歌会について/短歌入門

歌会(うたかい)は、当会の中心となる活動です。定例歌会を月に2回行っています(定期試験、機関誌編集などで会員が忙しいときは月に1回です)。

現状はzoomを用いてオンラインで行っていますが、状況をみて、感染防止対策を図りながら対面での歌会も行っていけたらと考えています(とはいえ、当面はオンラインでの活動を継続します。また、完全に対面形式に移行することは考えておらず、オンラインとの併用という形になるかと思います)。

歌会とはどんな場?

歌会では、参加するメンバーがそれぞれ詠草(自作の短歌)を持ち寄り、作者名を伏せた状態でお互いにそれらの短歌を読みながら、感じたことや想像したこと、あるいは技法的なこと、ほかの歌人の作品との関連性……などなど、ざっくばらんに批評し合います。

しんたんの歌会はとても和気あいあいとした雰囲気ながら、異なる視点からの鋭い意見、短歌一般に対する分析・考察など、本格的な批評も飛び交います。自分でもあまり気に入っていないな……という箇所をズバリ指摘されたり、作者としては考えていなかった観点からの読みを提示されるなど、とても有意義です。また、自作の短歌に好き、と言ってもらえたり、面白いと感じた、と言ってもらえたりするととても嬉しいですし、自信にもなります。そしてなにより、見知った仲間と短歌について思ったこと、考えたことを言葉にして伝えることが楽しいです!

歌会の流れ

通常の歌会のおおまかな流れは、(詠草提出)→読み込み→批評→解題→(フリートーク)です。

まず、歌会に参加する人は司会の人に事前に詠草を提出しておきます。

歌会がはじまったら(もしくははじまる直前に)、集まった詠草が参加者に明らかにされます。全体での批評にうつる前に、歌会の最初の5~15分間(歌数によって前後します)は読み込みの時間が設けられます。参加者はこの間に、ほかの人の詠草をまずは一読し、感想や批評をざっくりと自分の言葉でまとめます(完全に考えをまとめる必要はありません、他の人の批評を聞くなかで自分の考えていたことはが変化することもあります)。

読み込みが終わると、いよいよ批評です。提出された詠草を順にみんなで鑑賞していきます。しんたんでは、まず司会がその詠草を読み上げる人を指名します。指名された人はその詠草を2回(もしくは1回)読み上げ、続けて自分の感想を述べます。そのあと、その人の感想に関連すること、または異なる観点などについて残りの人たちも含めて自由に発言していきます。司会は都度議論を整理しながら、ある程度意見が出きったら、場を次の詠草の批評に移します。

すべての詠草の批評が終わったら、最後に解題の時間が設けられます。伏せられていた詠草の作者を明かしていき、作者は自分の詠草についての意図に軽く触れたり、またほかの人は、明らかになった作者に対して質問を改めてすることなどができます。これにて歌会は終了です。

歌会の後は、集まったメンバーでフリートークの時間となります。歌会に関する関することでも、あるいは全く関係のないことでも、自由にしゃべり合います(フリートークは歌会ではないので、この時点で用事のある方などは抜けていただいて構いません)。

少し堅苦しく説明してしまいましたが、実際の歌会はわりと適当なところも多いです。歌会を通して、楽しく短歌に触れられることができればなによりです!


歌会の形式

歌会にはいくつか形式があります。以下で説明しますが、基本的にしんたんでは自由詠・選なしで行っています。

自由詠の歌会は、特にテーマは設定されていません。各自が自由に短歌を詠んで持ち寄ります。
一方、題詠の歌会ではあらかじめ、ある「題」が設定されています。たとえば「朝」あるいは「町」など……、もう少しマニアックな題もあります。歌会に参加する人はこれらの題に沿った短歌を詠み、提出します。題に沿っていればよく、必ずしもその単語を使わなければならないということはありません。

選(投票)がある歌会もあります。選ありの歌会では、読み込みの後にすべての詠草から良いと思った数首を選び、司会に伝えます。一人何首まで票を入れられるかはあらかじめ司会が定めておきます。票の多寡は決して勝ち負けではありませんが、多くの票を集めることができるととても嬉しいです。選なしの歌会ではこのようなことは行いません。

ここに挙げた歌会の流れ・形式は決して定義づけられたものではありません。歌会には他にもさまざまなやり方があります。それぞれに長所短所がありますので、ぜひ色々な歌会に参加してみてください。


短歌入門

57577の31音を集めて(場合によっては集めなくとも)、作者がこれは短歌だと断言したら、それは短歌といえます。このように短歌はその定義も実は曖昧です。なので、このようにしたら短歌が上達する、といった王道があるわけではありません。それは自由といえば自由なのですが、やはり初心者にとっては「短歌がわからない」「いい短歌が詠めない」という状態は、短歌の面白さに出会い損ねてしまう原因であるとも思います(もちろん、短歌に長く触れたからといって、「短歌がわかる」わけではありませんし、「いい歌が詠める」とも限りません)。

まずは、歌集でも、雑誌でも、あるいはインターネットでも、まずは自分が面白いと感じる短歌・歌人を探すことが、奥深い短歌の森に分け入っていく第一歩だと思います。下記に挙げるものは、おそらく第一歩の手助けになると思われるものの一例です。が、あくまでそれは第一歩の手助けであって、第一歩ではありません。これらを通して自分が面白いと思う短歌に出会い、そこから自分で面白いと感じたものについて深めていく、ということが本当の第一歩です。ぜひあなたの第一歩の「踏み出し方」を自分で見つけてみてください。


アンソロジー系

アンソロジーは様々な歌人の短歌を編者が選んで集め、解説などを付したものです。多くの短歌に触れられる一冊です。


作歌論系

歌人が作歌についての考察などを示したものです。


短歌総合誌

毎月刊の短歌総合誌の一部です。アーカイブの所蔵のある図書館もあります。(以下は2022年3月号)

隔月刊

毎月刊の総合誌ではありませんが、こちらも面白いです。


この他にも、インターネット上では初心者にむけた記事なども多くあります。そちらも参考にしてみてください。

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