの皆さまには感謝の思いしかありません。ありがとうございます。

自国開催、そして日本代表の大活躍のおかげで想像以上にラグビーファンが増えました。身の回りでも明らかに前回大会よりも反響が大きく、そのファン層の拡がりを感じます。

まだワールドカップは続いていますが、この熱狂を糧に日本のラグビーシーンをこれからいかに盛り上げていくのかが大切だと思います。

「盛り上がり」とは何か

で、この「盛り上がり」と言っているものは何か。何がラグビーの盛り上がりなのか、をしっかり見据えることが大切です。
試合のクオリティが高いことなのか。来場者数が多いことなのか。来場者が熱狂している様なのか。テレビ視聴率なのか。露出度なのか。CMや放映権料なのか。様々な価値観があり、どれが正解だというわけではないと思いますが、「盛り上がる」という言葉が上滑りしないよう、しっかりと目標設定をしたうえで、行動に移していく必要があります。

私は「盛り上がる」というのは観客動員数が多く(最大キャパの6~8割以上)、スタジアムが熱狂すること(試合の白熱度、エラーの少なさ、歓声、ホスピタリティ、満足度)と考え、数値指標として重視したいことはリピート率だと考えています。

スタジアムに来たファンの方が、試合で満足し、スタジアムの熱狂やおもてなしに満足し、また来たいと思ってくれること。このサイクルが継続し、拡がっていくことが大切だと思います。

トップリーグが盛り上がるには

11月にはトップチャレンジリーグが、1月にはトップリーグが開幕します。トップリーグは日本ラグビーの最高峰リーグであり、日本代表選手は全員が、海外の代表チームで活躍した大物外国人選手も多数在籍しています。選手だけを見るとかなり充実感はあります。しかし、だからと言ってワールドカップのように白熱した試合になるとは限りません。あまりにもチーム間に実力の差があると一方的な試合になり、盛り上がりに欠けます。コンテンツとして最も大切な試合が、白けたものになってはいけませんから、各チームともにしっかりとした準備を重ねて開幕に臨んで欲しいです。

また、スタジアム運営も今まで以上にエンタメ性やホスピタリティが求められます。ワールドカップというハイクオリティやイベントを体験された方々が来場される訳ですから、運営側も大変だと思います。しかし、運営の方々もワールドカップから得た知見がたくさんあるでしょうから、ぜひ活かして新しいことにどんどんチャレンジして欲しいです。

各チーム・協会はボランティアの活用を

スタジアムを盛り上げる一つのアイデアとして、各チームや地域協会はもっとファンをボランティアとして活用してはいかがでしょうか。今回のワールドカップでも、会場を盛り上げるボランティアの方々の存在は大変素晴らしいものでした。ファンクラブ特典として「ボランティア活動」はアリだと考えます。チームに貢献したいファンも多いはずです。新しいファンの方をお出迎えするハイタッチ要員や、チームメンバーやマスコットとの写真撮影をしてあげる撮影班、選手やルールの案内係、物販のお手伝いや、チームグッズの試着モデルもしちゃいますよ。ファンの方にも出来る仕事は沢山あるはずです。新しいファンを取り込むために、既存のファンも一緒になって活動することで、幅広い活動が出来、チームの負担も減るので一石二鳥です。各チームの方、ぜひご検討ください。

ワールドカップの盛り上がりを、これからの日本ラグビーの盛り上がりにつなげていくために、日本協会も、チームも、ファンも、みんなで知恵を出し合いながら協力することが大切です。私もファンの立場でどんどん発信していきます。

今回のワールドカップで間違いなく、ラグビーという競技の魅力にみなさんとりつかれています。これを最大限に生かして、受け皿づくりを進めていきましょう。
それが2023年のラグビーワールドカップでの更なる躍進に繋がります。

ビクトリーロードはまだ続きます。
いつか笑えるその日まで、やれることは全力で。

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