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2023年第28回マーメイドS・第28回ユニコーンS・関東オークス

この記事は、2023年6月17日21時00分〜 芯力休憩所#45 砂上のたかみへ及び、2023年6月18日16時30分〜 芯力休憩所#46 ルーキーズからの文字起こしです。


第28回ユニコーンS

蒼山サグ(以下、蒼):ユニコーンステークスの回顧を始めたいと思います。まずは、こひさんからお話しを伺ってもいいでしょうか?

こ:はい、このレースは、正直に言って、勝ったペリエールが強かったレースだったと思います。UAE帰りで、これだけ完璧なパフォーマンスを見せてしまうと、今日のメンバーの中では1枚も2枚も上手だったなという印象を持ちました。

レース自体は結構条件戦も含めて、前に行っていた馬が多かったですね。どの馬が先行するのかなと思っていましたが、それがニシノカシミヤでしたね。前走2勝クラスに出ている牝馬という馬がいたんですが、ゲートから1、2馬身抜け出したぐらいの素晴らしいスタートでした。パッと見ると、すぐに隊列が決まったように見えましたが、レースが終わってラップを見ると、2ハロン目が11秒0で、その後も11秒7が3ハロン目に続きました。非常に淀みのない速いペースになっていったなと思います。例えば、ヘンリーは結構4番手ぐらいに外から進めていましたが、短距離質の馬が先行するパターンでは、この時点で既に厳しいレースでしたという印象を持ちました。そんな中、内枠を引いていたということはあるんですが、ヘリジエールは道中も自ら前の馬に抜いていくような感じで、行きっぷりが抜群に見えました。直線の最終的には外の馬がバテて空くのを待って余裕を持って突き抜けるというような競馬で、今回本当に出来もそうですし、能力的なところも含めて一頭抜けていたなというところは、このペースをその手応えで追走できるというところだけでもすごく感じさせられたなと思います。

2着のサンライズジークですね。これも非常に強い競馬だったと思います。非常に淀みのないラップを刻んでいる中の離れた2番手で、最後ペリエールにかわされても止まりきらずに後続は完封するというような形でした。この馬は非常に東京のマイルでの戦績がいいんですが、こういう東京のマイルでスムーズに流れると、かなり高いパフォーマンスを出せる馬だなという印象です。この馬は血統を見てますとエピファネイア産駒でダートを走るような形になっていて、よくよく見ましたら母がプロヴィナージュの、少し懐かしい名前で、この馬は確か関東オークスで2着して賞金を稼いで、秋華賞に出走して、賞金順で議論を醸しながら大穴を開けるようなことがあった馬だったかなと思いますが、なるほどダートでしっかり実績を残している母馬を持ってくると、エピファネイアがこういうタイプが出てくるかなと思います。おそらく今後、厩舎的にも、この馬は矢作厩舎で、狙って条件を選んで使ってくると思うので、ほとんど東京のマイルのオープン戦でよく目にすることになるでしょう。自分のペースで競馬ができるというのは秋、10月ぐらいからの東京開催が非常に楽しみな馬になっていくのではないかという印象です。

そして、3着以降のところに、結構人気のあった差し馬どころがずらずらと並んできました。しかし、このペースでは前が行き切ってしまうと、どうしてもここまでしか上げてこれなかったという印象です。人気馬のみんなは36秒0近辺ぐらいで上がっているのに、ペリエールがあの位置から36秒1で上がられてしまっては、手も足も出ないほどのレースだったかなと思います。

その中で、メイショウモズが一頭だけ最後方に控えたところから、驚異的な脚を使ってきていました。こういう馬はどこかでハマるタイプで、まだ一勝クラスには戻り、そこでは人気ほど信頼できないタイプかもしれません。しかし、今後楽しみな、どこかで大穴を開けるタイプの馬だと思います。ありがとうございました。

蒼:では、ゆたさんの方から補足などございますでしょうか。

ゆ:そうですね、こひさんのおっしゃる通り、非常にペースの締まった流れで、持続力が問われる展開だったかなと思います。本当に3歳のダート馬は今年は良い馬が次々出てくるなと。特にUAEダービーに出て行って、その後結果を出している馬が、その層の厚さを感じさせています。また、この2着プロビナージュの話が出たんですけど、この馬は今年の社台の募集で、お母さんと同じ小島茂厩舎で、75万円、総額3000万円で募集されています。今度は牝馬なんですよね、もしこれがダートの牝馬だったら元を取れるかどうか。ここで2着になったことで、募集の票数はどうなるのか気になります。

