見出し画像

非主流血統のファーーーwwww産駒が制覇と3歳牝馬の逃げ切りと「らしい」夏のハンデ重賞を振り返る(第73回ラジオNIKKEI賞・第59回北九州記念回顧)

この記事は、競馬評論サークル芯力のスペース2024.06.30 16:30~からの文字起こしです。


第73回ラジオNIKKEI賞

蒼山サグ:
福島で行われましたラジオNIKKEI賞の回顧に移りましょう。ゆたさんの方からよろしくお願いいたします。

くらみゆた:
はい、お願いします。世代限定のハンデ戦というところと、福島1800mという特殊環境という舞台上に、主流血統から外れた血統が走りやすいレースなのですが、今は種牡馬戦国時代というところもありまして、今回は日本では見慣れないPivotal系、Nureyev系統のFarhhのオフトレイルが勝利という形になりました。

レースを振り返りますと、逃げたい、長く脚を使って早めに動きたい馬が多い出馬表だったので、もう少し流れるかなと思ったのですが、スタートは意外に静かな形になりました。各馬が微妙に行き脚がつかないような雰囲気で、どの馬が先頭を取るのか、仕掛けるという感じではなく、微妙に譲り合うような展開の中で、押し出されるような逃げになったのがメイショウヨゾラになりました。2番手にセットアップ。外からミナデオロヤマニンアドホックジュンゴールドアレグロブリランテまでが先団。あとサトノシュトラーセが後ろで出が悪かったオフトレイルが最後方という形で、向こう正面に入っています。

600mを過ぎたあたりで、一瞬落ち着きそうな流れになって前有利かなと思ったのですが、そこから少しセットアップが少しかかるような手応えで、前の逃げも突っつくような形になりました。結局、前半の1000mのペースが落ちることなく、流れましたので、前半の1000mが58.4秒という流れになっています。さらにそこからサトノシュトラーセが中途半端なデムーロスペシャルというものを披露してしまったので、あまり先団も待てないという形になりました。

前が殺到する中で、4コーナーでインコースをきれいに回ってポジションを上げたのがシリウスコルト。逃げるメイショウヨゾラを捉える形で、このまま押し切るかなと思ったのですが、最後大外から強襲したのが、最後方を追走していたオフトレイルという形になりました。最後はアタマ差差し切ってのゴールで、2着がシリウスコルト、3着がヤマニンアドホックという結果になっています。

勝ったオフトレイル。スタート悪かったのですが、道中の乱ペースにつき合わずに、後方でじっくり脚を溜められたのが良かったです。3コーナーから4コーナー、もっと経済コースに回っても良かった気がしますが、あまり負荷をかけずに直線きれいに外を出したことで、持ち味を発揮できた面もあったのかなと思いました。今回、サトノシュトラーセが前を潰してくれたので、かなり展開向いたという勝利ではあるのですが、この馬は毎回上がりは上位の脚を繰り出していますので、今回のようにある程度前が流れるとか、非根幹距離の条件というところのレースであれば、重賞でも上位に顔を出してくれるのかなというふうに思っています。

2着のシリウスコルトですね。これ上手く乗ったかに見えたのですが、勝ち馬に一歩及ばずという形で、上位になりました。欲を言えば3コーナーちょっと早めに走って動いてしまったのは、最後甘くなったところなのかなと思います。前も手応えあまり良かったとは思いませんでしたので、これワンテンポ、一呼吸待っても良かったのかなと思います。結果論ではあるのですが、三浦皇成騎手、やはりこういうところで動いてしまうところが良くないのかなというふうに思いました。

3着のヤマニンアドホックですね。内ラチ沿いで楽をできた分、脚が溜まったのかなと思います。上位がオフトレイルシリウスコルトヤマニンアドホックという結果で終わってみれば、この時期の福島のレースという印象の結果になりました。今回、サトノシュトラーセとかウインマクシマムあたりは、いかにもラジオNIKKEI賞で人気して凡走するようなタイプだっただけに、ざっくり言えばクラシックでちょっと足らずの一流半みたいなところは下げた馬券の買い方を心がければ良いかなというふうに思っています。そこまで分かっていたのですが、馬券を私はログラールから買ってしまいました。オフトレイルと迷ったのですが、宗教を優先しようとしたのがダメでしたね(苦笑)。

蒼山サグ:
はい、ありがとうございました。こひさんの方から補足などございますでしょうか。

こひ:
はい、私は逆に馬券うまく当たった側なのですが、今回オフトレイルですね、この実績で56kgちょっと重たいなと思ったのですが、それでも勝ち切れたというところは流れがハマったところもありますが、非常に良いパフォーマンスだったなというふうに思います。あとは、今回のこのレースですね、最低人気のメイショウヨゾラで25.4倍という単勝の競り合いっぷりになっていまして、本当に人気が割れたレースだったかなというふうに思います。また今回の結果を見ていてもそうなのですが、過去のラジオNIKKEI賞を見ていても、このレースが福島の1週目に来てからというのは、内枠の馬がそれなりにパフォーマンスが出せるなというような印象というのは改めて思わされました。今回、6番人気、4番人気、5番人気という形の1、2、3着馬がそれぞれ5番枠、1番枠、4番枠みたいな形でもありましたので、悩んだ時には内を取るですとか、流す相手は内を拾うみたいなところは、このレースとの付き合い方として大事かなというところを改めて思わされました。

