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2023年5月NHKマイルカップ・新潟大賞典・京都新聞杯・プリンシパルS・ケンタッキーダービー回顧

この記事は、2023年5月6日21時00分〜 Twitterスペース 芯力休憩所 #33「歴史的快挙の前日となるか」、及び2023年5月7日16時30分〜 Twitterスペース 芯力休憩所 #34「春の3歳集大成に向けて」からの文字起こしです。

第28回NHKマイルカップ

蒼山サグ(以下、蒼):東京11レースの NHKマイルカップ の方を振り返っていきましょう。こちらはシャンパンカラーということで内田騎手が久しぶりのG1勝利ということになりましたが、どのような印象を持ちましたでしょうか。

こひ(以下、こ):近年のNHKマイルカップでありがちではあるんですが、最終1番人気が最後、 カルロヴェローチェに変わっていて5.7倍で、エエヤンが5.8倍、オオバンブルマイが6.1倍と、このレースならではというか、5倍台後半以降に人気馬が並ぶというような、そもそもが混戦の状態でした。馬場につきましても稍重な発表ではありましたが、雨自体が結構お昼から降り続いていまして、結構力のいる馬場になっていたなと。その中で前半800mが46秒3で流れまして、レースの方でいうと後半が800mが47秒5という形で、この馬場でありながら前半の方が1秒早いというような状態でしたので、結果的には前が全部止まってしまう競馬にはなったかなと思います。

改めてゲート見直しますと、1、2着馬両方ともゲートで1馬身ぐらい遅れてるんですよね。なのでそういったところも含めて、結構位置取りと仕掛けのタイミングというところが大きな勝敗を分けたかなというところです。最終的に直線3頭の争いですね。初めに突き抜けようとしました オオバンブルマイがちょっと止まりまして、シャンパンカラーが真ん中からグイッと伸びて突き抜けて、大外からウンブライルも飛んでくるというような攻防になっていたかなと思います。改めてその直線見直しますと、シャンパンカラーの内田博幸騎手が本当に追い出しを我慢してるんですよね。残り多分300ぐらいから追い出したような形になっていまして、先に外からオオバンブルマイが追い出しをしていって、シャンパンカラーに並びかけていく。その後にオオバンブルマイの後に追い出したこともありまして、シャンパンカラーの方がその後に改めて突き抜けるというようなところで、本当に勝因は、ペースや周囲の状況を見た上で追い出しをギリギリまで待ったこと、ちょうど内田博幸騎手の勝った後のコメントのところでもそういった言い回しが若干あったかなと思うんですが、そういったところの「待った追い出しのタイミング」というところが光って、本当に久しぶりのG1勝ちになりました内田博幸騎手の経験値というものが存分に引き出された、そういったレースだったかなと思います。

あとは2着のウンブライルが結構私もびっくりしていて、これ2番枠からほぼほぼ後方待機の大外のぶん回しの決め打ちをかましてきたというところで、やはり横山家の血なのか、こういう横山武史騎手、こういう競馬をちゃんとG1で決め打ちをしっかりやって結果を出してくるなと。完全に直線で外、一番外に持って行って、それでありながら追い出し自体は内田博幸騎手の手前ぐらいでかなり辛抱しているんですよね。なので本当にこの横山血統の肝の座り方、腹のくくり方、大舞台での勝負駆けというところの、そういった能力というところは非常に見せつけたレースだったなと。本人は多分不満とか残ってそうですけれど、馬券を買う側からするとやはり人気がないところでも買いたくなる騎手だなというところがすごく見せつけられたなと思います。

あとは結果的に仕掛けが早めになったという形にはなるんですが、オオバンブルマイ、武豊騎手ですが、前に実はダノンタッチダウンの川田騎手がレース全体で言いますと、いい手応えで外目のポジションを確保していて、パッと見で言うとターゲットになりやすいような状態で、多分そこの手応えを見て動いたのかなというような印象がありました。オオバンブルマイ自体がレース直前まで一番人気でしたので、人気もあったことを考えると、この騎手を騎乗ぶりについてはある程度やむなしかなというような印象でして、非常に直前のこの3人の騎手たちの我慢比べとかそういったところに見応えがあるレースでしたので、ぜひリプレーを振り返って見ていただけると面白いかなと思います。

