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franzkafka
文学トリマー【毎週ショートショートnote】
10歳の誕生日を迎えた私は、町外れにある鑑定士の家にやってきた。
この国では10歳になるとそれぞれスキルが発現する。その与えられたスキルによって大まかな職業が決まるのだ。
「では始めるわね」
鑑定士は私の頭の上で呪文を唱えた。
「見えてきたわ。あなたのスキルは文学スキルね」
「ぶ、文学スキル?」
「小説や詩を書けるのよ。いいスキルよ。あ、ちょっと待って。もうひとつスキルが見えるわ」
「……もうひとつですか?」
「もう一つのスキルはトリマーね。あなたは文学とトリマーのスキルがあるわね。両方とも珍しいスキルで、さらにスキルが2つあるのも珍しいのよ。その両方のスキルを合わせて『文学トリマー』になるのもいいかもね」
「『文学トリマー』……」その瞬間、私の頭の中にプロットが浮かんだ。
そのプロットはトリマーの少女が苦難の末に世界を救うという内容だった。
「私、やってみます」
私は鑑定士の家を飛び出した。すぐにも執筆したいという衝動に駆られて。
(410字)
たらはかに(田原にか)さんの企画に参加させていただきました。
※ ファンタジー系ショートショートにしました。
*この記事は、以下の企画に参加しております。
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