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2023年第73回安田記念・第76回鳴尾記念・新馬戦回顧

この記事は、2023年6月3日16時30分〜 Twitterスペース 芯力休憩所#41 「ダービーtoダービー2023」及び、2023年6月4日16時30分〜 芯力休憩所#42 「安田記念と新世代と」からの文字起こしです。

第73回安田記念

蒼山サグ(以下、蒼):安田記念の振り返りの方をやっていきたいと思います。まずはゆたさんからお願いできますでしょうか。

くらみゆた(以下、ゆ):はい、お願いします。G1馬が多数出たレースだったんですけれども、終わって結果としてはソングラインが頭1つ抜けた力というか速さを持っていたというのが見させられたレースだったのかなと思います。

展望でも注目していたスタートなんですけれども、メイケイエール飛び上がるようなスタートで後手を踏む形になりましたので、その後はほぼレースに参加できないというような形で、なるべく他馬の邪魔をしないようにだけ走っていたというような競馬になっちゃったのかなと。一方で、ジャックドールこちらは武豊さすがのスタートで、思ったよりソダシが主張しなかったのとウインカーネリアンが一気にハナを取ったというところがありましたので、ウインカーネリアンジャックドールソダシという隊列が早々と決まって、割と何でもできる落ち着いた展開になったのかと思います。前半の600mが34秒2という入りだったので、これはジャックドールとしては多分脚を残せる良い入りでした。一方で、ソングラインシュネルマイスターあたりは無難にスタートを切っていて、ソングラインが大外からちょっと行きたがる仕草もあったんですけれども、きちんと折り合っていて、牝馬の取り扱いが巧い戸崎騎手らしいなというところがありました。あとはセリフォスですね。やっぱりレーンが内枠からさっとポジション取りに行ったというのは、前半戦のやっぱり巧さで目立ったところだったのかなと思います。

中盤に関して言うと、本来であればおそらくジャックドールはもう少しペースを上げたかったと思うんですけれども、やっぱりちょっと追走力というかマイルの流れでのスピードレンジというのはまだ経験不足だったということもあり、ウインカーネリアンを見ながら落ち着いて走ってしまったというところで、600-800m、それから800-1000mというところが11秒8、11秒6という流れ。やっぱり2000m走っているときと同じようなレンジの走りになってしまったのかなと思います。これではちょっと肉を切らせて骨を立つようなレースというか、この馬の良さが出る流れには持っていけなかったのかなと。そういう流れもありましたので、直線に入ってからはジャックドールが抜け出しにかかるんですけれども、内から非常にうまくセリフォスがかわしてくる形で、ほぼこれは(セリフォスが)勝てる競馬だったと思うんですけれども、それをさらに後方からキレッキレの脚でソングラインが差し切り。シュネルマイスターは伸びましたけれども、3着までという結果になったというのが全体の流れだったかと思います。

勝ったソングラインは、本当に大外からスムーズな競馬で戸崎騎手が一番走りやすい形だったのかなと思いますし、直線も本当に一頭抜け出す脚が違ったと思いますので、これ中盤が少しですけど緩んだことで脚が溜まったというところもありますが、一枚上の強さというところで、ヴィクトリアマイルは展開が勝利を引き寄せたなって感じだったんですけれども、今回は実力で勝ち切ったなというレースだったのかなと。秋は海外で今度こそ見たいなというレースだったと思います。

蒼:発表はないですが、(海外)どうなんですかね、見たいですね。

ゆ:はい、楽しみです。で、2着のセリフォス、これは本当にレーン騎手が2週続けてもう本当に最高の騎乗だったと思いますね。勇気を持って内枠からポジション取りに行ったというところもそうですし、その後の折り合い、それからジャックドールの後ろにスッとつけた後に、直線は最後壁になりかけてるんですけれども、ソダシジャックドールの間が空いた瞬間にそこをねじ込んでいって、本当に普通だったら勝てる競馬だったと思いますので、相手が悪かったなというレースだったかと思います。3着のシュネルマイスターはちょっと残念だったんですけど、どうしても最近のレースの仕方だと展開に左右されるという形があって、今のソングラインのお尻を見てる競馬だとどうしても追いつけないのかなというところですね。ルメールが乗っているというのもあるので、もっと前につけると脚がなくなってしまう判断をしているのかというところがちょっと悩ましいのかなと思いました。

