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2023年第90回ダービー・第137回目黒記念・第6回葵S回顧

この記事は、2023年5月27日21時00分〜 Twitterスペース 芯力休憩所 #39「みんなの愛馬たちの未来へ。日本ダービー特集」及び、芯力休憩所 #40「叶った願いと未完の物語。競馬の祭典ダービー回顧」からの文字起こしです。

第90回東京優駿(ダービー)

くらみゆた(以下、ゆ):ダービーについて振り返っていきたいかと思います。
ダービーちょっといろいろなアクシデントがありまして、受け止め方の難しいレースとはなりましたが、1着タスティエーラというところでレーン騎手が乗り換わりでの勝利という形になりました。まず最初に私のほうから全体のところについてお話したいかと思いますので、その後こひさんご意見いろいろよろしくお願いいたします。

こひ(以下、こ):はい、よろしくお願いします。

ゆ:ダービーなんですけれども、全体的な展望につきましては昨日お話しさせていただいたとおりソールオリエンスが抜けた一番人気という中で、どういう展開になるか、ドゥラエレーデがこのレースの鍵を握るんじゃないかという話をしたんですけれども、まさかのゲートを出て、すぐツンのめっての落馬、ちょっと想定外のスタートとなってしまいました。正直こればかりは騎手がどうしようもない話ですので坂井瑠星騎手、これはちょっともう忘れるしかないかなと思います。過去ダービーで落馬するというとマルチマックスの南井騎手が落馬して、その後ナリタブライアンで勝ったりとかですね、古くはちょっと私も見てないですけど嶋田功騎手が一番人気でタカツバキで落馬して、その後にタケホープでダービーを勝ったりと、落馬してもその後ダービーを勝つ騎手っていうのは意外といるものなので、坂井瑠星騎手もちょっとこれは忘れているというのはなんですけれども、しょうがないかなと考えております。ただこの落馬、昨日お話したとおりドゥラエレーデの動きというのが非常にレースに影響すると考えておりましたので、やはり(落馬の)影響が大きくなった形になりました。

一番人気のソールオリエンスなんですけれども、スタート自体は悪くなくて前のほう進んでいって意外といいポジション取ったかなと思ったんですけど、ちょっと1、2コーナーが力んで走るという形になってしまったので、1コーナー手前でちょっと外に出そうな気配はあったんですけど、あんまり大きく動けるような折り合いではなかったのかなというところで。結果的に、向こう正面に入ったところでは内ラチ沿いにはまってしまったようなポジションになってしまったかなと思います。これ何回かスタートから見直したんですけれども、正直あそこ以外のポジションを取るっていうのは今日の1、2コーナーから向こう正面の流れでは厳しかったのかなと思いますし、こうなってしまった以上、ちょっとこの後の展開に大きく影響してしまって横山武史騎手は正直、今日はあまり選べる選択肢がないレースになってしまったのかなとは思います。

そうなってしまった原因としてはタスティエーラですね、勝ち馬ですけれども、この馬はスタートから本当に完璧な競馬だったと思います。ゲートが12番枠というところでゲートの2台目ですね。切れ目のところからスタートの上で、ハーツコンチェルトがちょっとスタートが遅かったというところもあって、うまく好位につけることができてます。さらにソールオリエンスが斜め後ろに入ったので、完全にパッキングしてここからソールオリエンスは出る余地がないというようなレース展開になったのかと思います。なのでソールオリエンスとしては、そんなに悪いレース1,2コーナーでしてないとは思うんですけども、それ以上にやっぱりタスティエーラが素晴らしいポジショニングだったというのと、ドゥラエレーデ(この後お話しますが)がいなかったというのは厳しい展開の要因だったのかなと思います。

更にもっと巧かったのが、スキルヴィングのルメール騎手ですね。これ、そんなに前出していかなかったんですけれども、2コーナーの出口では向こう正面でもいつでも動ける位置に出してました。内から外に出しているというところで、これさすがルメールというところで、向こう正面の隊列で流れが決まったレースだったと思います。で、展望で話したんですけれども、パクスオトマニカ、これ田辺騎手の逃げっていうのはそんなにやっぱりメリハリがある逃げっていうのはしない騎手なので、正直ダラダラしたペースになっていって、スローに落ちていったと。メリハリがないまま向こう正面のペースが12秒6、12秒5、12秒4と落ちていったような流れでした。こうなってしまうとやっぱりポイントになってくるのは、2番手グループで本当はここにドゥラエレーデトップナイフがいるという予想だったんですけれども、ドゥラエレーデは落馬してしまいましたし、トップナイフもスタートダッシュつかずに、前行きたかったらしいんですけれども後ろからという競馬になってしまったので、結局ホウオウビスケッツの丸田騎手、シーズンリッチの戸崎騎手が入ってくる2番手に入ってくるという競馬になってしまって、ダービー初騎乗の丸田騎手とペース動かさない戸崎騎手ってなってしまうと、ひたすらダラダラと遅くなるような競馬になってしまいましたという展開です。