第28回マーメイドS

蒼:マーメイドステークスの方振り返りなんですけれども、こちらゆたさんからお願いしてもよろしいでしょうか。

ゆ:はい、よろしくお願いします。このレースに関しては、福島牝馬ステークスの上位に対して、条件戦から上がってきた馬が挑んでくる、プラス、ウインマイティ みたいな形だったと思います。マーメイドステークスというレース自体は、内回りの阪神芝2000というところがありますので、もともと上がり4ハロンの持続力のある脚が使い続けられるかというのが問われる舞台ではありまして。例年だとそこに対して軽ハンデの馬がうまく差し込めるかというところがポイントになるようなレースです。今回ちょっとハイペースが見込まれるなとは思ったんですけども、予想以上に速くなったので、結果的には強い馬が上位を占めたのかなというレースだったと思います。

レースの方なんですけれども、ゲート出てハギノメーテルがハナを主張するんですけど、内枠からシャーレイポピーヒヅルジョウも応戦する形で結構ハナ争いが厳しくなったという形です。コーナーに入る前にハギノメーテルがハナを取り切ればよかったんですけれども、スタート直後は取りに行ってるんですけど、ちょっとコーナー入る前はそこまで押していく感じもなかったので、結果的にコーナーで内枠からシャーレイポピーがハナを奪い返して向こう正面というレースになってます。これシャーレイポピーも初ブリンカーですので、できるだけ行きたい馬、今回は行きたかったと思うのでしょうがないのかなというところはあるんですけども、この時点で前半の3ハロンが33秒8と、これだけでも苦しいんですけれども、さらに向こう正面に入ってからハギノメーテル、ちょっと抑えがきかない形で前を突っついてしまったので、その後も11秒7、11秒8という展開なので、本当にスタミナ勝負のレースになったのかなと思います。なので、4コーナーでは前はバタバタになってしまったので、そこをビジンが先に抜け出しはかるも、内からビッグリボン、外からウインマイティーが伸びてきて、1着中をビッグリボンが制するという形になりました。

勝ったビッグリボンなんですけれども、こちら道中は3列目でじっくり待機している形だったというレーでした。この馬の適性は先ほどの話ではないんですけど、ルーラシップ産駒というところもあって、多分スムーズに加速できないと厳しい競馬になると思われました。しかし、ここは鞍上の西村騎手がうまくさばいたレースだったと思います。特に3コーナーですね。3コーナーで再度ちょっとペースが上がってきたところで、シンシアウィッシュの外の2列目をストーリアと奪い合いという形になりました。そこでちょっとぶつかりながらも引かずに進路を確保したことで、直線入り口ぽっかり前が開いて本当にスムーズに加速することができました。これが本当に勝因だったのかなと思います。

一方で、この2番人気のストーリアはここで弾かれちゃった後、4コーナーでも今度はビッグリボンサンカルパに挟まれてしまって、かなり不利が続いてしまった競馬だったので今日はちょっと参考外と言ってもいいのかなと思います。2着のウインマイティについては外回ってこの馬らしく、ゴールドシップらしい走りだったと思うんですけれども、斤量差もありましたし、今日に関してはビッグリボンの方がいい出来というか強さだったのかなというふうに思います。

あとは3着に関しては、本当にペース速かったのでホウオウエミーズ道中最後方から、内ラチ沿いでうまく脚を溜めて、4コーナーも焦らずに前が開いてから仕掛けたので、非常に展開有利につけた団野騎手の好騎乗だったかなと思います。はい、以上になります。

蒼:こひさん、マーメイドステークスの方で何かありますでしょうか?