蒼:そうですね、その辺に関してはちょっと僕が出資者でもあるので、改めて補足したいと思うんですが、他にあればとりあえず後でお願いします。

ゆ:はい、あと4着のガイアフォース、路線転向が本当にいい陣営の判断だったなというところ。それから5着のジャックドールは上がりが今回34秒0というところで、本当にこの馬の(末脚の)限界がここにあるのかなというところがありますので、本来だともうちょっと速いペースで凹凸のないラップを刻みたかったのかなと。コーナーの減速を考えてももうちょっとペースを上げたかったのかなと思うんですけれども、やっぱりこれ以上急かせるとリズムを狂わせてしまうという武豊の判断があったのかもしれない、ここはちょっとコメントを見てみたいなと思います。ただ初距離にしては5着まで粘ったというのはいい走りだったとも言えますので、今後2000mでさらに強い相手と戦っていくことを考えても、もっと追走力を上げていくような競馬をしていくのも一ついいのかなとは思いました。全体としては以上になります。

蒼:ありがとうございました。ではそうですね、続いてこひさんにお願いしましょうか。こひさんからよろしくお願いします。

こひ(以下、こ):はい、ゆたさんがおっしゃる通りでしたが、先行馬が内ラチ沿いで先行馬の競馬をしていて、ソングラインシュネルマイスターというのは外の馬でそれぞれ競馬をしていたような、そんな印象のレースだったかなと思います。やはりペースで言いますと、ウインカーネリアンのペースになってしまったこと、プラス、ウインカーネリアンジャックドール、ソダシという並びになってしまった以上、ソダシジャックドールもペースを自分から上げにくいよなというところがあったかのかなとは思いました。たぶんソダシがペースを上げるには3番目の位置から上げていくというところで(負荷が)大きいですし、ジャックドールが上がっていく時はソダシが気になりますというところで、そのあたりの順序性というのは非常にペースに影響してしまったなと。このあたりやっぱり武豊そして川田ジョッキーのコメントがすごく気になるところですね。この二頭は一定の結果を出せたんですが、能力は出し切るまではいたらなかったかなというような印象で、特にソダシが最後セリフォスに内を掬われた後、結構ふらついていて、ソダシがあまり内から掬われるというイメージがなかったなというのが考えてみていて思っていたので、やっぱりある程度ラチを頼れるようなポジションが欲しかったかもしれないなというところは思いました。

あとは外枠組で言いますと、本当にもうソングラインは終わってみれば抜けていて、ヴィクトリアマイルよりも出来自体は良くなっていたんだろうなというところで、枠順である程度人気含めて下がったところがありましたが、そういうレベルの馬ではなかったんだなというところが終わってみて改めて思わされたかな、そんな形ですね。あとは間にいた中途半端な位置の馬は、結構内が内でそれなりに揃って競馬をしていて、外は外できっちり自分たちのポジションを守ってというような形で結構ごちゃごちゃしていたなというようなところ。あとはガイアフォースが自分の脚を使って抜けてきたというところは陣営がそれなりに長い距離で結果を出しているところから、早々と4歳でマイルに転向するというような決断をしたのも素晴らしさというところは感じましたし、このカテゴリーで慣れていくともっとポテンシャルを発揮できるんじゃないかなというような印象でした。

あとは3歳ですね、気になったのはシャンパンカラー。ある程度前目のポジションになっていったんですけど、(レースとしては)追走ラップがそんなに上がりきってないみたいな話をしたんですが、これまでのペースの経験から比較すると、3歳のシャンパンカラーのキャリアからすると今回のペースは未体験の速いペースだったので、前目追走で力尽きてしまったのかなというところで直線入ってすぐに手応えがなくなってしまうというような内容でした。ドルチェモアについては、その前の3コーナーですでに手応えがなくなっているような形で、今年になってからの状態面というところは非常に心配かなと。

蒼:ちょっとメンタル来てる可能性があるのかなみたいな感じですよね。

こ:そうですね、最近そんなにはいないですが昔あった朝日杯を勝って燃え尽きるタイプがたまにいたなと思いました。そういうタイプにならないといいなと願うばかりです。あとはメイケイエールが立ち遅れて結果的には内側で競馬してましたが、なんとか迷惑をかけないように競馬できないかと外に持っていこうとして、どうにも枠順的にならずに(内に)帰っていって以後はおとなしい競馬をやらざるを得なくなったみたいな雰囲気が見て取れまして、これは大変で難しいなという印象でした。

