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短期免許騎手の逆襲!Rキングの巧さと、ピーヒュレクの浪花節的勝利を振り返り(第64回きさらぎ賞・第74回東京新聞杯回顧)

この記事は、競馬評論サークル芯力のスペース2024.02.04 16:30~からの文字起こしです。


第64回きさらぎ賞

第64回きさらぎ賞 出馬表

蒼山サグ(以下、蒼):京都第11レースのきさらぎ賞の回顧を、ゆたさんからお願いします。

くらみゆた(以下、ゆ):2連戦で結果を出し切れてなかった1勝馬に、新馬勝ち馬がが挑むといった構図の一戦。実績馬のレベルが高くなくみえたところもあったのですが、やはりという形で新馬勝ち馬2頭が馬券に絡む結果になりました。

テイエムリステットが逃げる形になりましたが、内からシヴァースが抑えてきれない感じでハナに立つというという流れではじまりました。ジャスティンアースがその好位の後ろで、ファーヴェントが内を追走。1番人気のビザンチンドリームはスタートが悪くて後ろからの競馬。前もあまり引っ張るような意識がなかったのでペースが上がらず、前半4ハロン過ぎたところで完全に一団の競馬となりました。下り坂もゆったり下るような流れで、結果的に上がり2ハロンの競馬ですじぇ。

直線、シヴァースが馬場の真ん中からちょっと内、一番伸びるところよりは少し内目のあたりから抜け出すような形になったところを、外からウォーターリヒトビザンチンドリームが差してくる競馬。シヴァースはじわじわと内にヨレながらの競馬で、ファーヴェントに多少不利を与える形ながら最後まで粘っているところを、ビザンチンドリームが差し切ったという流れでした。

勝ったビザンチンドリームはスタートが遅かったんですが、パトロールビデオを見てもずっとかかりながらで頭を上げる仕草が目立ちました。かなり荒削りな競馬で、直線も若干フラフラしながら差しきったという形なので、能力の高さは相当あると思います。ただ、レースしづらそうなところもありますし、父エピファネイア、母父ジャングルポケットという血統を考えると、メンタル的にどれくらい持つのかというところもあるので、一度負けたら追いかけすぎないほうがいいかなと思いました。

ピーヒュレク騎手にとっては重賞初勝利。来日してしばらくフィットしきれなかったところもあり、馬券的には買いづらい状況でしたが、なんとか1つ結果を出して日本の競馬に馴染めて良かったなというところです。これにはミナリクおじさんもニッコリだと思います。モリス騎手に向けては最後まで頑張ることが大切さを改めて伝えたいですね。

あとは2着のウォーターリヒト。父ドレフォンということで、今日のような馬場が向いているところが大きかったかと思います。この辺は馬券的にも狙った人が多かったのかなと思います。3着のシヴァースはじわじわと前に進む形でモーリスらしさというか難しさを見せてくれました。最後までよく粘ってポテンシャルを見せた形にはなりましたが、賞金を積めなかったのが痛い結果。モーリスタイマーが切れる前に勝ちきれるかというところが悩ましいところかなと思います。

1番人気だったファーヴェントは直線内を狙うも、最後は川田騎手が派手なアクションで不利をアピールするような形。とはいえ、末脚比べで負けた後の不利で、これがあったら勝てたような感じはなく、実が入るまでは時間がかかるタイプのハーツクライというところですね。以上になります。

蒼:ありがとうございました。こひさんから補足などございますでしょうか。

こひ(以下、こ):はい、今開催の京都は馬場条件が特殊だったこともあり、いきなり次につながるとまでは思えない印象です。ビザンチンドリームは、吉田和美オーナーですからこのまま本番に向かうのだろうと思いますが、本当の能力がどれほどかは測れないまま本番に向かうことになるので、扱いが難しいところだと思います。あとは2着のウォーターリヒト河内調教師は来年定年ですのでラストクラシック。800万積めたことは大きいと思います。皐月賞には入ると思いますが、ダービーに入れるかはわからない。ダービーにはまだ調教師として出走できていないという話もありますので、この後のレース選択は注目したいですね。

