心筋梗塞のST上昇とBrugada型心電図、どう違いますか?
ご質問をいただきました。
「心筋梗塞のST上昇とBrugada型心電図、どう違いますか?」
さあ、あなたはどのように答えますか?
Brugada症候群
V1~V3誘導でcoved型(弓を折り曲げたような形)やsaddleback型(乗馬の鞍のような形)というような、一見右脚ブロック波形の様にも見えます。
このような心電図波形の特徴を持つ患者さんに、突然死が起こる可能性があると言われています。そのような病態をBrugada症候群といい、健康診断でもたまにお見かけします。
学生の頃にこの波形をみたら、”胸部の電極を1~2肋間上に上げて記録をとりましょう”と教わりました。1肋間上に上げることで、この独特の変化がよりはっきりするからです。
比較的男性に多く、波形は日内変動・日差変動することもあります。
下記に示すような場合にはBrugada症候群と言いますが、そうでなければBrugada型心電図と呼び区別されます。
coved型(Type1)の特徴があることに加えて、
①心室細動(VF)または多形性 心室頻拍(VT)の記録
②不整脈原性の可能性が高い失神
③突然死(45歳以下)の心臓突然死の家族歴
④家族内にcoved型心電図の家族歴
⑤夜間苦悶様呼吸
⑥電気生理学的検査(EPS)で多形性VTやVFが誘発される
以上のうち1つ以上を満たす場合。
突然死のリスクはcoved型の方が高いと言われています。
では、心筋梗塞の心電図とどう区別するのか?
どうやって見分ける??
ST変化をどうやってみるかというと、基線の位置とS波の終わりの点(J点)でみます。Brugada型心電図も、基線よりガツンと上にS波の終わりの点が上がっています。その後に注目です。その後に下に必ず向かいます。そのまま下がりT波陰転化となればcoved型、もう一度上がればsaddleback型です。
心筋梗塞でV1~V3が変化すると言えば、前壁梗塞の可能性を考えます。心筋梗塞ならば、対側変化(reciprocal change)を認めたり、時間経過によってR波がないQSパターンを示します。
もし、致死的不整脈を起こした場合は、症状として意識消失もありますが、”激しい胸痛”という症状も特徴です。
心電図の所見が100%正解ということはありません。
虚血の可能性が完全に否定されない場合には、もちろんステップを先に進めなければなりません。
”最悪を想定し、最高の結果を残す”
あなたが最高の結果を残せますように、、、★
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まえた さちこ プロフィール
臨床検査技師、2児のママ。心電図検定1級。
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