最終的には勝ち馬の方は、これで東京コース3戦3勝になりまして、特に京成杯が2戦2勝で使ってきて、キャリアの若さをもてしたようなレースで苦い経験をしたというところがありましたが、そういったところが実ったレースだったのではないかなと思います。大きな派手さ自体はないんですけれど、東京コースの広々としたところで伸び伸び走るのが向いてそうなので、東京のマイルは結構舞台設定として豊富ですので、この舞台巧者として活躍していきそうな印象です。

あとは結構珍しいなと思ったのが、馬場が重たいのもあってか、ニュージーランドトロフィー組がNHKマイルカップで上位に来るというところが非常に珍しいなというところを思いました。そういう意味ですと、今回一度明確に見直さないといけないなと思うのが、エエヤンですね。2番人気で、このまま枠が内側で引いてしまっていまして、終始前にシングザットソングがいる形の3列目みたいなところで外にも出せない状態で、直線で一か八かで内を狙いに行ったところでシングザットソングがヨレてきて終了したというような形でした。多分脚の残り方、手応えから見ると、そこら辺が空いていればもうちょっとしっかり直線に顔を出していてもおかしくないところにはいたかなと思いますので、この馬は今後見直せるようなレースだったかなというふうに思います。はい、以上が全体の振り返りです。

蒼:ありがとうございました。何か小ネタとかも含め、もう少し何か言っておきたいこととかは大丈夫そうですか。

こ:難しいのは前に行った馬が結構短い距離が良い馬が前に行ってバタバタで、見直していいのかというところが、改めて振り返ってみてもそこの取捨が難しいなぁと。

蒼:そうですね。NHKマイル自体が誰が行くのって様子見てるうちにめっちゃ速くなっちゃったっていうケースを何回か見た気もしますが。

こ:そうですね、レース終わった後にツイッターみたいなピンクカメオを思い出したみたいなコメントがあって、気持ちすごくわかるなと思ったんですけれど。そこをいう意味ですと、今回の負け方が次に向けて拾える負け方かっていうところは改めて見ていたんですが、他の馬でそこで目立つものが自分の中ではピックアップできなかったかなという印象です。あとは、昨日ちょっと話しましたダービーのボーダーのことを考えて、果たしてダービーに行く馬がいるのかというところでも、結構タフな競馬にもなりましたし、適性的に見ても、ダノンタッチダウンがひょっとしたら行く可能性がゼロじゃないのかなぐらいで、ひょっとしたらどの馬も向かわないみたいなケースも十分あるようなという印象でした。

蒼:はい、ありがとうございました。ではNHKマイルカップの振り返り、これぐらいでよろしいでしょうか。ありがとうございました。

第149回ケンタッキーダービー

こ:簡単にケンタッキーダービーについて振り返りましょうか。あまり競馬としてはデルマソトガケがちょっと出負けしてしまって、とはいえ流れにはなんとか乗りながら競馬には参加して6着。マンダリンヒーローは同じような位置から競馬していっていましたが、直線はさすがに外も回って伸びきれずというような競馬ではありましたが、去年は先行してアメリカの競馬でクラシックレースで流れに乗っただけで結構感動を自分自身はしていたんですけれども、1年経つと、この内容、ベストではない競馬をしながら6着と考えると非常に良いレースだったとは思うんですが、とはいえちょっと物足りなくなってきている自分もいまして、ダート路線も含めて海外競馬に対する日本人の意欲がどんどん高まってきたなと。

蒼:来年以降、ぜひぜひケンタッキーダービーに挑戦があってほしいと思うし、今度は大井のダート三冠の方も始まりますので、なかなか選択肢が増える分、迷いも増えるかなという。

こ:迷いも出ますよね、ローテーションのパターンが何個かできてきて、特にUAEから直行するというパターンができつつあって、ローテーション面の試行錯誤という点でいうと、凱旋門賞よりはマシになってきているのではないかなというところはありますので、今回みたいにアメリカン血統で日本の母系でみたいな馬で、ぜひぜひ積極的にチャレンジしていくと、ひょっとしたら凱旋門賞よりも近いかもしれないなというふうに考えていました。ありがとうございました。

