見出し画像

2023/04/03 吟行 万博記念公園

大阪・吹田にある万博記念公園で吟行を行いました。
桜の花が満開の中、国立民族学博物館、EXPO' 70 パビリオン、太陽の塔 内部展示を鑑賞しました。

参加メンバー
府田確
奥村鼓太郎
掃除当番
保科いたやど

展覧会等の情報

国立民族学博物館 特別展示「ラテンアメリカの民衆芸術」
国立民族学博物館 地域展示・通文化展示
EXPO' 70 パビリオン
太陽の塔 内部展示


吟行記録

国立民族学博物館 特別展示「ラテンアメリカの民衆芸術」にて

府田確


降りしきる雨の恵みに凍てるような貧富を後背位であたためて

生活の出し子 生活の受け子 移民地帯のきらめく大河

死ぬと仮面をつけなさいと言われ仮面に祭典は彩られる

《国立民族学博物館 特別展示「ラテンアメリカの民衆芸術」》


発音と文字のぎらつく絡み方、その解し方または断ち方

青色に汲みあげられたポリタンク 水の揺らぎに水面が揺らぐ

キリストが復活するから朝になったら歩きに行こうと誘われる屋根

《国立民族学博物館 地域展示・通文化展示》


赤い廊下で激情したら半世紀の華々しき破滅が覆る

お茶の間と接続されたフューチャーで四万八千人の迷い子

パビリオン その複式のざわめきに未来は一つだったの、だった

《EXPO' 70 パビリオン》


空間へ花見客は誘拐されて 花見客は時間へ回遊する

fetishismフェティシズムは生物の生み出す究極の情愛にして憲法違反

遡及法 塔は僕らの地下へも伸びて全ての根源と握手する

《太陽の塔 内部展示》


国立民族学博物館 地域展示・通文化展示にて

奥村鼓太郎


その頃

大切にあなたが抱えている魚 魚とあなたが向かう場所

手づくりの土器をひたすら並べゆくあなたの慎重な手の動き

何かには似せたものだと思うけれど何の仮面を拾ってきたの

一昨日のことを今日また話してもいいはずの火に木をくべてゆく

《展示を通して》


桜が満開でした

掃除当番


死を飾る 縦と横とのあいだにある織り重ねられた時間と祈り

『ラテンアメリカの民衆芸術』には、死者を弔うためのものが多く展示されていた。

感情を色と形で飾りつけかたちを与えて信仰とする

『ラテンアメリカの民衆芸術』における「第2章 民衆芸術の誕生:ラテンアメリカ形成の過程」の説明文の一節「民衆とは、ある文化を共有する人々のことであり、芸術とは、その文化の価値観にもとづいて喜怒哀楽の感情をかたちにあらわすことである。」


インターナショナル・ウエスタン・カーニバル ゴシック体は何も語らない

EXPO' 70 パビリオンにおけるポスターの展示

さんざめく大衆の波が引き寄せてやってくるパビリオンの終わり

EXPO' 70 パビリオンにおける閉会式の展示


内側の赤から出て見上げる塔が空へそびえる景色は緑

太陽の塔の内部観覧を終えて


EXPO' 70 パビリオンにて

保科いたやど


超能力は存在しており絵の中の血管は望んだものだった
  (ろうけつ染絵画)

イスラーム由来の柄の椅子でふと昨日の祖父の車椅子、と母
  (椅子「キティ・チャ・エンズィ」)

公約数で見ればこぼれて落ちていく まずは祭壇の精緻から

He hides it under the mask of 綻びは近かった etiquette
  (ニャウ・ヨレンバ)

《国立民族学博物館》


ない線路・ない機関車に囲われて逃げ場がなくて光ってもいた

真面目には誰も見まいというほどにピエロについての詳細な資料

いくらでも花とよべようものたちのなかでも花はわらってみせる

《EXPO' 70 パビリオン》


立体の朽ちる早さに比例してかさむフォビアについての会話

僕なんかが感じる色に関しての使い方の限界の範疇

建設の意中から成る暗闇を悪人がいるものとして進む

《太陽の塔 内部展示》


太陽の塔 内部展示にて


過密スケジュールでしたが、和気あいあいとした雰囲気の中、どの展示もとても面白く鑑賞できました!


各種案内

4月の新歓歌会の情報はこちらからどうぞ(Twitterでも最新情報を更新予定です)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?