10-7?10-13?(相模原公式記録員見習い戦記・第6節vs新潟)

「この試合のシュート数は、10-7でした。」

「この試合のシュート数は、10-13でした。」

……さて、この2つを聞いて、印象はどれだけ違うでしょうか。

まあ、どっちにしても3本差だし、あまり違わないかもしれませんね。これが7-7と7-13だったらずいぶんと違って感じるかもしれませんけど。


実はこれ、どちらも同じ試合――SC相模原×アルビレックス新潟戦の記録です。

公式記録は、相模原10-7新潟。

DAZNの中継や、後にFootball LAB(データスタジアム社)が出した数字では、相模原10-13新潟。

なんでそんな差が?と思われるかもしれませんが……、公式記録では、ゴールを狙ったシュートであっても、大外れしたものや、至近距離で止められたものはカウントしないことになってるのです。

そうやって、ノーカウントになったシュートが、新潟に6本あって、一方相模原には無かったってことですね。たしかに振り返ってみると、新潟がシュートした場面で、ありゃーこれはカウントできないなー、と思ったのがちょいちょいあったなあと。


シュートはそれなりに打たれたのだけど、コースをしっかりふさげていた、だから近くで止められたり大外れする方向に打たせたりできたのだ、という解釈ができるでしょう(それが全てではないですが)。

そう考えると、してやったり、と言っていいのかもね。


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ボール支配率、相模原32%-68%新潟。

これはDAZNの中継で試合後に出てきた数字です。

Football LABの集計ではさらに差があって、相模原30.5%-69.5%新潟。

なんじゃこりゃ。ボール支配率が低いことでおなじみの相模原ですが、いくらなんでもここまで偏るかね。

……と思ったら、上には上がいた。第3節で、千葉71.7%-28.3%秋田(Football LAB集計)という試合がありました。ただこの試合、スコアは千葉0-2秋田だったんですよね……(’Д`)


ただ、だけど、そんなに支配された感覚がないのです。

DAZNの中継で試合後に出てきた、プレーエリアでは、ピッチを長い方向に3分割して、相模原陣側30%、新潟陣側27%、真ん中が43%。

つまり、どちらかと言えば新潟の方が押し込んでいたのは確かですが、大差なかったってこと。

振り返ってみると、中盤での守備、身体を張るとかルーズボールを奪うとか、そういうことがしっかりできてたように思うのです。


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で、そんな試合の結果、スコアは、相模原2-2新潟。

5戦全勝、しかも前節では7-0の大勝を収めた新潟から、1とはいえ初めて勝点を挙げたチームとなりました。

正直なところ試合前には、どんだけボコられちゃうんだろう、そんな中でどれだけ抗えるんだろう、と思っていました。

負けるにしても、せめてこれからにつながる負けになりますように……と。

いやはや、ごめんなさい。確かに支配はされたけど、こんだけ堂々と渡り合えるんだね、相模原って。


これで引き分けは3試合目です。

でも、ここまでの2つとは、明らかに違う。

群馬戦や岡山戦は、守りを固めて、その結果押し込まれて、それでもなんとかしのいでしのいでちょっとの運も味方につけてどうにかこうにか0-0。

だけど今回は、高い位置での守備と攻撃を両立させて、互角とは言わないまでも渡り合って、実際に点もとって、要するに弱者の戦いじゃなくて普通の試合ができた。

スタンドで観戦された方々がどのように感じたかまではわかりませんが、少なくとも私は、これからへの希望になる試合だったと思ってます。


もちろん、J2基準で言ったら、強いなんて絶対言えない。

だけど、こんな試合をこれからも続けていけるなら。

勝点50、決して大風呂敷じゃない。


開幕前の順位予想で、相模原を残留圏(=18位以上)に挙げた人はほとんどいなかったと記憶しています。おそらく、全ての予想を平均すると、相模原は22番目、一番下の評価になったと思います。

そんな降格候補筆頭の、逆襲劇。

もちろんまだまだ6試合で勝点6、しかも降格圏とは勝点・得失点差の差がないわけで、決して過信しちゃいけないんですが、でも、少なくとも、J2に放り込まれてもがいてる間に手遅れになってしまうというのではなくて、きちんと地に足をつけて戦っていけてる。

ハッピーエンドを信じられるってことは、うれしいことです。


***


開門直後、え、まだ途切れないの?って思うくらいどんどん入ってくるオレンジの人、人、人。

ここまでの3試合ではビジター席を設けられなかったということともあいまって、本当に多く感じました。

観衆3,420人。2019年9月以来、26試合ぶりの大入りになりました。

おかげさまで、とても心地いい空間でした。本当に、ご来場ありがとうございました。

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