第45回新潟大賞典

蒼:新潟大賞典、お願いしたいと思います。こちら、カラテが貫禄というか、さすがの力を7歳でで示しました。どのような印象を持たれましたでしょうか。

こ:はい、このレースですが、昨日から雨が降り続いたのもありまして、ひどい馬場になりまして、適性の差が割とそのまま出たレースだったのかなというふうに思います。特に直線に入って、わりとすぐに、新潟の直線は長いですけれど、勝ち馬と2着馬が馬なりの手応えで後続を離していっていたという、そんなレースでして、最終的に8馬身というような差がついていましたが、この馬場で36秒台で上がれる馬というのが単純に生き残ったような、そんな形のレースだったなと思います。

特に勝ったカラテは、もともとこういう馬場が上手そうな血統で、中山ですとか重めの馬場の実績もある馬ですが、3番手グループのインから競馬をして、要は馬場のいい外とかを全く使わずに、直線も唸るような手応えで内をすくって差し切るというような競馬で、59キロという形でかなりハンデが重かった形ではありましたが、鞍上が非常にロスなく運ぶという意識が見えていて、それが結果としてかなり勝ちパターンに持ち込んでいたセイウンハーデスを差し切るというところで、本当に格上の馬をきっちりとロスなく乗って勝たせたという素晴らしいレースぶりだったという印象です。2着のセイウンハーデスも、もともとプリンシパルステークスを買った馬で、中距離に戻ってから前走を含めて非常に自分の競馬というのがやりきれるようになってきた印象ですし、シルバーステートもやっぱりこういう馬場が上手いなという印象でありました。

今後に向けてというところで言いますと、やはり今回のような馬場状態で、その再現はどこかと考えますと、季節的なところも考えると、宝塚記念は似たようなパターンになり得るレースじゃないのかなというふうに思いまして、1ハロン延びてどうのこうのという馬ではないかなと思いますので、途中に一回使うか直接行くかというところも選択肢がいろいろあるかと思いますが、宝塚記念で天候ガチャを回してみるみたいなアプローチをしてみると、面白いのかもなというような印象でした。

蒼:ありがとうございます。新潟大賞典、では以上でよろしいでしょうか。

こ:負けた馬は馬場状態の問題ですので、なかなか振りにくいところですので。

蒼:芝で上がり最速で36秒となるとなかなかのバッドコンディションだったよなと推測されますので。

こ:モズベッロですとか、他の上位に来たメンツを見ても、いかにもこういう馬が上手い馬が3着以下も上の方に並んでいたので、そういうレースだったなというところだと思います。

第71回京都新聞杯

蒼:京都新聞杯、ゆたさんからお願いできますでしょうか。

くらみゆた(以下、ゆ):はい、よろしくお願いします。まずは京都新聞杯に行こうと思いますが、こちらプリンシパルステークスにも言えることですけれども、やっぱり頭数が少し少なめというところがあって、やっぱり(ここを勝っても)ダービーに対して、短い期間で出走するっていうのはなかなか厳しい判断になっているのかなというのは改めて、まず出馬表を見た時に思ったことではありました。この頭数だとペースが遅くなりがちというところで、京都新聞杯の方についてはレースはリビアングラスが逃げる展開というところで、3.4ハロン目が13秒2-13秒5というところでまあ超がつくスローなったということがあったと思います。リビアングラス自体は前走前々走遅い入りで逃げているのでこのままの形なのかなと思うんですけれども、先週の天皇賞春の記憶が騎手にあるのかなと、ちょっと穿った見方かもしれないですけど思ってしまいました。この流れで2番手のダノントルネードが最初は後ろにつけていて絶好の位置だったんですけれども、ここでマキシが動いていくという展開でした。このマキシの動いたところについては前走も同じような競馬で最後脚をなくしての3着だったので、ちょっと馬に変な癖がついてしまったのかなと思ったんですけれどもレース後のコメントを見る限りは松山騎手が自分で動いていたというコメント。これ結果的に4着なので良かったのか悪かったのか何とも言えないところであるんですけれども、ちょっと出遅れた上に一気に上がっていって、またちょっと先行を追走して最後脚が一緒になってしまうというのは、ラップの上下動が激しい競馬しているのは確かなので、レースで力を出し切れたのかというとちょっと何とも言えないところかなと。結果が4着なのでダメとは言えないんですけれどもというところで、回顧で話している中で松山騎手のペース感覚ってあんまり私ちょっと微妙じゃないかなって思うことが多いので、今回もなんかちょっとこの一気な上がり方っていうのはちょっと気になったところではありました。

蒼:ありがとうございます。こひさん、京都新聞杯で何か付け加えたりありますか?