勝ち馬のソングラインが秋どうするかですが、さすがにヴィクトリアマイル安田記念を獲って、安田記念も連覇となってこのまま右回りをあまり使わない、と考えるともう日本でやることは正直ないかなと。天皇賞を使ってもあまり得るものも牝馬ですのでないかなと思うので、特に問題がなければ去年行ききれなかったブリーダーズカップに挑戦してもらいたいなと改めて思いました。

蒼:去年行けなかったというのがあるゆえに特にBCの意識は強いのかなという気はしますね。

こ:あまりマイルチャンピオンシップで好走するイメージが陣営は持っていないんだろうなというところがあります。以上です、ありがとうございました。

蒼:普段でしたらお二方の見解で終わるところなんですけれどもシュネルマイスターは僕の出資馬でもあるので、少しだけシュネルマイスターに関して補足すると、まず大前提として今日のソングラインには手の出しようがなかったなという完敗だったなというのがあるんですけれども。その上で完敗になった要素としてシュネルマイスターがポジションを取れないので後ろで溜めて、上がりどれだけ伸ばせるかという勝負になるとソングラインはそれより一段前で同等の伸びをしてきますので、普通にやると勝てなかったりする。なのでこのままいくとソングラインとの対戦はかなり厳しいものになるかなというところがあるんですが、ただちょっと一個振り返っておきたい要素として中山記念でバシュロが乗った時にすごい前というわけではないですが、それなりにポジションを取って競馬をしたんですよね。その時は結構、おっという脚を使いつつも不利を受けて4着という結果だったので、この馬がもしポジションを取ったら全く脚が使えない馬なんだという決めつけをするのはちょっとまだ早いのかもしれないなというのが僕の中で意識が一つあります。ただ今日、それじゃあ今日前につけてよって思ってたかというと全く思ってなくて、なぜかというとまずルメールは溜めて斬れる脚を使った形で、いくつも結果を出してますので、ルメールが前につけるというオプションを今日の段階で用意したかというとするとやっぱり用意しなかっただろうというのはそれは妥当だと思っています。ですので、今日どうこうという話ではないんですが、もし仮にソングラインが秋にマイルCSに出てきて再戦するということになった場合に関しては、もしかしたらルメールも元々結構差し馬を前につけるというのはお家芸でもありますので、あの結果をもし見つめた上でソングラインでどうやって勝つかと考えていた場合、もしかしたらルメールだったらもう一回前につけてということを考えてくれるかもしれないなということは思いました。まあソングライン僕も正直秋はBCかなと思っているんですけれども、今年のマイルチャンピオンシップでシュネルマイスターリベンジのチャンスがあってもそれはそれで面白いなと個人的には思っておりますというのを補足しておきます。可能性としてはもちろん玉砕の可能性もありますが、違うオプションでルメールが勝負を挑んでくれる可能性もちょっと見てみたいなと思っておりますという補足でした。以上です、ありがとうございます。

ゆ:秋は多分シュネルマイスター1回本番の前に使うのかなという気もするので、どこかそこでちょっと前向けのレースを試してみてもらったら面白いかなというのは聞いていて思います。

こ:スプリンターズステークスじゃないところを使ってほしいですよね。

蒼:そうですね、スプリンターで大失敗しているので。まあ普通に考えると、とりあえず1200メートル、海外と(よくないので)、今までの経歴からして毎日王冠からという感じがしますが、そこでちょっとポジションを取ってみて負けてもいいので楽しんでみてくれると嬉しいかもしれないですね。

こ:開幕週の少頭数でやりやすそうな舞台設定でありますよね。

蒼:そうですね、ちょっとそういうのも期待して秋にまたリベンジを図れればなと思います。セリフォスもまあちょっと誰が乗るかマイルチャンピオンシップだとわからないですけれども、また同じくらい神騎乗をされちゃうと、また差し切れない可能性もありますので、こちらもちょっとオプションも増やしておければいいかなみたいな感じもあります。僕からのシュネルマイスター速報は以上でした。

