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2023年5月ケンタッキーダービー直前展望

この記事は、2023年5月6日21時00分〜 Twitterスペース 芯力休憩所 #33「歴史的快挙の前日となるか」からの文字起こしです。

蒼山サグ(以下、蒼):明日の朝、日本時間で行われるケンタッキーダービーについて、海外競馬に詳しい名馬電機社長さんがお越しいただいていますので、ぜひ語っていただきたいと思います。そんなに日本馬にこだわることもなく、ぜひフラットな視点でいろいろ見どころや展望など語っていただければと思います。よろしいでしょうか?

名馬電機社長(以下、名):はい、わかりました。よろしくお願いします。日本での馬券発売もありますので、日本のJRAでの現在での馬券の人気上位を中心にちょっと紹介していければなと思います。1番人気に支持されているのは、これは向こうのオッズでもそうなんですが、フォルテという馬でして、昨年のBCジュベナイルの覇者、2歳チャンピオンですね。この馬が年が明けてからG2のファウンテンオブユースステークス、フロリダダービーと2連勝してきて、本命とされているのはもう日本でもアメリカでも同じというような状態です。

2番人気、日本のプールだと、日本から遠征するデルマソトガケこちらが2番人気に支持されていますね。前走UAEダービーを0.9秒差で2着ドゥラエレーデにつけての逃げ切り勝ちというところです。この馬に関しては、海外遠征という意味ではサウジ、ドバイと遠征はしてきているんですが、アメリカのダート、アメリカの競馬に行ってどうかというところは一つ課題になるのかなと思っております。

3番人気は、前走アーカンソーダービーを勝ってここに出走してきております、エンジェルオブエンパイアです。こちらも前々走リズンスターステークスG2を勝って、前走アーカンソーダービーも勝って2連勝でこちらに向かってきております。この馬も前走が凄く後方から行った割に、最後突き放して勝ち方が良かったという部分が評価されてのこの人気なのかなと思います。

4番人気が、今週非常に話題になりました、大井競馬所属、日本から遠征するマンダリンヒーローですね。日本プールでこの馬は前走サンタアニタダービーで2着に入ったんですが、実はこの馬が出走できるようになった原因でもあるんですが、サンタアニタダービーの1着馬、3着馬が今回取り消しているので、実質サンタアニタダービー組の最先着馬というところで、サンタアニタダービーもダービープレップの重要な一つのレースですので、そこの2着馬、タイム差なしの2着馬として、どのように主役を張れるかが注目されています。この馬はお父さんがシャンハイボビーで、アメリカで走っていた頃はBCジュベナイルを勝って、翌年のケンタッキーダービーも有力候補とされていたんですが、年明けてから調子が振るわず、結局ダービーに出走できなかった馬なんです。その子が、日本の調教馬、日本生産馬として出走するというのはちょっと驚きの部分があるかなと思っております。また、マンダリンヒーローの騎手は木村和士さんですね。JRAの騎手、競馬学校を中退という形で単身カナダに渡って、近年メキメキと才能を発揮しています。ここでもしいい競馬ができれば、もう十分実績を残しているんですが、アメリカでもますます注目の騎手になってくるのかなと思っております。

5番人気ぐらいまでいきましょうかね。5番人気がタピットトライス、前走ブルーグラスステークスを買ってここに出走してきています。一番人気のフォルテと同じく、トッド・プレッチャー調教師の管理馬でもこちらの方も4連勝中というところで人気ですね。というところで上位馬をざっと見ていったんですけども、どうしましょう。ちょっと個人的な注目というか予想的なことを申し上げてもよろしいでしょうか。

蒼:よろしくお願いします。

名:正直、二十何頭走るトウカイテイオーのダービーが何だかというくらい日本ではなかなかない頭数になってるんですけども、ちょっととっかかりがなかなかケンタッキーダービー毎年そうなんですけども、やっぱ各地のダービーを勝ち上がってきて一同に対するというところで、過去のその対戦歴がない馬が結構多かったりして力関係の比較っていうのが非常に難しい部分があるんですよね。特に頭数も多いですしレースでの不確定要素も多いということでなかなかとっかかりはないというか少ないんですけども、今回私ちょっと血統面に着目いたしまして、過去5年でですね、3着以内に入った馬のお父さんの父兄ですねもうちょっと見ていますと非常に面白いというか大穴血統がございまして、スマートストライクが入っている馬っていうのが非常に穴を開けているっていうのがありまして。

昨年2022年ですね、勝ちましたリッチストライクなんかは四代父スマートストライクで母の父もスマートストライクっていう超近親配合なんですけどもこれは20番人気で1着でした。2019年ですね、この年は一位入線しましたマキシマムセキュリティが失格になりまして勝ったのがカントリーハウスなんですけども、この馬がルッキンアットラッキー産駒なんですけども、そのお父さんがスマートストライクなんですね。この馬がカントリーハウスが勝った時は18番人気。2018年の2着馬これがグッドマジックという馬でこれがジャスティファイが勝った年なんですけども、この時の2着馬グッドマジックもスマートストライクのお父さんカーリンなのでスマートストライクの血統なんですね。2018年までで過去5年なんですけどももう1年前に遡ると2017年の2着馬3着馬がこれもスマートストライクの血統で13番人気15番人気、非常に大穴でこのケンタッキーダービーに馬券に絡んできているということでして。

