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予測が付かない本番に向けて東西前哨戦の勝ち馬を評価する(シルクロードS・根岸S回顧)

この記事は、競馬評論サークル芯力のスペース2024.01.28 21:00~からの文字起こしです。


第29回シルクロードS

蒼山サグ(以下、蒼):本日京都で行われましたシルクロードSのレースを解説していきましょう。こちらゆたさんからよろしくお願いします。

くらみゆた(以下、ゆ):はい、お願いします。こちらのレースは、昨年阪急杯を勝って一気にG1の頂点までいけるかなと思ったところで足踏みにしてしまったアグリに対して、新興勢力が挑む1戦になったと思います。結果を見ますと、アグリがしっかり力を出し切ったんですけれども、それ以上にレースをうまく走り切ったのがルガルでした。

今日のレースはやっぱりルガルが抜群のスタートを切ったというのが一番大きかったと思います。スタート直後に半馬身に抜けるような形で一気にレースを自分のものにしたかなというレースでした。外からハナをとりにきたテイエムスパーダを先に行かせて、終始良い手応えで追走。直線も荒れた京都の馬場の良い外を選んで抜け出すという形で、初重賞ながら快勝という形になっています。

重賞初勝利かと思えないほど鮮やかな勝ちっぷりだったルガルなんですけれども、レース後の杉山調教師のコメントからもあったとおり、やっぱり西村淳也騎手のスタートが抜群だったなと思います。騎手の腕で勝たせた1戦だなと思います。京都では今日、西村淳也騎手と坂井瑠星騎手の対決がよく見られたんですけど、この2人のレースぶりは改めて注目だなというふうに改めて思ったところです。高松宮記念の中京競馬場も芝が荒れがちなんですけど、そういう意味ではルガルは適応できそうな形。57.5キロを背負ってこの勝利ですので、本番に向けて視界良好というところでしょうか。とはいえスプリント戦、あんまり速いペースに耐性があるガチガチのスプリンターがいないので、今回そういう中で先頭抜け出したというところをどう評価するかというのは悩ましいところ。レース展開次第でちょっと変わってしまう、今のスプリント路線はそういうところがあるので、枠順を見てから上手く走れるかの判断になるかなというふうに思います。あとは1200mで重賞勝ち馬を出すドゥラメンテの底力というかスピードが素晴らしいなというふうに思ったところですね。

2着のアグリは脚質が幅が出た一方で、前に強い馬が速いペースを刻むと差せないというところで、ちょっと鈍なスプリンターになりつつあるのが気になるところかなと思います。今日ただスタートが最高に決まったルガルと3馬身というのは、実力以上に離された面もあるかなと思います。ので、先ほど話がありましたが、坂井瑠星騎手が継続騎乗するのであれば、どう工夫していくかというところには本番注目したいなと思います。はい、以上になります。ありがとうございました。

蒼:こひさんからシルクロードSの補足はございますでしょうか。

こひ(以下、こ):ハンデ戦ではあるんですけれども、別定戦のような形でしっかり実力が問われたレースだったなという印象です。やはり勝ったルガルですね。他の前に行った馬はだいたいみんな脚をなくしている。大半は実力不足的なところはあるかもしれないですけど、あまり前に行った馬が残っていない状態でありながらのこのパフォーマンスは、ちょっと一枚上だな思わせてくれるレースで、本番に向けては非常に期待値が上がる結果だったかなというふうに思います。あとは次走で上がってくるところがあるとすると、ずっと外を回されていた馬。京都の今の馬場状態と勝ち馬のポジションを考えると苦しかったかなというところがあります。ので、拾いどころはそこかなと思います。