こ:はい、まあもうこのレース、ここまでペースが速くなってしまうともう地力勝負になる、というようななんかそんな印象通りなレースだったなと思ってました。このレースにしては珍しくトップハンデが2着で2番目が勝ってで3番目が3着というような感じでなかなかあの難しいレースだなというところをちょっと改めて思わされましたね。あとは今回ある程度前で条件戦で勝ってきた馬が揃ってきていたレースではあった中で、結構有力どころの騎手が東京の方で乗っているところもあって、今回結構フレッシュなあの鞍上が多いレース構成だったかなと思います。多分そういったところも序盤のペースのところに出てしまったのかなというような印象でした。

関東オークス

こ:今回の関東オークス戦前の展望の時点で少し触れましたが、芝からのJRA組の転戦組がいないというところで、結構高いパフォーマンスで一勝クラスを勝った馬がちゃんと揃ったという点でも、非常に見ごたえがあるレースになったかなと思います。今回のレースの一つの肝になったのはあの隊列かなと思っています。最初に勝ったパラリバトルマリンなんですけれども、これは東京のマイルで逃げて2勝してきたというキャリアだったので、普通に考えたらこの馬が行って、距離的にどうなのかなみたいなレースになるかなと思っていたんですが、飛びが大きいこともあって、スムーズにゲースしたいところもあってか、フェブランシェですね。大外13番から行きました。2番に行くフェブランシェがハナの方を取り切りまして、パラリバトルマリンは2番手という隊列になりまして、その後外3にメイショウオーロラというような隊列ができましてからは、非常にペースも遅くなりまして、この時期の関東オークスらしいペースになったかなと思います。

このレースは隊列が非常にポイントだったなと思っています。まず逃げたフェブランシーが早めにコース適性もあって完全に息切れしてしまった形になりまして、ワンテでうまくなだめてきましたパラリバトルマリンが、そこから結果的には完勝という形で抜け出しました。外々回ったので一番実績があったメイショウオーロラの方は、最後結果的に甘くなってしまいまして、インを立ち回ってしぶとく伸びてきましたクレメダンジュといったところにもかわされるというようになったかなと思います。パラリバトルマリンが2番手メイショウオーロラだったら、また全然違うレースになったのかなというのは思いつつ、パラリバトルマリンは非常に内容のあるレースだったかなというふうに思います。

この勝ったパラリバトルマリンは、血統的にもたまにこういう路線に出てきます。マリブムーン産駒というような形になっておりまして、今後ちょっと路線的にはこの後は必然的に古馬と当たっていくような形になるかなと思います。しかし、控える競馬でも結果が出せたというところはすごく大きな収穫があって、そこは今後楽しみだなというところです。とはいえ、今回あまりつつかれたりせずに、ある程度自分のペースで守れたところがあるというところがあるので、将来的にこの路線で言いますとテリオスベルという、とりあえず外からまくっていく馬がありまして、感覚的には馬との相性は悪そうじゃないのかなというふうに思います。なので、ある程度次走以降人気すると思うので、古馬と初対戦とかで当たったら、ちょっと下げてみたいなというのも今から思っていたところでございます。

2着に来ましたクレメダンジュですね。この馬も本当エントリー寸前に一勝クラスをうまくさばいて勝ち切ってのエントリーだったんですが、今回の内目からすごく上手くさばいてきまして、非常に内容のあるレースだったなと思います。この馬の父がラニでノースヒルズの生産というような形になっておりますが、実はこのジャパンダートダービーに行きたいというような話も出ているみたいですので、そういったところで通用するのかしないのかですと含めて楽しみではありますね。この関東オークスの2着賞金ですと、クラスが3勝クラスになりますので、このまますぐに牝馬ダートグレードで勝負というわけではなくて、どこかでもう1回賞金積まないといけない立場になりますので、なのでジャパンダートダービーレパートSあたりで何とかという感じかなと思いますね。

はい、3着のメイショウオーロラは位置取り的なところも含めて、一番ちょっとかわいそうなレースをしていたなという印象ですし、このまま次に牝馬限定の2勝クラスで古馬と当たった時には確勝級じゃないかなと思います。いまだに900万しか持っていない立場になりますので、そこはぜひ狙いたいなと思っていますね。最後にちょっと目についたのがこれでグランダムジャパンのチャンピオンになりました5着に兵庫のマルグリッドが突っ込んできてまして、結構直線不利というか、ぶつかったような形もあって、あまり力出し切っていない印象でも上位に通用してきている大きく前から離されていないというところはすごく見ててびっくりしたなという印象でした。この世代は結構名古屋の方で活躍しているセブンカラーズですとか、兵庫ダービーの勝ち馬も牝馬だったりですとか、地方の方にも強い牝馬というのがいる中でありますので、そういった組が今後南関東組と合わせて殴り込んできた時どうなるかというところもちょっと楽しみだなという印象まで持ちました。はい、以上になります。どうもありがとうございました。こ


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