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山岳カルマ【毎週ショートショートnote】裏お題

山に登ってゴミを見つけると、僕はそれを拾うようにしている。

山に登って飲み物や食べ物のゴミを捨てて帰るという行為。それ自体は合理性から見ると理解はできる。荷物が減って軽くなるからだ。山を登るに当たって荷物の重さが少ない方が楽なのだ。すなわち、合理性だけを考えるとゴミを捨てるという行為が発生する。しかし、そこには自分が軽くなるためには山を汚しても良いだろうという考えが生まれ、それは業(カルマ)になるだろう。

言ってみれば登山ゴミは『山岳カルマ』とも言えるだろう。

僕は『山岳カルマ』を拾っているのだ。

現代の科学社会ではたくさんのゴミが発生する。そのゴミはカルマとも言える。そのカルマを燃やしてもすべて人類に戻ってくる。地球温暖化という結果として戻ってくるのだ。そういった視点で見れば、人類の業の深さはとても深いだろう。この大きな山もすっぽりと入ってしまうくらいだ。

そんな僕は今日も山に登る。この景色が見れるのは僕だけだから。


たらはかに(田原にか)さんの企画に参加させていただきました。

※ カッチカチの環境系ショートショートにしました。


*この記事は、以下の企画に参加しております。

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