第38回根岸S

第38回 根岸S 出馬表

蒼:東京第11レースに行われましたダート1400m根岸Sの回顧の方に移りたいと思います。こちらまずこひさんからよろしくお願いします。

こ:はい。去年は勝ち馬のレモンポップがそのままフェブラリーステークスを勝ちまして、かなり本番に直結する形になりましたが、今年はもともとここを予定していたドライスタウトの回避というところもありまして、一見ちょっと小粒には見えるメンバーではあったかなと思います。ただ勢いのある4歳馬ですね。そこが何頭か揃っていまして、同時に東京のダートの距離であれば物差し的な形で走りますタガノビューティーを筆頭に古馬と当たる構図になりまして、4歳馬の実力が測ることができる、そういったレースだったかなと思います。終わってみれば、その勢いのある4歳馬3頭でワンツースリーというような形になりまして、本番に向けての期待が大きいレースだったかなと思います。

レースとしてはとにかくペースが遅かったなという印象でして、スタートで一番内の枠のアイオライトが出遅れたというところと、その外によく根岸Sで前に行っていますヘリオス武豊騎手のコンビがいて前にそのまま行ったというところ。あとは外枠からうまく先行というような形で持ってきました松若騎手のアームズレインが番手につけたというところで、ほぼほぼ隊列が決着したかなというふうに思います。ちょっと重賞クラスのダートの短距離戦とは思えないラップになりまして、道中で12秒0、12秒5、12秒3、12秒台が3回入るというようなゆるゆるラップになりまして、終わってみれば勝ったエンペラーワケアの上がりタイムが35秒2という形になりまして、完全に最後の2ハロンの競馬になってしまったと思います。

ただそんな中ですが、この勝ち馬ですね。外を回して、道中もそういう意味で5番手ぐらいというような形で一番恵まれたポジションではないところから後続をちぎる形でしっかりと突き抜けたというパフォーマンスは立派の一言かなというふうに思います。本番もちょっとゆるめのラップになったときにはエンペラーワケアに出番はありそうかなというふうに思いますが、速いペースになったときにどんなパフォーマンスを見せるかというのは過去のレースを見ていても分からないというようなところでした。そういったところのペースも見ながら本番の選択をしたいなという印象です。

2着のアームズレインですね。こちらはスローの番手にうまく持っていきまして、レース後のコメントを見ていると松若騎手の外枠だったのでしっかりとポジションを取りに行ったというようなコメントがありまして、すごくいい騎乗だったなというふうに思います。そういった好騎乗もありまして1400mまでの距離延長はなんとかこなしたかなというような印象ではあります。ですので、多分本番には向かわないタイプのような気はするんですが、ちょっと本番でどうのというような感じではなかったかという内容に思います。

あとは3着のサンライズフレイムですね。このエンペラーワケアの後ろからそれをめがけて追い出したような印象のレースでして、最終的にちょっと突き放される形にはなりましたが、この馬も外目を回しておりまして、実力的にはよく頑張っていたかなと思います。重賞でもチャンスはありそうなレベルの馬かなと思います。

あとは基本的に後方の馬はペースが落ち着きすぎましてもう直線に入った時にはどうにもならないというようなレースだったかなと思いまして、冒頭にもちょっと話しましたタガノビューティーを筆頭に見直せるんじゃないのかなと思います。特にタガノビューティーは条件さえ整えばフェブラリーステークスで飛んでくるタイプの馬ではあります。ですので、今回の敗退というものは全くノーカウントで次は考えていいのかなと思いました。以上です。ありがとうございました。

蒼:それではゆたさんから補足ございますでしょうか。

ゆ:はい、今回ペースが緩かったというところでフェブラリーステークスに向けてどう繋がるかというところで、今年も勝ち馬が1400にこだわって使ってきた馬なので、去年のレモンポップのような期待をしていいのか、今度こそ前哨戦までと切って考えるべきなのかというのは、本番までどういう馬がどういう並びで枠順に入るかもわからないので楽しみだなというふうに思っています。

こ:今年は混戦ということで、色々な路線からフェブラリーSに回ってくる馬が多く、展開含めてどうなるかが楽しみです。

蒼:私からは小ネタになりますが、アームズレインの三代目にスティールハートがまだいて、ダビスタ2かよ!と思ったことを伝えたいと思います(笑)。まだこんなところにスティールハートがいる血統表があるんですね。以上です。ありがとうございました。

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