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ドローンの課長【毎週ショートショートnote】

「あれ、課長は?」

「まだ、当直室で寝てますよ」

「夜勤は大変だったかな。ちょっと見てくるよ」

「課長、起きてください。もう、朝ですよ」

返事がない。

「課長!ドアを開けますよ!」

ドアを開けると、地面に一台のドローン、課長の姿はない。

「あれ、課長は?」と言うと、そのドローンが突然飛び上がった。

「わっ」

ドローンは空中に停止したまま、附属カメラをこちらに向けている。

まるでこちらを見ているようだ。

「もしかして課長ですか?」

ドローンが上下に動いた。

「課長がそのカメラで見ているんですか?」

ドローンが左右に動いた。何か規則性がありそうなのと、そのドローンはまるで生きているような素早い反応を見せる。

「もしかして課長はドローンになってしまったんですか?」僕はピンときて尋ねた。

ドローンは上下に動き、そのあと大きく円を描いた。

「いや、大正解!じゃないんですよ。とりあえず、こっち来てください」

ドローンの課長を連れて、僕は事務室へ向かった。


(410字)


たらはかに(田原にか)さんの企画に参加させていただきました。

※カフカ『変身』オマージュです。それだけです。オチなしです。



*この記事は、以下の企画に参加しております。


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