55歳、ベテランエンジニアの転職

55歳という定年まであと5年、という段階で、転職したエンジニアの転職活動メモです。

23歳で大手電機メーカーの子会社に入社し、32年間組込みソフトウェアエンジニアとして働いてきました。
2019年夏に、仕事の方向性や考え方の違いについて、上長とぶつかることがあり、その年の12月、決定的なやりとりがあり、2020年3月に退職すると宣言しました。
(のちに、最終納品が同月ということで、転職日は2020年6月30日に変更しました)

2020年4月~6月は有給休暇消化をしながら、引継ぎ作業のために出社もしながら、のんびりとした日々を過ごしました。
ただ、2020年3月末の時点で転職先は決まっておらず、気持ちは穏やかとはいかなかったです。

...新型コロナの影響で、求人が急速に減少...

書類選考に応募しても、なかなか返事が来ない。
返事が来ても「選考NG」。
不可抗力とはいえ、こんなはずでは、、、

転職エージェントさんにいくつか質問をしてみると、エンジニアの求人、特に即戦力の求人は減っていない、とのこと。
(減っているのは第二新卒とか)
何か、感触が違う。。。
多分、転職を甘く見過ぎている。
一番の問題は、戦略がない。

書類選考。
職務経歴書はベテランなので豊富。いっぱい書きました。
これが不味い。
アピールが、
「こんなにシステムを動かしてきたんだからすごいでしょ?」
としか読めない。
過去10年以上前の経歴はサラッと書いて、10年間のシステム開発と自分の役割(自分がいるからうまく行った)をアピールする記述に変更。

一次面接。
プレゼンとかしてきたので、何とかなるだろう、と対策せず。
これも不味い。
面接でテキパキと答えられない、変化球が飛んできても即打ち返せることは当たり前なので、転職サイトの面接練習は全てこなしました。
また、自分が思う「質問されたくないところ(例えば、退職理由の深堀り質問)」についても返答の練習を実施。

書類試験。
こちらは完全に軽視。凡ミス。
一次面接で言われるまでどんなことをするかも調べていなかった。
玉手箱・SPI言語・CABのスマホアプリを入れて、ちょっとした隙間時間に練習。
自分が思っている以上に、計算できない・計算が遅い・一般常識を知らない、英語が読めない、英語が書けない、英単語を忘れている、、、
結論からいうと、転職できたので、対策は間に合ったのですが、早くから対策した方が良いです。

二次面接(最終面接)。
何を聞かれるのか、何を言われるのか、不安でしかない。
ただ、ここまで来たら、何度も面接し、想定質問や回答を考えてきた。これ以上、面接対策しても効果が薄い、と判断。
アドリブで対応できないなら、そもそも表面的な対策しかしてこなかった証。
さて、どうしよう、、、
受け身の面接でなく、自分らしく攻める面接をしよう、と対策中心の戦略から大きく変更。
攻めるのは転職希望の企業の弱み。そこに自分の強みをぶつける。
企業研究は、現役社員や退職社員が社内の雰囲気などを書き込んでいるサイトを中心に「弱み」を分析。

「御社製品のラインアップはこうこうで、長期計画はこうなっています。
 ただ、○○という部分に技術的な問題があるという情報がネットに
 ありました。
 真偽は分かりませんが、もしそうであれば、私がそれを分析し、○○と
 いう問題であれば、私の◇◇の経験を使ってこのように解決します。
 △△という問題であれば、私の◆◆というスキルを活かせます。
 早く分析して御社の懸念点を解消し、売り上げに貢献したいです。」

「前職でも若手の育成にも力を入れてきました。
 エンジニアは技術を通して成長すると考えていますし、前職では
 それを強く実感しています。
 ここ1~2年で御社は若手のソフトウェアエンジニアが増えています。
 今後、戦力となっていくと思いますが、直近の問題と想定される
 のは、戦力にするための教育、質の良い研修プログラムが必要と
 考えています。
 私は○○というスキルを持っていますので、それをデータベース化
 して、若手の研修プログラムにどんどん使っていきたい。
 そうすることで、若手は◇◇のような技術者となり、長期的には
 組織自身を成長させることができます。」

もう、少しでも弱いところに見えたら、ガンガンとアピール。
大切なのは「自分がこうしたい」だけでなく「どれだけ貢献できる」を
ハッキリと自分の言葉で伝えること。

2020年5月末、のべ9社応募し、内定を2社からいただきました。
1社には丁寧に内定辞退を伝え、もう1社には入社意思を伝えました。
2020年6月30日、円満(と私は思っている)退社。
2020年7月1日、転職先の会社に中途入社。

1ヶ月ちょっと働きました。
前の会社を辞めたこと、全く後悔していません。
(ただ、一緒にシステム検討し、一緒に仕事をしてきた方々の
 ことを思うと、申し訳ない気持ちがあります。)
今の会社の良いところ、改善したいところは良く見えてきました。
このあたりは、いつか別の記事で書きたいと思います。

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