この中でうまかったのが先ほど話したスキルヴィングのルメール騎手。1200-1400の区間で、やっぱりペースだいぶ落ちてたところでググってあげて、ファントムシーフの元々後ろにいたんですけれども、そこから前に上がっていってかなり好位のところにつけているという競馬になっていました。武豊騎手がレース後のコメントで「ちょっと勇気が足りなかった」っていうのも納得で、後ろにいたはずのルメール騎手が向こう正面で前に上がっていくという競馬で、これちょっとタイミングがもっと早かったですけれどもレイデオロで勝ったダービーを思いさせるようないいポジショニングだったのかなと思います。

この中で残り800になった時点で、内ラチ2頭目にソールオリエンスの横山武史がいてタスティエーラが斜め前で、外からスキルヴィングという隊列になっていました。これ本来だとスキルヴィングがこのままタスティエーラにプレッシャーかけていくような競馬なので、正直このタイミングでもまだソールオリエンスの横山武史騎手、もうちょっと前がこの後流れていくというふうに思っていたとは思うんですけれども、スキルヴィングに直線入り口でアクシデント発生しても追っても伸びない状態なので、タスティエーラに関しては本当だと斜め後ろからソールオリエンスより先に上がって、プレッシャーをかけてきそうなスキルヴィングがいないので残り400メートルぐらいまで仕掛けを待てる展開というところで、完全に前が脚を残した斬れ味勝負と。そうなってしまった結果、昨日の展望でも注目したベラジオペラとかも伸びてきましたし、ソールオリエンスも最後エンジンかかったんですけれどもタスティエーラが抑え込んでの優勝という流れになったのかと思います。

勝ち馬のタスティエーラなんですけれども、最初から最後まで本当にレーンが完璧な騎乗でしたし、堀調教師はタスティエーラに対しては皐月賞の前ぐらいから色々な馬具をつけるとか、とにかく前進気勢をつけるそういうメンタルを作っていく調教を積み重ねていたというところがありましたので、そういうものを作っていった中でレーン騎手が見事に折り合わせたという勝利だったのかなと思います。これレーン騎手もサートゥルナーリアとかサリオスでダービーを悔しい思いしてきた中で積み重ねてきた中での、短期免許とはいえ経験を生かしての勝利だったと思いますので、正直今日みたいなレース展開って本当に100回やり直しても1回来るかどうかという展開だったと思うんですけれども、本当にレーン騎手が掴み取った勝利ですし、堀調教師が前受けさせる馬を作ってきたというのが本当にハマったレースだったのかなとは思います。

2着のソールオリエンス。正直、横山武史がまた2着というところで終わった後の感覚としては、ちょっとこれ騎乗をヘグったんじゃないかなというのは正直なところ思ったんですが、パトロールビデオ見直してみると、本当に1,2コーナーから、あんまり取れる選択肢がないというレースぶりだったと思いますし、スキルヴィングが伸びてれば多分もうちょっと前厳しい展開になったので空いたでしょうし。あと残り300ぐらいで一度前が空いているんですけれども、そこからまたタスティエーラに並べなかったというところは、やっぱりキタサンブラック×母父モチベーターというところで、エイシンフラッシュとは違って、そこまで斬れないよねというレース展開だったのか、馬だったのかなと思いました。3着のハーツコンチェルトとこれはもうスキルヴィングのすぐ近くでずっと競馬していて、スキルヴィングが上がっていくのに併せて、タスティエーラの後ろを取ったという形になりましたので、これは本当にやれることをやった3着だったのかなと。4着のベラジオオペラも展望の時にスローになったら力を見せてくれるんじゃないかという思いがありましたので、追い込みはまだ届きませんでしたけれども、いいレースだったのかなと。