第76回鳴尾記念

蒼:阪神11レースの鳴尾記念のレビューをお願いしたいと思うんですけれども、こちらもゆたさんからお願いしてよろしいでしょうか。

ゆ:はい、お願いします。鳴尾記念、位置付けとしてはローテーションというか番組としては宝塚記念の前哨戦かなというレースであるんですけれども、なかなか最近この間隔で本番を目指すという馬もいないので、どちらかというとローカル中距離重賞の仲間みたいなレースなのかなと考えております。メンバー的にもそういう傾向がある、阪神内回りに適性があるような前受けできるようなメンバーが揃った一戦だったのかなと思っております。レースとしては3番人気のフェーングロッテンが逃げて、ソーヴァリアントと1番人気、それからマリアエレーナ 2番人気が後位での競馬というところもありましたので、かなり締まったペースでの展開でのレースになっております。馬場もだいぶ回復したとはいえ、それなりに重たかったと思いますので、その中でこのレース、凹凸のないラップ、前半400mからずっと11秒台が続いて、間に12秒1が1回あるんですけど、その後も11秒8、11秒5、11秒8というところで、最後はラップ落ちて12秒3でゴールというようなレースでしたので、かなりスタミナ勝負、阪神の内回り2000の典型的なレースだったのかなと。

勝ったボッケリーニは、結局道中中団で脚を溜めて、早め先頭でスタミナに物を言わせて勝ち切ったレースという形になったと思いますので、少し長い距離で強豪と揉まれてきたところの力の差を見せたレースだったのかなと思います。2着のフェーングロッテン、これは逃げて、今回2着、結構厳しいラップを刻んでますので、強い競馬だったと思うんですけれども、今回も何か一頭にやられてしまうという競馬で、ラジオNIKKEI賞の勝ち馬ですので、なかなかバチッとはまる重賞というのはなかなかないところは難しいところですし、2着重ねているので、それなりに賞金とかハンデも積んでいるので、この後レース選択が難しいなと思うんですけれども、強いレースだったので、人気薄になるようだったら注意したい馬だなと思いました。あとアドマイヤハダルマリアエレーナの後ろにつけて、スムーズな競馬ができましたが、ちょっとスタミナが足りなかったかなというところ。ソーヴァリアントはこの系統の難しさが出てしまっているのかなと思いますので、ここからどう立て直してくるのかというのは、なかなか難しいところはあると思います。このレースは池江厩舎がかなり勝っているレースで、特殊とは言わないんですけど、クセのあるレースではありますので、今回メンバーもそれっぽいメンバーが揃っているので、なかなか馬券的には難しいところですし、今回もクビ差とかなり僅差のレースだったんですけれども、もし来年以降適性外の馬が出てきて、人気を吸ってくれるようなことがあれば注意したいなとあるだろうと思いました。

蒼:はい、ありがとうございました。それでは、こひさんの方から何か追加などございますでしょうか。

こ:はい、私も最後にゆたさんのコメントがありましたが、なんでソーヴァリアントがこんなに負けたんだろうなというところが気になりまして、そこに絞ってレースの方を見直したんですが、結論としてはさっぱりわからんというものでした。パトロール等も一通り流して見たんですが、道中も別に接触ですとかの大きな不利もないですし、鞍上のルメール騎手もかなり近くの馬との距離をとったりしていて、そういった気性面の危ないところをケアして、かなり気を配って乗っていたなというような形の運びになってましたが、それでも外から唸るような手応えのボッケリーニに来られたところで、あっさり交わされたような形になってしまいまして、右前の方でずっと前にいましたマリアエレーナも交わせなかったというような形のレースになってしまいまして、何らかの大きな不利ですとか、何らかのアクシデントとかそういったものもなく、こういった結果になってしまったというのは本当に気性的なところの難しさなのかなというところは思いましたね。

一応確認したところ、まだ社台のホームページの更新がないようなので、そこの真相はまだわからないんですけど。特にラップ的にも先ほどお話しだったようにタフなラップになったんですが、これは去年のチャレンジカップが同じようなラップで勝ち切っているので、じゃあ向いていたか向いていなかったかで言うと、この馬が走れるラップのレースではあったと思うんですよね。そういったところも含めても気持ちの問題なのか、立て直しというところでは時間や工夫がいるんだろうなというところが改めて見直してみて思わされました。

新馬戦プチレビュー

2023/6/3 東京5R芝1600 シュトラウス

  • 13.1-12.1-12.6-12.3-12.3-11.5-11.4-11.6

  • 強い。がメンタルに問題あり。2戦目以降どうなるか

2023/6/4 東京5R芝1600 ボンドガール

  • 12.7 - 12.0 - 12.4 - 12.1 - 12.1 - 11.2 - 11.0 - 11.1

  • かなり仕上がっていたチェルヴィニアが先に行って、追い出されてもモタモタしていた。ボンドガールがジリジリ追い詰めてしっかり交わす。追い切り通り。


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