第74回東京新聞杯

第74回東京新聞杯 出馬表

蒼:東京新聞杯のレースを振り返りたいと思います。こちらはこひさんの方からまずはお願いいたします。

こ:東京新聞杯ですが、思った以上にマスクトディーヴァが注目されて抜けた人気になったなというような印象ではありました。それ以外にもNHKマイルカップ以来のウンブライルですとか、ジャスティンカフェウインカーネリアンといったマイルの実績馬という形で今年も非常にメンバーが揃ったなという印象です。

やはりいろんな馬が本番に向けてゆとりを持ったローテーションを取りたいというところがあって、2月に東京マイルでグレード別定である重賞というところの条件設定がよくて、馬が近年より集まってくるような形になっているかなというふうに思います。とはいえこの時期の東京なので比較的前残りになるというようなところもありまして、今週の競馬を見ていてもそういった印象はすごくあったかと。そんな中でウインカーネリアン以外の有力馬は後ろから行く馬が多いなというのがレースの前に見ていたポイントでありまして、マスクトディーヴァが出遅れたところでさらに決定的になったというようなレースだったかなと思います。

ということでマスクトディーヴァ触れていかないといけないかなと思いますが、大きく出遅れたプラスそこから気合をつけて集団の外まで持って行ったというところの、この部分ですね。これが今の東京の馬場を思うと一番厳しいところに自ら持って行ってしまったような、そんな印象のレースにもなってしまいました。人気にもなっていたというところもあってか、岩田望来騎手の若さというものが悪い方に出ちゃったかなという印象ですね。

それに対しまして、やはり展開的に恵まれそうだなと見えてましたウインカーネリアン。こちらも後ろに人気薄2頭を引き連れて逃げていくというような形、非常に形としてはいい盤石の競馬運びだったかなと思います。正直ちょっと見ていて直線の入り口でこれでウインカーネリアンで決まったかなと思ったところだったんですが、サクラトゥジュールレイチェル・キング騎手がいい鮮やかに立ち回らせて突き抜けたというような形。本当に直線も冷静に進路が開くまで待つような、そんな騎乗にも見えまして、本当に鞍上の腕で持ってきた、そういった印象でした。

道中見ていましてもちょっと行きたがるところがあっても徹底してインベタで前に馬を置いて我慢するというところで、直線でも進路がパッと開くわけではなかったんですが、ちゃんと待って焦らずに冷静に最短距離を突き抜けたというところで、本当に今回は巧さがあったなというところ。あと馬自身も非常に内枠の時に非常に成績が良いというところがありまして、そういった鞍上に応えられる、そういった馬の質というところもあったのかなと思います。

2脚のウインカーネリアンも完璧な自分の競馬でやりきって、今回はたまたまサクラトゥジュールレイチェル・キング騎手が上手すぎたというだけで、レースとしては完璧だったかなと、そういうふうに見ております。あと3着のホウオウビスケッツですね。これは道中ずっと勝ち馬の1個前のポジションで運んでいました。進路が先に選べる立場だったので詰まるリスクのない外に出すのは当然ですし、今回のレースとしてはマイル適性の高さというものをしっかり示せたというところで収穫があるレースだったのではないかなと思います。4着に突っ込んできましたアスクコンナモンダも含めましたこの4頭全部道中で内ラチ沿いにいた馬たちでしたので、そういうレースだったんだなという見方をしていくべきだなと思います。

そんな中、最悪の競馬をしながら6着まで最後なんとか伸びてきていたマスクトディーヴァですが、この馬の能力は当然高いなというふうに思います。週の半ばでも陣営の方からヴィクトリアマイルを狙うのでここを使うというコメントもありました。今回こういったの競馬になったので本番の鞍上をどうするか問題ですとか、あのゲートをもうちょっとどうするか問題ですが、いろんな悩みが多いかなと思いますが、今回のパフォーマンスはこの馬の能力の絶対値というところでは特に評価を落とすようなレースでもなかったので、もし本番まで間隔を空けて人気を落とすようであればあえて狙いたいなというふうに見ています。

あとは外枠はもう完全にノーチャンスというような競馬の中、アヴェラーレですね。この馬がかなりよく伸びていたなというような印象ですが、クラブの規定であと現役ができるのも1ヶ月半なので馬券にできるレースがあるかなというところは思っております。このレース、この馬も外枠だったんですが、もう1頭のピンク棒のフリームファクシ京都金杯、東京新聞杯連続で外枠ピンク帽子になってしまって、パフォーマンスが出せなかったというのは非常にかわいそうだなというふうに思います。

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