今回の出走馬に目を向けますと父系にスマートストライクを持つ馬というのはその先ほど名前が出ました2018年の二着馬グッドマジックの産駒が2頭いまして、7番のリインカーネイトと8番のメイジです。日本プールでメイジのほうは6番人気に支持されちゃってるのでなかなかみなさんもうちょっと人気しないでほしいなって思ってるんですけども、個人的にはメイジのほうは6番人気ですし前走が今回一番人気のフォルテと対戦して4着2着という着順で来ているんですけども、このままだキャリア3戦だけなんですね。3走前の未勝利戦を勝って次走ファウンテンオブユースステークスフォルテの4着で前走フロリダダービーフォルテの2着ということで、前層なんかもですね、かなり最高峰ぐらいからレースを進めてたんですけども3コーナーですごい勢いよく上がっていって、一瞬フォルテより前に出てっていうような競馬をしておりますのでポテンシャルもなかなか高そうだなというふうに感じております。というところで、フォルテの強さは認めつつも、これだけ混戦なんだったら、ちょっと穴狙っていきたいなっていうところで、私はこの7番リインカーネートと8番のメイジこの2頭をフォルテと絡めつつ馬券を買ってみたいなと思っております。

蒼:いいことを聞きました。僕もちょっとだけ握っておこうと思います。

名:はい、あとですね。今回出走できなかったんですけど、日本から行ったコンティノアールですね。この馬も含めて、お父さんを見るとマインドユアビスケッツドレフォンシャンハイボビーということでもう、このアメリカで競走馬として活躍した馬を日本に種牡馬として連れてきて、そして日本でちゃんと花開かせれるようになったこの日本競馬、しかも今まで本当に敷居の高かったアメリカ競馬にこうやってケンタッキーダービーに3頭、コンティノアールは出走できなかったんですけども、枠に3頭も入るような状況になるっていうのはもう本当にスキーキャプテンのケンタッキーダービー挑戦を関西テレビ放送の特別番組で見て感動してた人間からすると非常に嬉しいというか、ここまできたかというふうに感慨深い気持ちになりますね。

蒼:そうですね、まあ今回もちろん今回すごい良い結果が出て欲しいとも願ってますし、今回たとえダメでも印象としてはもしかしたら凱旋門賞より早いのではと思わせるぐらいのなんか勢いがあるのでぜひ楽しみにしたいなと個人的にも思っております。はい、ということでありがとうございました。ゆたさんとこひさん。なんか期待するところとかでもなんでも構いませんが、何か付け足しとかございますか?

くらみゆた(以下、ゆ):そうですね。去年のクラウンプライドもそうだったと思うんですけども、やっぱり社台ファームの馬がケンタッキーダービーに、吉田照哉おじいちゃんがケンタッキー州の牧場を持ってからの物語があり、一方でマンダリンヒーローは確か(藤沢和雄師がアメリカ挑戦した)クロフネミステリーの牝系ですよね。父親はアメリカから持ってきた馬ですけれども、牝系は牝系で歴史があって、というところで楽しみだなというところとでも、やっぱり音無調教師も多分、もうあと2年くらいでしたっけ定年まで。そんな中でダービーがどこで取れるかっていうところが、もしケンタッキーダービーだったらちょっとすごいなっていうところもあるので、そういう意味ではちょっと今回出てくる二頭っていうのは若干オカルトめいた言い方ですけど、勝つための物語はある馬だと思うので、こういうチャレンジっていうところっていうのはやっぱりそういうストーリー強度が問われるっていうのがスポーツ界あるところなので、その辺に期待したいと思います。

蒼:はい、ありがとうございました。こひさんも、もし一言何かございましたら。

こひ:そうですね、ちょっとあの血統面、皆さん触れていただいてるんですけど、私はやっぱり気になったのは先ほどありましたように、日本の血統でというところで話ありましたが、今回日本からもコンティノアールも含めた3頭みんなサンデーサイレンスが3代前に言うんですよね、母父父ですとか母父父ですとかそういった形でいまして。やはりサンデーサイレンスが日本に入ってきた時にアメリカの血統的な背景があって、アメリカの国民的ヒーローがなぜ日本にみたいな話っていうのがだいぶ昔あったような印象ではあるんですけれども、ここから20何年経って日本からケンタッキーダービーにサンデーサイレンスの血が入った馬をごっそり送り込めたっていうところが非常に日本競馬の近代の進歩とかそういったところがすごく感じられて良いなと思いました。

蒼:はい、ありがとうございました。

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