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SHIROBAKO劇場版観てきた(ネタバレ感想)

SHIROBAKO劇場版観てきた。
大変良く刺さったので思いの丈のdumpを記しておこうと思う。

【感想書いている人について】
・TV版はリアタイで完走済。DVD-BOX持ってて去年末再完走済。
・もともとメタ創作モノめっちゃ好き。

【サマリ】
■「あれから4年」が思ってた以上に重かったよ
■ビジネスレイヤの人々は人の心が分からなくなり、いつしかビジネスレイヤで全てを解決しようとするモンスターになる
■契約書で殴ろう♡
■「アニメを作ろう」「取り敢えずジタバタしてみよう」「でも、何が作りたいのかが無いとダメになる」
■メタアニメだからアニメで殴る
■「伝わったかな?」
■余談:「遠藤くん」

■「あれから4年」が思ってた以上に重かったよ
 共感性羞恥って有るよね? 自分も割とその毛があって、主人公が恥かいてたり辛い失敗とかしてると視聴継続が辛くなってくるタチなんだけど、正直冒頭の4年後の宮森は予想以上に観てて辛かった。5人が飲み会に行くシーンも、自分の解釈間違いじゃなければ宮森ワザと遅れて行って「お仕事が忙しくて」みたいな雰囲気で合流したよね? TV版の頃はずかちゃんが近い状態だったけど、一番勢いのあった宮森があのテンションなのが辛かった。
 その他、メンバの転職だったりスタジオの盛衰だったり、確かにアニメ業界ってブイブイ言わせてたスタジオが何時の間にか……みたいな事がままあるので、妙にリアルに感じてしまった。まぁプラス方向の変化も有ったし(遠藤さんと下柳さんズッ友みたいになっとるやんけ)それ含めての「思ってた以上」という感想。予告にこの辺の変化があまり見えてなかったから尚更驚いたのでした。
 ※ というか予告の情報量少なくね?とか思って人の感想見てたら、今作自体が納品かなりギリギリだった、みたいなのを他の人の感想で見かけた。確かに監督の完成報告ツイートの日付は……((((;゚Д゚)))))
https://twitter.com/tsuki_akari/status/1232509275722977280

■ビジネスレイヤの人々は人の心が分からなくなり、いつしかビジネスレイヤで全てを解決しようとするモンスターになる
 スポンサーの社内決裁が実は通ってなくて発注前作業を回収できずにポシャる案件。ビジョンが共有できている担当者との関係は飛び越えて、何故か次フェーズは違う元請けが受注している第二期(しかも自社はそこにグロスで入る)。中盤の時点で既にもうゲンナリしているのに、しまいには自社が必死で巻き取った案件の美味しい所を持っていこうと、案件放棄したはずの大手が殴り込んでくる。つらい……勘弁して……
 しかしビジネスに於いては(道義はさておき)有り得る話だよなぁと思いながら観ていた。作成物の良し悪しだけに限らず、お偉い方の麻雀やゴルフの場で受注先が決まる時は決まるし、ナベP(社長)だってちゃんとそこを利用している。クリエイターだけでアニメは届けられない事を分かってる。でも、だからといって今作のげーぺーうー社長みたいにビジネスの理屈だけで動いてたら、関わる人がWin-win(cv:檜山修之)な作品にはならない。多分それはアニメだけの話ではないんだろうなぁなんて考えた。


■契約書で殴ろう♡
 最高でしたね、あのシーケンス。TV版の木下監督跳梁跋扈をセルフオマージュしてアニメの動きを出したのに、解決に導く部分は冷静にエビデンスと法的措置。そこだけ取り出すとちゃんとリアルなのが、SHIROBAKOのバランス感を体現してると思う。


■「アニメを作ろう」「取り敢えずジタバタしてみよう」「でも、何が作りたいのかが無いとダメになる」
 間違ってたらごめん。でも多分全部出てきてたと思う。
 宮森にとっての命題、テーマで、つまり今作のテーマなんだと思うけど、回答のないHard thingsって感じで辛いけど凄く好き。作るしか無い、ジタバタしてみる、でも何が作りたいのか考えないとダメになる。最後が命題としてすっごく辛い。宮森は今でも七福神を作りたいんだろうか? でも七福神が作れればそれで達成、じゃないと思う。

■メタアニメだからアニメで殴る
 本作は「アニメを作ることについてのアニメ」で、アニメ映像の中でキャラクターたちが「アニメを作ろう」なんて歌い出す、つまりメタアニメだ。そしてこれはアニメに限らずだけど、自己言及的な創作物は単純に作品として「説得力」がちゃんとないと、お寒いトートロジーになって空回りしてしまう。
 じゃあ今作はどうしたかというと、「可能な限りアニメで殴る」事で取り組もうとしていたと思う。それが成功していたと感じるかどうかは人それぞれの評価に依ると思うが、個人的には十分だった。というかハナっから「SHIROBAKOを劇場でやるとか何やるんだよ」という疑念ありきで向かったので、最初みゃーもりとイマジナリーフレンズ(ミムジーとロロ)がサイケデリックドーナッツ・ラ・ラ・ランドを始めた時は「おっなんか劇場版っぽいこと始めたぞ」くらいに諦観していたんだが、TV版を観ていると分かるキャラクターが出てきたあたりから目頭がちょっぴり熱くなってきて、なんだこれ、なんて考える。観終わって思い返してみると「アニメで殴る」のスタンスはこの時から示されてた。
 終盤、杉江さんが子供たちとのワークグループで「アニメが動く」事の感動をプリミティブに見せて、そしてラスト、練り直し版のSIVA。この時点で視聴者はSIVAのストーリーも断片しか知らず本来置いてけぼりになる筈なのに、アニメとして出来る死力を尽くして、「木下監督の想像をスタッフが形にした結果」を見せてくる。ここをどう捉えるかは視聴者に委ねられるけど、少なくとも自分は気がつけば見入っていた。

■「伝わったかな?」
 
そんな感想を持ったので、エンドロール後のこのシーンで、正直に言うと自分は耐えきれずボロ泣きしてしまった。序盤のみゃーもりと対になっているのがまた良い。
 書いてたらもっかい観たくなってきた。それくらいには大好きで感動したアニメ映画でした。

■余談:「遠藤くん」
はい物語の本筋と関係ない妄想の話しまーす。
遠藤さん……めんどくさい人なんだけど、職人気質の職業にはこういう人居る居る、と個人的に妙に嫌いになれない遠藤さん。そんな遠藤さん、今回は皆から「遠藤さんにやって欲しい」と言われ瀬川さん下柳さん嫁さんの総出で再起に至るわけですが。
やっぱりお前瀬川さんと絶ッッッ対昔何か有っただろ!!! 今の嫁さんと瀬川さんと遠藤さんで学生ないし専門学校時代にWHITE ALBUMもしくはこみっくパーティーみたいなエロゲ1本分くらいのイザコザやっただろ!エロゲ黄金世代の俺には分かるんだ!(エロゲの主人公みたいな髪型してるし)
尽くすタイプの可愛い系ヒロインAと反りが合わずツンケンするのに心の底では認めてる巨乳ヒロインB!おいお前なんでヒロインA選んだんだ許さんぞ俺なら

はい終了。
でも途中で遠藤さんが女の子と並んでる学生時代?みたいな写真が映った記憶はあるんだけど、アレ誰の机に置いてあったんだろう?

以上


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