今回はなかなか受け止めるのが難しいダービーだったと思いますので、回顧を書くために何回かパトロールビデオとかVTRを見たんですけれども、やっぱりドゥラエレーデが落馬してトップナイフが前に行けなくて、スキルヴィングに事故があったというのがあって、というのが全部重なった上でレーン騎手が本当にワンチャンものにしたというレースだったのかなと思いますし、ドゥラエレーデスキルヴィングは正直まともだったら、勝ち負け参加できたのかなと思うと、たらればを言ってもしょうがないし、これも競馬なんですけれども、ちょっと見終わった後にもどかしい部分があるレースだったのかなと思います。

ただやっぱりタスティエーラが前に行けたというのがやっぱり強さだったので、こういうところで前受けできる馬を作ってきたのがこのチャンスを掴み取った結果かと。堀調教師は今回の世代でドゥラメンテサトノクラウン両方とも管理してますし、種牡馬といえばモーリスも管理してましたので、やっぱりそういう種牡馬になれるような馬の能力を出し切れる調教師なのかなと思いますし、サトノクラウンも父系がつながってくると面白いのかなと。あとは結果としてタイム差含めても差がないので、展望ではソールオリエンス一強になったのかなと言ったんですけど、終わってみるとやっぱり混戦だったのかなというクラシックになりました。秋はちょっとまだどうなるか分からないですし、血統的には距離伸びてソールオリエンスいけそうなものの、調教師のコメントとかを見ると結構マイラー体型というような話もありましたし、今日もちょっと折り合いに苦労した部分もあったと思うのでこれは天皇賞秋に行く可能性もあるのかなと思います。そうするとかなりまた天皇賞秋は面白くなるのかなと思いますし、牡馬クラシック戦という意味ではなかなか分からない秋になります。もし勝ち馬それから2着馬が天皇賞秋に向かった場合は、相当天皇賞秋が粒ぞろいというか、一体誰が出られなくなるんだよというレースになるのかなと思いました。全体としては以上になりますが、こひさんいかがでしょうか?

こ:はい、レースの受け止め方という点では同じように見ていまして、やはり自分としても面白かったなと思ったのは、向こう正面でどれが動いていってペースを上げていったかというようなところかなと思います。先ほどゆたさんもご紹介いただいた武豊騎手のコメントですね。ポジションを上げていけたのですが、結果的にはもっと行くべきだったかもしれず、勇気が足りなかったかもしれませんというこのコメントが、すごくいろいろ考えさせられるダービーだったなと思っていまして。今回レーン騎手が勝ったので、いわゆる乗り替わりのジンクスが破られたという意味では歴史的なダービーではあったのかなと思います。ただ、今回向こう正面で動いていった時の順番を見ていると、先ほどお話しあったように非常に2番手以降がスローになっていった中で出負けをしながら、ハーツコンチェルトの松山騎手が一番初めに外から動いていきまして、ルメール騎手がその後くっついていくような形で、最終的にタスティエーラハーツコンチェルト・スキルヴィングというような隊列ができてそれが一つ壁となってソールオリエンス・横山武史をブロックするようなそんな形になっていたかなと思います。

実はその後ろ3番目に動いていたのがファントムシーフの武豊ジョッキーで、動いてはいるんですよね。ただ動いているところがその先に動いた松山・ルメールの後だったというところもありまして、3コーナー4コーナーでは一列後ろになってしまう。そこからですと同じレベルの上がりを繰り出してもやはり勝ちきれないというようなところがありまして、やはりここで動けたのはハーツコンチェルトと松山ジョッキー。これもデビューからずっとコンビを組んでいる組み合わせでしたし。今回ちょっと非常に残念な形になりましたが、スキルヴィングとルメールジョッキーもそうです。そしてやはりファントムシーフと武豊ジョッキー。追い切りはかなり乗ってはいましたが、今回実戦では初コンビというところでこの勇気が足りなかったところと、乗り替わりというところの関係性というのがあるんじゃないのかなというところを思いました。

