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桜花賞馬を軸に枠順と適性から2400で浮上する人気薄は?(第85回オークス展望)

この記事は、競馬評論サークル芯力のスペース2024.05.19 21:30~からの文字起こしです。


第85回優駿牝馬

蒼山サグ(以下、蒼):オークスの展望に移りましょう。こちら、ゆたさんの方からまずはよろしくお願いいたします。

くらみゆた(以下、ゆ):まずは馬場状態ですけれども、東京は中間に雨はちょっとありましたが、土曜日の芝コースは1日両馬場というところで、あまり内外の差がないような馬場状態のように見えました。明日についても、極端な前残りや後ろがすごく有利というようなこともないことから、やはりセオリー通り、桜花賞組を評価しながら考えるべきレースなのかなと思っております。

続いて枠順、展開面で考えていきますと、まずペースですが、それほど速くなるというのは考えづらいと思います。前に行く2、3頭、パレハショウナンマヌエラヴィントシュティレあたりの前に行く2、3頭、そこそこ速い流れで前を引っ張る可能性はあると思うんですけれども、ちょっと離れた後ろは、いわゆるスローの追走という形のレース展開になるのかなと思います。ですので、後ろ過ぎてもやはり厳しいところがあると思います。中段から末脚に自信がある馬というのが最後伸びてくるレースになるのかなと思っております。

あとは、オークスという舞台ですね。血統的に考えると、やっぱりこの時期の3歳牝馬には過酷な距離というところもありますので、比較的スタミナ色の強い馬を血統表に持っている馬が上位に顔を出すレースだと思います。特に土曜の東京の馬場はですね、ロベルト系、欧州系にディープインパクト系が入ってますみたいな血統が優位というのが距離問わずありました。ここまでの傾向を踏まえますと、今回の桜花賞馬、ステレンボッシュは、国枝師がかなり強気なのも目立ちますけれども、2冠の可能性はかなり高いのかなというのが考え方の軸になると思いました。

一方で2着以下についてどう考えるかというところになりますが、ちょっと見かけたのが中山の芝2400mでキズナ産駒が勝ち切れていないみたいな話題。ただ何度も話している通り、キズナ直近の繁殖の質はちょっとこれまでとレベルが違いますし、キズナ自体距離延長で比較的結果を出している種牡馬です。今回出走している馬も母系からしっかりスピードを兼ね備えているという馬が多いですので、キズナ産駒ということだけで馬券から外すということはあまり必要ないのかなと思います。ただ今回の産駒をどう評価するかと考えると、クイーンズウォークは本当に買いたくなるパターンの馬ではあるんですけれども、内枠をどう捌くかという点で不安があります。これまでの結果を見るとあまりポジションを取りに行くというのは考えにくいだけに沈むこともあるかと。人気を考えるとタガノエルピーダの方が気になる存在かなと思います。トニービンを母系に持っている血統背景。2歳時からなかなかローテーションが流動的というか、うまく賞金を稼げなかったところですが、忘れられていた賞金をすっきり獲ったことでしっかりここに狙いを定めてきたレースになりますので、いい結果を残せる可能性はあるんじゃないかなというふうに思います。

はい、あとはライトバックですね。これはやっぱり枠順が気になるところで、スウィープフィートと同じ枠に入ったというところは非常に興味深いかなと思います。エルフィンステークスと桜花賞で2度、坂井瑠星騎手がスウィープフィートを完封しているという形になってますので、武豊騎手がどう乗るのかというところですね。どちらもやっぱりちょっと折り合いに不安があって、後ろから末脚を活かすレースをするということはほぼ確定的だと思いますので、これは明日のレース着順がどうなるかは別としてパトロールビデオは見逃せない、鍔迫り合い楽しめるんじゃないかなというふうに期待しています。

あとは人気薄の馬をお話しますと、逃げ馬の後ろで馬群の先頭に位置取り、ペースをコントロールできそうな馬に注目したいと思います。具体的には、原優介騎手が乗っているホーエリートに注目しています。前走は乗り替わりで折り合いに苦戦したところもあり、ポジションを下げましたが、今回は継続騎乗というところでスタミナを生かした競馬をしたいと公言されています。後ろのペースは少し遅くなると思いますが、少し早めに動いて差し馬勢にマージンを取れれば、馬券圏内はあるのではないかと期待しています。