こ:京都新聞杯で言いますと、先ほどもお話ありましたが、ダノントルネードに乗ってた西村騎手、そして今回逃げてあわやのところまで持ち込んだ リビアングラス の鮫島克駿騎手って、わりと近年乗れている関西の中堅どころから若手の伸び盛りの騎手が川田にダービーに行く権利のところ寸前で取られたというところが非常に印象的でした。なかなか関西のこのクラスの騎手っていうのがダービーの出走権っていうのはポッと本番で他の騎手から回ってくることもないので自力で掴みに行くしかないんですけれど、ここに日本一の騎手がしっかり壁となって立ちふさがっているのが面白い構図だなというふうに思いました。

2023年プリンシパルステークス

蒼:プリンシパルステークスの方もお願いできますか?

ゆ:プリンシパルステークス、こちらも東京競馬場が強風で前を止まらない展開というところで、一言で言えば逃げて終始レースを先導した パクスオトマニカ が位置的優位を生かして勝利という展開だったのかなと思います。このレースで勝つだけだったら、例えば横山和夫の ランプシー あたりはちょっとかかっていたので、もうちょっと前を突いてもいいのかなと思いました。けれども、このプリンシパルステークスというところの位置づけが、ここを絶対に勝つのか、将来性を重視して馬に競馬を教えるのを取るのか微妙なところなので、ちょっと何とも言えないかなというのがまず ランプシーについては思ったところです。勝ってダービー出てもダメージ残っちゃうというところもあるので、特にクラブ馬だと他に出走馬がいるような場合は必死には勝ちにいかないのかなという気はちょっとしています。ただアブニールドブリエのレーンとフォトンブルーの戸崎はちょっとこれはよろしくないかなという気はしていて、1200mから800mの区間12秒9、12秒8というかなり田辺騎手がペースを落としたところで後ろでモタモタ追走していたというところで、先ほどの京都新聞杯と違って別に動こうと思えば、じわっと動ける位置取りだったのでちょっとここは惰性で乗っているのかなという気がするので、両騎手ともちょっとそういうところは出ちゃったのかなというふうには思いました。勝ったパクスオトマニカは次距離が伸びるのでそこで強気を押し通せるかというところはあると思うんですけれども、今回みたいなペースを緩めたら多分皐月賞組には一瞬でやられちゃうと思うので、まぁそこまでやっぱりちょっと強気にダービーに向けて動こうという感じのレースではなかったのかなと思います。

蒼:ありがとうございます。そうですね、こひさん何かプリンシパルでありますか。

こ:このレースは完全に最後の3ハロンだけの勝負になってしまって、そこまでの位置取りのところで決着がついたレースだったのかなと思います。やはり一番びっくりしたのがこのレースが7頭立てでそもそもスタートしたこと自体がなかなか衝撃的だったなと思っていまして、やはり近年G1の本番に向けて中2週のローテーションを選択するということがやはりどの陣営も現実的に通用しにくいというところもあって難しくなっているのかなというところからのこういった傾向ですね。先週も同じくオークスの3週前のトライアル、スイートピーステークスがもう勝ち馬がさっさと本番には行かないよというような形の宣言をして、やはりそういったところを見ても2週前のトライアルっていうところについては、今後に向けての賞金ですとか、そういったところも含めてちょっと各種陣営がトライアルという捉え方をしなくなってきているというところが、今回のレースも内容としては割と平凡なレースだったと思いますし、出てきたのかなというところと、あと今後そこら辺を期待して空き巣狙いが好きな陣営が何かやってこないかなというようなところもちょっと見ていきたいなと思いました。


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