真夏の小倉でベテランの手綱が冴え渡り、強い5歳のアルナシームが重賞勝利（第72回中京記念）
この記事は、競馬評論サークル芯力のスペース2024.07.21 16:30~からの文字起こしです。
第72回中京記念
こひ:
中京記念の回顧に入らせていただきます。サマーマイルシリーズのはずですが、今年は小倉と中京の開催順が変わったところの影響がありまして、小倉開催の最終週の1800mのハンデ戦という形。かなり趣が変わったレースになったかと思います。メンバー的にも小倉巧者というカテゴリーのニホンピロキーフやエピファニーといったところに、マイラーとしての実績がある組のエルトンバローズやセオというような形で、小倉得意の中距離馬とマイラーが交わるような、そんな形のレースだったかと思います。
レースに振り返ります。どちらが行くのかと思われたテーオーシリウスとセルバーグの先行争いは限界までやりあってのハイラップを演出。2ハロン目は10.4とやり合い、スピードメーターを見ていても休まるところのないガチラップの57.5で馬群が縦長に伸びる展開に。3コーナーで、その前に行った組がやや力尽きてくる中で、人気馬として堂々と横綱相撲のような競馬で、エルトンバローズが進出していくも、その後ろからぴったりとついてきたのが勝ったアルナシームと横山典弘騎手でした。道中はインでじっくりと運んでいまして、無駄が全くない競馬で、余力たっぷりに4コーナーで上がっていき、直線に入りますと、鮮やかに抜け出す形となりました。横山典弘騎手は久しぶりの小倉での重賞勝ちという形になりました。今回の小倉ですね、これが4週間だったというところもありまして、あまり馬場が荒れていなくて、今日のここまでのレースを見ていても、まだまだ内が伸びる馬場だったかと思います。これに加えてペースが速く流れ続けたことで、ロスのない立ち回りと能力の絶対値、この両方が求められるような競馬だったかと思います。
勝ったアルナシームと横山典弘騎手のコンビは、このペースと馬場を分かっていたかのように道中全く動かない、無駄が全くない立ち回りだったかと思います。レース後のインタビューでも、馬のリズムを守ることだけ考えていたというコメントもありましたので、そういったところもあり、あえて動かなかったところなのかと思いました。その後前にいましたエルトンバローズに狙いを定めた進出のタイミングも含めて完璧なレースだったと思います。
2着のエピファニーもこれ見直してますと、道中もアルナシームのちょっと離れた直後という形で、これまた内目にすっと潜り込めたこともありまして、動かない競馬を選択して、直線も鮮やかにインの方の前も空きまして、ハマった競馬ではあったかと思いますが、もう一つ前のポジションで同じぐらいの競馬をした馬がいたから仕方ないなというような、そんなレースだったかと思います。杉原騎手もかなり腹をくくったいい騎乗ができていたと思います。
最後3着になりましたエルトンバローズですね。これは進路を確保したいというところもあってか、あえてちょっと早めに動いていったようにも見えました。これが1,2着馬が完璧に運んでいただけに、少しのロスが命取りという形でありましたが、ある種人気馬に乗った時の西村騎手っぽさがあるような、そんなレースだった気がします。あとは4着5着のロングラン、ニホンピロキーフも小倉が得意な2頭ではありますがよく伸びました。ただ、これらは8枠の外枠では今日はちょっとやれることも少なかったと思います。
中京記念ですが、マイル路線につながるわけではないレースではあったかと思いますが、小倉、ローカル小回りの条件下で能力は出し切ったようなレースだったのではないかと思いました。ちょうどこの週末、梅雨明けという形の夏になりましたが、札幌のメインでは武豊騎手で、小倉がこの横山典弘騎手で、福島のメインには柴田善臣騎手が2着をしていたりと、今日のメインレースは老いてますます盛んな夏競馬というような印象で面白い1日になったと思いました。以上です。
蒼山サグ:
ありがとうございました。ゆたさんの方からコメントございますでしょうか。
くらみゆた:
そうですね。小倉最終レースは、小牧太騎手が勝利というところで、春の季語でありそうな人情競馬が夏に出てきました。こちらもベテランの騎手が最後に結果を出したというところで、ついこの間、夏はハンデ戦で若手の騎手の活躍に期待したいですねと言ってたんですけれども、なかなか5G（爺）は上手くて強いなというのを改めて感じさせられた結果だったと思います。
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