あとは今回タスティエーラが勝ったというところで、私自身が20年ぐらいのキャロットクラブの古株会員になりつつある状況で、ちょっと感慨深いものがあったなと思って見ておりました。キャロットクラブは今ではもう皆さんご存じのとおりノーザンファーム系のクラブというところの地位を完全に確立してますが、昔はそうではない形で○外ですとかそういったところを中心に独自の仕入れをするクラブで、そこがノーザンと組むとなった時に、要はリニューアルした時の目玉血統みたいな形で、当時ちょっと細かい経緯は分からないんですがキョウエイマーチキョウエイフォルテという2頭の繁殖がノーザンにやってきたタイミングと、このキャロットクラブがノーザンの傘下に入るというタイミングがほぼほぼ近しかったところがありまして。このキョウエイマーチキョウエイフォルテの子がキャロットクラブに流れてくるというような形になりました。キョウエイマーチについてはもう皆さんもよくご存じのヴィートマルシェからマルシュロレーヌというような形で、それ以外にもサンブルエミューズを介しましてナミュールですとかラヴェルですとかいろんな活躍のほうが出ておりましてG1も含めて大きなタイトルを手に入れる、看板血統という形になっております。キョウエイフォルテのほうもフォルテピアノ、パルティトゥーラ、タスティエーラというような形で3代続けていくことでとうとうダービーまでたどり着いたということになりました。キャロットクラブが始まってノーザンの傘下になったときに他の牧場のほうであまり色がついていない繁殖牝馬を入れたというところから20年という時を経て、それぞれが大きな花を咲かせているなというのが非常に母馬優先権ですとか独自なやり方をしていって血をつなぐ楽しみを提供しているクラブとしてはすごく画期的なレースだったんではないかなというふうに思っております。

また今回一冠を最終的にはタスティエーラソールオリエンスが一つずつ分け合うというような形になりましたが、キタサンブラック産駒とサトノクラウン産駒でこれを一冠ずつ分け合ったというのは非常に面白いなと思います。キタサンブラックとサトノクラウンというのは現役時代も何度も戦ってますし、G1でのワンツーもあったようなライバル関係ではありますし、今回それぞれがノーザンファーム生産、社台ファーム生産という非常に分かりやすいライバル関係というようなところもありまして。この2頭が同じ路線に行くのか別の路線に行くのかというのはわからないですが、今後もいろんなところでぶつかっていって面白いレースと見せると非常に面白いなと思います。そう考えたら、某ゲームは何でキタサンブラックの相手がこのクラウンじゃなくてダイヤモンドなのかなというのはちょっと思ってしまいますね。はい、こんなところがちょっと私がダービーで起こったところです。ありがとうございます。

ゆ:まあ、ちょっともうゲームに関して、やっぱり権利関係とかいろいろあるんですかね。ちょっとなかなか苦しいシナリオからの三期かなと思うんですけどね。あとは、そういう意味で言うとドゥラメンテ産駒。今回はまあ上位にはこれなくてドゥラエレーデでも競争中止という形になりましたけど、もしかしたら秋の3つ目はこのストーリーだとドゥラメンテ産駒を持って行ってもおかしくないのかなというふうに思いました。

こ:そうですね、そういうところが出てきてくれると非常に、ドゥラメンテキタサンブラックの世代の価値というのが改めて見直せるなというふうに思いますね。そうですね、

ゆ:ドゥラエレーデあたりはちょっと今回は残念でしたけれども、どっかでチャンスを掴んでほしいなというふうには思いました。今回休憩所でいろいろと追ってきましたクラシック路線ですので、こういう結果になるのはなかなかこれまでの展望からは想定してなかったところもあるんですけれども、まあこれも競馬ですので引き続き秋に向けて牡馬クラシック路線がどんな物語に変わるのかというのは話していきたいなと思います。残念な結果はありましたけれども、それでも語り継いでいかないといけないかなと思いますので。皆様これからもよろしくお願いいたします。

第137回目黒記念


ゆ:はい、では続いて目黒記念の方の回顧に入りたいと思います。こちら、すいません、こひさんの方から全体お願いしてもよろしいでしょうか。

こ:はい、あのダービーの回顧の方でかなり時間を使いましたので、ちょっと端的に行こうかなとは思っております。今回の目黒記念ですが、構図としましては結構いろんな路線が言い乱れる形になったなという構図になっておりまして、牝馬限定性を中心に使ってきて、そこを見せていないサリエラが一番人気、2番人気が比較的強い相手とG2級で戦ってきましたプラダリア、3番人気がアガリウマのゼッフィーロというような構図になっていました。