第59回北九州記念

蒼山サグ:
小倉11レースで行われました北九州記念の回顧からお願いします。こひさん、よろしくお願いします。

こひ:
はい。では北九州記念の回顧に入らせていただきます。例年、葵S組の3歳馬は函館スプリントステークス等の北海道シリーズへ向かう傾向がありますが、今年はこちらの小倉に大集合という形になりました。向かえうつ古馬は、海外帰りのジャスパークローネ、あとはオープン常連組というような形で、早くも3歳馬の力が問われるレースだったかと思います。

このレースの見どころは本当にスタートからでして、前回の葵ステークスの回顧時にも触れましたが、ピューロマジックという馬は誰が乗っても爆発的なスタートをする馬でして、今回はさらに内にいたライバルの同系のジャスパークローネが出遅れたこともあり、あっという間に先頭に立つ形になりました。内からはテイエムスパーダ、そして外からは葵ステークスと同じくペアポルックスが追いかけるという形になりましたが、軽快にスタートから11秒4、10秒2、10秒7と逃げられると、どうにもならない流れ。むしろこの追いかけた2頭は早々に失速するという形になりました。外枠の方からスムーズに追いすがってきたヨシノイースターだけがなんとか生き残るという展開になってきましたが、4ハロン目で11秒1を刻んだところで後続を離し、ほぼ勝負は決していたかと思います。最後までピューロマジックヨシノイースターの差は詰まりきらずという形で鮮やかな逃げ切りになりました。少し離れた3番手争いについては、外から差してきた馬を内側をこじ開けて伸びてきたモズメイメイが退けるという形になりました。

勝ったピューロマジックですが、ハンデ戦で53キロというのはこれまでの短距離でよく見られた3歳有利の斤量設定というほどでもなく、しっかり斤量的にも恵まれた形でもない中で強みを存分に発揮しての完勝という形でした。この馬のスタートは本当に天性のものだと思わされるものでしたし、馬場がやや渋ったこともあってベストではなかったにも関わらず、押し切るというのは本当に強いと思います。

自分の形があるので、あとは馬場状態が良ければ能力もコンスタントに出し切れそうで、本当に個性的な馬で魅力があると思います。もしG1で開幕週みたいな設定があればこの馬が勝つだろうと思わされるのですが、だいたいG1は開催の最終週にスプリントはなりますので、どういったところで条件が恵まれるかというのはありますが、非常に魅力的な馬だと思います。

2着したヨシノイースターですが、この馬は小倉が元々ある程度向いているというところと、外枠から気分よく走れたところ、あと馬場が向いたというところもあってよく追いすがったかと思います。

そして目立ったのは3着のモズメイメイですね。この速いスピードには乗れなかったのですが、直線で人気馬サーマルウインドを弾いて伸びてきたというのはびっくりしました。何かのきっかけになるといいなと思わされました。人気馬サーマルウインドですが、この馬についてはここまでの速いペースの競馬でポジションを取りに行くというところの経験があまりなかったので、末脚がなくなったのかと思います。メンバー構成やペースがちょっと大事になる馬かという印象です。こちらの方からは以上になります。

蒼山サグ:
ありがとうございました。ゆたさん、ございますでしょうか。

くらみゆた:
そうですね。斤量がだいぶ見直されたので、3歳馬はどうかなと思ったのですが、やはり前に行ける馬は53キロぐらいだったらメリットがあるのかなというところと、逆に後ろから行く馬だとあまり信用できないのかなというところ、あとやはり58キロ台になってくると古馬はだいぶ辛いというところがあるのかなと思いました。以上です。

同人誌通販のお知らせ

C103「ディープインパクト 後世に遺したゲート」

#C103 にて頒布した同人誌。テーマは「種牡馬ディープインパクト」。 英雄が未来に遺し紡いだ莫大な功績をさまざまな視点から振り返り考察します。A5/44P/500円

C102「福永祐一 あんそろじー」

#C102 にて頒布した同人誌。テーマは「騎手・福永祐一」。公式本と読み比べていただけると、より楽しめる一冊に仕上がっております。A5/32P/500円

C101「ウマ娘読本Make debut!」

#C101 にて頒布した同人誌。蒼山サグと多彩な執筆陣でお届けするウマ娘合同誌です。2022年末時点のアプリ登場ウマ娘完全網羅の史実年表や4コマ漫画など。B5/34P/500円


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?