まとめますと、主役はやはり桜花賞馬のステレンボッシュかなと思っております。こちらを軸に、今年注目の父キズナ産駒からはタガノエルピーダ、先ほどお話しした通り好位置が取れそうなホーエリート、土曜日にハービンジャー産駒が好走していましたのでチェルヴィニア、そして内枠で距離適性が高いミアネーロあたりも考えていきたいと思っております。以上になります。ありがとうございました。

蒼:続きまして、こひさんからもよろしくお願いいたします。

こひ(以下、こ):はい、私も今年の桜花賞組は一定の評価をするべきだと思っていまして、今回もオークスの1着、3着、4着というところが当然人気も集中しておりますので、そのあたりをある程度上位に取らないといけないというところは全く同感ですね。そういう意味では、そこに別路線組をどう絡めていくかというところの穴馬のピックアップが、このレースの妙味かなと思っております。

で、一番目につきますのは、先ほどゆたさんも触れてましたが、タガノエルピーダが外枠が嫌われたのかなというところもあるかなと思いますが、思った以上に人気がないなというのが割と率直な印象でして、私の感覚としては桜花賞組の上位3頭の次ぐらいに入るのかなと思っていましたら、ちょっと離れた7番人気というような形になっています。オークスとダービーの外枠ってよく比較されるような話にもなっていますが、ダービーは割とシンプルに外枠は不利なんですけれども、オークスは過去のレースの成績を見ていても、そこまで外枠が不利ではないというところは強調したいと思います。外枠でミルコ・デムーロジョッキーがどういう乗り方をするかというところに不安がないかというと、ないわけでもないんですけれど、この人気であれば積極的に買いたいなという印象です。

あとはフローラステークスの勝ち方自体はそれなりに評価するべきと思いますアドマイヤベルですね。このまま、あまり他のトライアル組と比べるとちょっと人気はあまりしてないなというような印象ですので、8番人気というような形でありますと、馬券の中で絡めていきたいなというふうに思います。

あとは調教後の馬体重ですとかを見てますと、今回久々になりまして、さすがにちょっとクイーンカップの大負けがありまして、人気を落としています7枠15番のサフィラ。この兄弟の方がみんな東京で走っている血統というところや、サリエラが明らかにノーザンファームの中長距離を意識したレースを使っているというような血統背景ですとか諸々を持っていますと。長距離後馬体重で20kg以上増えているというところで、今回も陣営コメントで10kg以上増やしたいというところのコメントもありましたが、前走で減ってしまった馬体重を戻してパフォーマンスを戻すという可能性は十分にあるのかなと思います。そうなってきますと、アルテミスステークスでチェルヴィニアの2着であったり、阪神JFでアスコリーピチェーノの4着というようなところ、そこをプラス適性というところがあれば、全然人気がないような立場でもありますので、ちょっと馬券に絡む可能性もあるかなというふうに思っています。

あとはゆたさんと私の見解は重なりますが、私も正直大きく狙いたいのはクイーンズウォークだと思っていました。しかし、この枠だと積極的な手が出しづらいというのは、ゆたさんと全く同じ感覚です。

蒼:ゆたさんから付け足しや補足はありますか。

ゆ:そうですね。タガノエルピーダの人気がないというところで、オークスはあくまでBコースなので、そこまで外枠が不利にはなっていないと思います。牝馬の方が揉まれ弱く、内枠はレースを組み立てづらくなるというのはあるかもしれません。タガノエルピーダは、あまり折り合いに難があるタイプではないので、M.デムーロ騎手が変なことをせずに乗ってくれれば、結構いいところに来るのではないかと期待しています。

蒼:こひさんはいかがでしょうか。

そうですね。タガノエルピーダは、初めの印象でマイラー色が強そうに感じられがちですが、血統背景を見てみると、むしろこの舞台の方が向いていそうです。父がキズナで、その上の母母父がトニービンという形で、いかにもこのレースに向いていそうだと改めて思いました。早めに短距離で結果を出すと、短い距離の印象を持ちがちですが、そこは改めて見直してみてもいいと思います。

ゆ:馬体重も440kgを切っているので、昔ながらの忘れな草賞を勝った馬のオークス狙いのような、ちょっと古い感じですが買いたくなるところですね。

蒼:昔からオークスは軽い馬だという格言がありますからね。

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