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夜明け前より深碧な

いつも、年明けから年度末までは本業が繁忙期なので、「開幕まであと○日!」というわくわくした感情を感じることは、私にはあまり無い。
特に今年はひどくて、綱渡り状態がずっと続いているもので、正直なところ、それどころじゃないよ、という気持ちの方がずっと強い。

とはいえ日付は好む好まざるによらずどんどん進んでいくわけで、気付けばもう3月。
あさっての今頃には、もう開幕戦の感想や余韻に浸っている、らしい。
正直、信じられない。


継続?何それ美味いの?とでも思っているかのように毎年ごろごろとメンバーが変わる相模原だけど、今年は本当に、大きな変化の年になった。
昨年から残った選手は、特別指定だった2人を計上してもわずか8人。(※藤野は今年も2種登録されるんじゃないかと思っているのだけど、ひとまず除いておく。)
最年長が竹重なのは妥当として、その次がもうすぐ27歳になる安藤というのは、今まででは全く考えられなかったこと(昨年のチームだと安藤はほぼど真ん中になる)。
そして、コーチングスタッフもほぼ総入れ替え。経営陣も、相模原史上初めて、トップが交代した。

変わることがいつ如何なる時も正しいとは思わない。変化を過度に持て囃す風潮ははっきり言っておかしいと思う。
だけど、変わるべき時なんだろうな、とも思う。


残念ながら、昨年は、相模原にとっては、散々な年になってしまった。
次点でJ2残留を逃したわけで、格としては一番上で臨んだはずが、結果は一番下。優勝チームとの勝点差51は、J3リーグの史上ワースト記録。
そりゃ、思うようにいかないことがあるのは当たり前のこと。だけど、それにしても。

個人的にも、ホームゲーム9試合、あとはユースやWEリーグのノジマステラの試合で相模原には15試合くらい出勤したはずなのだけど、勝ち試合を見たのは、その最初の1試合――ナイトマッチで沼津を破った開幕戦、あのときだけ。
記録席でため息をついたこと、何度あったことか。


今年はどんな年になるだろう。
正直、考える余裕はない。だけど、考えたとしても、わからないと思う。
あまりにも未知数過ぎる。
勝ち負けもそうだし、それ以外でも。

相模原は、今年、どれだけの笑顔をつくれるだろう。
とても怖くて、とても楽しみ。
別に、私の仕事に、笑顔は関係ない。
だけども、せっかく自分が働くスタジアムだもの。幸せな空間であってほしいに決まってるじゃないの。


かつてない、未知数での船出。
その最初の形が目の前に現れるまで、あと2日。
どんな景色を目にすることになるんだろう。

できればそれは、深碧に染まった夜明けであってほしい。

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