今回ダービーがディープインパクトのいないダービーというようなところの言われ方もしておりましたが、こっちではやっぱりまだまだディープインパクトがいっぱいいるなというような出走馬になっていました。レースとしましては、一言で言いますとダービーの反省というものが生きたレースだったなというふうに思っておりまして、スタートしてからはかなりドスローと言うしかないようなペースで流れていったんですが、今回についてはセファーラジエルに乗っていた吉田隼人騎手が残り1200から1000ぐらいからしっかりまくっていきまして、ペースアップをしていくというような形になりまして、ダービーのような完全スローではなくて、1000mぐらいからしっかりラップを刻んでいくというようなペースになって、最終的にはレースの最後1ハロンが12秒かかるというようなかなりタフなペースになっていたかなと思います。

結果的にはディアスティマ以外の先行場というのが壊滅状態になるというようなレースでした。そういった形で最終的に溜めてきた差し馬で、ある程度長く脚が使えるまでの勝負というところになりましたが、やはりダービー含めて乗れている騎手の味付けで基本的に惜敗キャラで勝ちきれないというレースが続いていました、ヒートオンビートが勝ちきるというレースになりました。ディアスティマに乗っていた北村友一騎手が怪我ですとかそういったところがありまして、今回重賞まで手が届くとかなり久しぶりというような形だったんですが、本当に寸前でスルリと抜けていったようなレースでした。ただこのレース一番強い競馬をしたのはディアスティマだという風に見て良いかなと思います。この馬自身も元々3000mの準オープンを勝ち上がってきてみたいな形で結構特殊な形で上級レースに出てくるようになってきた馬ではありますが、今回外からまくられたことによって早めに動く競馬を強いられることで、なかなか強いところを見せたそういったレースだったかなと思います。この馬がこういったものを武器にして磨いていけると、より戦績ですとかそういったところが安定してくるんじゃないのかなという風に思います。

人気のサリエラの方は3着に追い込んできましたが、この馬にとっては今日の馬場というのは走りやすすぎる、速すぎたというような印象ではあります。この馬は皆さんご存知の通り凱旋門賞に登録しておりますが、ある種この馬場にきっちり対応して差し切るようでは、凱旋門賞は逆に心配になるかなと思います。そういった先も含めて良いレースをしたのではないかなと思います。エンジンのかかり自体は遅かったんですが、その後最終的には外から来る差し馬は内から差し返したり、非常に長く良い脚を使っていまして、やはりさすが凱旋門賞を登録する馬だなとに見ておりました。また凱旋門賞がどういう条件で出走馬が決まっていくのかというのが私は頭に入ってないんですが、ここちょっと勝ってレーティングを積んでおくみたいなところを想定していたとすると、ちょっと痛いレースに結果的にはなってしまったのかもしれないなと思います。レース全体としましては、やはり見直したいのは前にいて止まった馬の巻き返し。そういった馬が結構大きな着順になったレースでもありますので、そういった馬が条件替わりで見直していきたいなというようなそんな印象のレースでした。

ゆ:はい、ありがとうございました。目黒記念に掲示板に載っている血統を見ると、一着は父キングカメハメハ母父ディープインパクト、そこから5着まで父ディープインパクトなんで、来週からはPOG始まるわけですけども、本当今まではディープ、キンカメの仔を選んでみれば当たりが引けたはずだったのに、戦国時代というか難しいダービー路線の選択になってくるんだなというのは改めて見て思いました。

こ:そうですね、同じ日にやっているレースという感じがしないですよね。

ゆ:ダービーの出馬表の血統を見てますと、そうですね、本当にダービーをサンデー系じゃない馬が勝つというだけでもそれなりにインパクトがあるレースだったのかなという風には思いますので、ちょっと特殊なレースではあったと思うんですけれども、本当どこから強い馬が出てくるかどんな馬がダービーを勝つのかというのは分からない。マインドユアビスケッツ産駒も結局6着入ってますからね。

こ:本当ですよね、どこかでTwitterでどなたかが書いてるのが流れてきてなるほどと思ったんですが、社台スタリオンステーションで一番種付け料が安い馬の仔がダービーを勝ったって書いてあるのを見て感心しましたね。そういう見え方も分かりやすいなと思いました。

ゆ:なるほど。この後はこひさんPOGドラフトと伺ってますが、うちのサイトも来週POGのドラフトがありますので、本当この結果を踏まえてもうちょっとリストを眺めていただければなりかもしれないですね。

こ:そうですね、芯力休憩所自体も2月ぐらいから動き始めてきましたので、この後初めての2歳シーズンを迎えるというところになりますので、そのタイミングで重賞も減りますので、ぜひ2歳シーズンを見ていきながら今後の展望ですとかそういったところも掘り下げていきたいなと思います。

第6回葵S

蒼山サグ(以下、蒼):葵ステークスの方の回顧をよろしくお願いしたいと思います。こちらちょっとなんか面白いレースになったと思うんですが、佑太さんどうでしたか?

