見てたよね、福永師!川田騎手のお手本のような差し競馬が決まってキングヘイロー産駒のリフレーミングが重賞勝利(第60回小倉記念・第59回関屋記念回顧)
第60回小倉記念
蒼山サグ:
真夏の重賞開催は変則ですが、伝統ある重賞を回顧していきましょう。まずは中京で行われました小倉記念の回顧からいきましょうか。こちらはよろしくお願いいたします。
くらみゆた:
お願いします。中京の芝2000mというところで少し馴染みにくい舞台になったところですが、キングヘイロー産駒が2024年に重賞を勝利、しかもレコード決着という結果で、趣のある決着になったのかなと思います。
レースの方は戦前の予想通り、テーオーシリウスが引っ張る流れで、コスタボニータが外から2番手、シリウスコルトが3番手、ディープモンスターが中段後方からリフレーミングというところで、割と予想通りの隊列になったのかなと思います。ただ、隊列は早めに決まったものの縦長な馬群で向こう正面に入る形になっています。逃げ馬のテーオーシリウスがペースを落とさなかったことで、前半の1000mが57秒台という形になりました。2番手のコスタボニータのところが大体約1秒差で58秒7くらい、リフレーミングが大体60秒程度の追走という形になりましたので、縦長で割と締まった流れということで、この辺がレコード決着を生んだ要因だったのかなと思います。直線に入るとテーオーシリウスはだんだん脚がなくなって、残り300mくらいでコスタボニータが先頭に立ったものの、最後はリフレーミングが差しての重賞勝利という形になりました。
今日のこのレースに関して言うと、勝ったリフレーミングもさることながら川田将雅騎手のエスコートが非常に素晴らしかったと思います。スタートの直後は1枠ということもあって内側に沿って進路を取りましたが、1コーナーの手前で外のプレッシャーがなくなると少し外に動いて、斜め後ろにいたファユエン辺りを牽制という形でポジションを確保しました。1、2コーナーは今度内側に沿ってぴったり回って距離ロスのない形。向こう正面に入るとまたじわっと外に出して、外はファユエンだけという形でいつでも動ける場所をキープしました。3コーナーはそのままロスなく回って、4コーナーの少し手前、3、4コーナー過ぎたところから一気に斜めに進路を確保していって、後はもう外から伸びるだけというような形で、お手本のような差し競馬で勝利を導いた形になっています。体調不良というところで先々週までお休みを取っていましたが、川田騎手はもう完全に本調子に戻った競馬だったのかなと思います。とにかくペース判断もコース取りも非常に川田騎手の上手さが目立ったレースだったと思います。
2着のコスタボニータも先行勢が潰れた中では力を見せた形だったと思います。勝っておかしくない競馬だったと思います。一呼吸遅らせたらもうちょっとというところがあったのかもしれませんが、今日に関しては勝ち馬、川田騎手が上手かったという一枚上だったと思うしかないかなと思いました。3着のディープモンスターに関しては、ハンデ差もあったので後半に少し揺さぶりがあったのかなと思います。私からは以上になりますが、蒼山先生から思い入れのあるキングヘイロー産駒の勝利について一言有りますか?
蒼山サグ:
そうですね。6歳でこの年で中京で重賞制覇というのは思い出深いものがあるなと思いました。可能なら有馬記念で3着とかに入ってくれたら泣いちゃうかもしれないです。
くらみゆた:
2000mを一貫して使われてますが、非根幹距離で見たいところはありますよね。
第59回関屋記念
蒼山サグ:
では、小倉記念の回顧は以上とさせていただきます。続きまして新潟で行われました関屋記念の方の回顧に移りましょう。こちらもよろしくお願いいたします。
くらみゆた:
新潟風物詩、夏のマイル戦関屋記念。本来なら長い直線でどれだけ脚を持たせられるかが問われるレースなのですが、今日に関してはかなりペースが緩かったこともあり、逃げ馬有利、一瞬の脚を前の方で使える馬が活きるような流れになって、米子ステークスと繋がる結果になったのかなと思います。
レースの方ですが、トゥードジボンが逃げるという展開は予想通りでした。とにかくペースですね。2番手以降が抑え込んだことでかなりゆったりしたペースになっています。前半600mが35秒4というのもそうですが、600mから800mも12秒3という流れ。そこから3コーナーに入るという形だったので、実質的には後半600mだけの直線競馬という形になりました。さらに馬群も縦長だったこともあり、ポジションをとった逃げ馬にとって有利な競馬になったのかなと思います。結果として直線に入ってもトゥードジボンの脚色が衰えず、そのまま逃げ切りました。好位のディオが2着、最後はよく追い込んだジュンブロッサムが3着という結果になりました。
勝ったトゥードジボンですが、とにかく今日はペースが緩かったです。関屋記念は外枠もしくはコーナーで窮屈にならない形で好位から競馬するのが有利になるレースなのですが、今日に関して言うと600mでいかにうまく走れるか、脚を残せたかという競馬になったのかなと思います。2番手勢のサクラトゥジュールとかラインベック、あとはワールドウインズあたりがあまり最後まで粘れなかったことと、プレサージュリフトがあまり伸びなかったことが大きかったのかなと思います。この辺がもうちょっと動けていれば違う結果だったのかもしれません。結果的には京都のマイルっぽい競馬になったのかなと考えています。
ディオはその後ろでこのペースの恩恵を受けた形で2着、3着のジュンブロッサムもよく追い込んできましたが、今日のペースではここまでだったのかなと思います。個人的にはプレサージュリフトからサンライズロナウド、ジュンブロッサム辺りを狙っていて、ハービンジャー産駒は来るかなと思ったのですが、ペースを読み違えてしまったというか展開を読み違えてしまったレースになってしまったという形でした。以上です。
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