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メイショウタバルの演出する逃げで能力を出し切れるのはどの馬か?ロンスパ合戦で浮上する実績馬を考察する菊花賞展望

この記事は、競馬評論サークル芯力のスペース2024.10.19 21:00~からの文字起こしです。


第85回菊花賞

くらみゆた:
3歳クラシック最終戦の菊花賞。まず気になるのは馬場状態です。土曜は結構な雨だったものの稍重で持ちこたえています。明日は朝から晴れ予報。風がそこそこあることを考えれば、良馬場まで回復する可能性も十分あるのではないでしょうか。一方で、新装後の京都はまだ路盤が踏み固められていないこともあり、比較的力のいる馬場状態であることも事実。先週の秋華賞では力が違ったとは言え、ハービンジャー産駒のチェルヴィニアが完勝しました。ドロドロも時計の掛かる馬場ということはないと思われますが、比較的ヨーロピアン血統を上にとるべき馬場状態ではないかと考えられます。また、菊花賞はそのコース適性上、内枠有利です。去年は大外から逃げ溜めて差しという魔法を決めたドゥレッツァという例もありましたが、基本的には内枠から差せる馬はプラスに捉えたいと思います。

続いて展開について考えていきましょう。まず衆目一致しているところはメイショウタバルが逃げるということ。スタートが速い馬というわけではないので、1周目の坂の下りから抑えきれないような形でハナに立つのが予想されます。この形だと、いわゆる横山家の逃げのような中盤に緩む展開は難しいと思われます。淡々と早いラップを刻むことになると想定していいのではないでしょうか。その場合、2,3番手がどのような競馬をするかが重要になるわけですが、おそらく前である程度刻みたいエコロヴァルツメイショウタバルから少し離れて、できれば中盤は息を入れたい競馬をすると思われます。したがって1周目のホームストレッチは各馬折り合い重視で縦長の展開も、向こう正面に入るとペースを緩めたエコロヴァルツに対して、後続がじわっと馬群が詰まってくる、そんな競馬を予想したいと思います。

そのような展開になると、周りのペースが上がっている中で、向こう正面で一気に動くというのは自滅行為です。コスモキュランダ、デムーロ騎手の動きは気になるものの、さすがに2周目の坂の下りまでは大きく動く馬は出ないのではないかと想定します。おそらく大きく動くのは坂の頂上の手前から下り。エコロヴァルツが前で、中団からコスモキュランダ、後方からヘデントールが動き出すと思われ、いわゆる4,5ハロンのロングスパート合戦になるのではないかと想定します。となると、問われるのは坂の下りをどれだけ効率的に走れるかです。コーナリングで騎手の腕が問われる一戦になると思われます。

となると、枠順の恩恵もあるダノンデサイル横山典弘騎手、後方組で一枚上に見えるのはアーバンシックルメール騎手、アドマイヤテラ武豊騎手あたりになります。春の実績馬が上位を占めたトライアルの結果、そして距離伸びて微妙な走りのメイショウタバルと考えると、勝つ資格があるのはダノンデサイルアーバンシックとみます。気になるのは菊花賞では500キロ超えが不振というデータくらいでしょうか。また上手く展開を利用して浮上しそうなのがアドマイヤテラあたり。最後にこの3歳路線でずっと推してきたミスタージーティー。正直神戸新聞杯がだらしなさすぎる結果ではありますが、枠も良く、菊花賞でこその血統、鞍上も坂井瑠星騎手に戻って、もう一度期待して、馬券には絡めたいと思います。

こひ:
まず天候についてですが、私は京都競馬場から南に数十キロほどの比較的近いエリアに住んでいます。予報より競馬が終わった後も割と降っていたという印象でした。馬場状態がどこまで回復するかというところと、今日の競馬の中でも途中で馬場の降雪が問われるような直線の絵面になっていたかと思います。それを見た上で判断をしないといけないと強く感じています。明日も京都がどういう乾き方をしていって、内側が有利なのか外側が有利なのかは、おそらく前のレースを見ないと分からないところがありますので、まずはそこをしっかり見たいと思っています。

今年は有力馬が割と外を引いたというのが率直な印象です。ダノンデサイルがダービー馬の方が2枠4番といういい枠を引いたのですが、それ以外の人気をする有力馬で言うと、みんな黄色帽よりも外枠というところもあります。菊花賞はどういう狙い方をするかというと、内目の立ち回りで穴を開けそうな馬はどういうマークなのかというところと、直前の馬場状態を見ながら有力馬でなっているように思います。何をピックアップするかというところを考えていきたいと思います。

今回、面白い馬が内枠に入っているという印象で、柴田善臣騎手の記録もあり、穴人気もしているピースワンデュックが1枠1番です。こちらは多分内目から先行するところで、ひょっとしたら逃げるメイショウタバルの後ろの2番手のようなポジションで見やすいポジションが取れて競馬ができる可能性があるのではないかと思います。この馬も気になるところで言うと、このような馬場の京都で言うと母系にジャングルポケットがいるというところも非常に気になります。同じような観点で言いますと、4枠7番のビザンチンドリームです。これは神戸新聞杯で折り合いに結構課題があるというところを触れていましたが、シュタルケ騎手が合うのか合わないのかというところで言うと、何か合わないような気もしないのですが、春からの成長を感じさせられたというところで、こういったところも全然人気がないのでケアをしたいと思います。

あともう一つ抑えておきたいのが、おそらくトライアルの神戸新聞杯が中京だったというところはあるのかなと思います。中京の2200mと京都の3000mといったら、そんなに求められるものが近しいわけではない条件かと思います。今回このミスタージーティーに限らず、結局4枠8番のウエストナウですとか、神戸新聞杯で大きな着順になってしまった組というところが人気的には完全に忘れられているので、そういったところを拾っておきたいと思います。

そういったところをピックアップしつつ、有力馬の中で気になるところで、これまで上がっていないところで言うと6枠11番のショウナンラプンタです。この馬もかなり周りのところ含めて鮫島騎手が押し込んできて、そういったところの成長感がすごく感じられるというところで、今であれば右回りに戻ってもいいパフォーマンスが出せるのではないかというところと、また父親のキズナというところも多分今の京都の傾向的に言うと割と合うのではないかというところを見ています。この辺りを含めて、内目がいい馬場であればダノンデサイルの方を中心に拾ったり、外目の方がしっかり伸びるような馬場であればアーバンシックの方を強めに拾ったりしながら、人気薄を絡めた三連複でちょっと穴が開いているというところで勝負を狙っていきたいと見ています。

ヘデントールについては、ルメールが去年やったことをもう一回今年、しかも違う騎手がやれることはさすがにないだろうというところで、評価は下げざるを得なかったという印象です。ここから勝ち切るには去年のルメール並みのことをやらないといけないだろうというところは思います。

あと結構外から内に入れてくる馬に対してダノンデサイルが内目で待ち構えるというのは、構図的に外から内に入れにいく馬は難しいなというのも合わせて思ったところです。改めて並びを見ていますと、そういう意味でダノンデサイルはいいところを引いたなというのはすごく思います。最後に、このレースに出ていないのですが、改めてこの出馬表とこの雨を見ていたら、ジューンテイクが無事にここに出ていたら間違いなくこの馬から勝っていたなというのは、改めて見ていてもったいないなと感じました。

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