ゆ:はい、お願いします。とにもかくにもモズメイメイのロケットスタートというのが目についたレースだったかなと思います。本当に出た瞬間、カンパイじゃないかと思うくらいスタートと皆さん思ったと思うんですけど、後からパトロールビデオを見ても特にゲートは壊していなさそうというルール上問題ない。ルール内のスタートではあったというところだったのかなと思います。パトロール見てみると、もうこれゲート開く前にも重心下げて飛び出す体勢に入っているので、本当に武豊騎手のタイミングが合いすぎたというのも頷けるスタートだったと思います。もうちょっと話してしまうと、ゲートから助走距離があるので1200のハロン棒までは5mぐらいあると思うんですけど、横からの動画を見るともう1200のハロン棒を通過する時点でもう一馬身半差がついているので、タイムの計測って正確にはゲートではなくてこのハロン棒を過ぎてからという形になりますので、ある意味今日のレースタイムは他の17頭は多分0.2,3秒損しているんじゃないかなというぐらいのレースだったのかなと思います。とにかくすごいスタートで、過去にこういうスタートってローエングリン中山記念とか、あとはビッグブラネットアーリントンカップなんかが有名だったと思うんですけれども、今日の葵ステークスと今回改めて見比べてみると、やっぱり今回の方がすごいというか、過去のそういうロケットスタートのレースが色あせてしまうようなレースだったのかなと思いました。

まあ武豊騎手、このスタートは今回意図的ではなかったとは思うんですけれども、今日はほぼそれで決まった形ということで、モズメイメイ自体、この後200mから1000m間もう全部10秒台のラップ刻んで走っていて、本当にスプリンターの走り。過去の京都の葵ステークスでも後半600mってもう少しラップが落ちるものなんですけど、落ちてないので、本当によくチューリップ賞とかマイルを勝ったなっていうようなレースだったと思います。夏から秋に向けて3歳の間は斤量差もありますので、当然古馬との対戦も楽しみだと思いますし、本当にスプリント界の新生というところかなと思います。新星という意味では3着のビッグシーザー、こちらも人気場馬今回かなりスタートで不利じゃないですけど、キツい競馬になった中で追いかけてたというところがありましたので、その分ちょっと最後差されてしまったのかなと思います。2着ルガルは、そういう意味で言うと枠順が良かったのかなというところと、一番人気を前に見たレースだというところが良かったのかなと思います。あと4着ブーケファロスのビッグアーサー産駒が入っているので、3着が含めてビッグアーサー産駒、本当に1200すごいのでサクラバクシンオーの父系が繋がるといいなと思った次第です。

蒼:はい、ありがとうございました。こひさん何か補足などございますでしょうか。

こ:本質ではないところからになるんですけども、グリーンチャンネルですとかオフィシャルに上がってます映像のカメラワークがすごく面白いなと思いまして。たまに人気馬が大出遅れしたケースですとかにゲートの後、引きのカメラになるケースとかあるんですが、今回前に飛び出たことによってカメラワークが驚愕して引きのカメラになっているのが、改めて見直していて、いかにイレギュラーな飛び出し方だったかというところがすごくそういったところからも感じられました。ロケットスタートがまた、今後出るたびに10年経ってもモズメイメイっていう名前をみんな思い出すような、そんなインパクトの残るレースで私もたまたま今日は予定もなく生で見れたんですけど、この興奮もリアルタイムで味わえてすごく良かったなという思いです。

あとレースの方で言いますと、本当はゆたさんおっしゃった通りで非常にモズメイメイがスプリント性能の高さを見せつけたことによって、後続が結構苦しい競馬で、多分前のうちじゃないとどうにもならないレースになっていたので、今回負けた組ですと外からそれなりにしっかり脚使ってきてたテラステラですとかカンチェンジュンガですとか、なぜかこの展開で序盤を引っ張って抑え込もうとしていて、最後行き場なくしていたヤクシマはぜひ次を見直していこうといいかなと。特にこの後またこの路線古馬との対決になりますが、古馬との斤量差と短距離っていうのは結構相性がいいんで、ここで大きめの着順の馬が古馬と対戦してガンガン条件戦で巻き返していくっていうような可能性は十分あるような、非常にレベル高いレースだったなという印象です。

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