『孟子』万章下155ー孟子と北宮錡の対話 周王朝の爵位と土地制度 2 支那・中国古典シンプル全訳 2021年9月2日 21:50 ◆全訳はこちら↓ 孟子 もうし ―全訳―(支那・中国古典シンプル全訳シリーズ) www.amazon.co.jp 1,250円 (2024年09月29日 21:19時点 詳しくはこちら) Amazon.co.jpで購入する *今回は、衛(えい)の国の北宮錡(ほくきゅうき)という人物との対話です。北宮錡(ほくきゅうき)は質問して言った。「周王室は、爵位や俸禄の序列づけをおこないましたが、どのように行ったのでしょうか。」孟子は言った。「その詳細について、もはや聞くことはできないでしょう。諸侯は、王朝の制度が自分たちの利権を抑えてしまうことを憎み、制度を記録した典籍をすべて破棄してしまったのです。しかしながら、私は、かつて、そのおおよその内容を聞いたことがあります。まず…、天子(てんし)という一つの位、公(こう)という一つの位、侯(こう)という一つの位、伯(はく)という一つの位、子(し)と男(だん)が同等で、一つの位とされます。このように天下全体は、五つの等級に分かれていました。そして…、君(くん)が一つの位、卿(けい)が一つの位、大夫(たいふ)が一つの位、上士(じょうし)が一つの位、中士(ちゅうし)が一つの位、下士(かし)が一つの位とされました。このように天子のお膝元や、諸侯国の内部はすべて、六等級に分かれていました。さて、天子の制度が適用される直轄の領土は、千里四方に渡ります。公と侯はいずれも百里四方、伯は七十里四方、子と男は五十里四方、このように、土地の区分は全体で四等級に分けられました。そして、五十里にとどかない小国は、天子のもとに直接朝見することができません。そこで、諸侯の国に附属しました。これを附庸(ふよう)と言います。ただし、天子に直接仕える卿は、その受けとる領土が、侯に準じます。天子の大夫は、その受けとる領土が、伯に準じます。上士は、その受けとる領土が、子(し)や男(だん)に準じます。公や侯のような大国は、領地が百里四方です。君主は、卿の俸禄の十倍、卿の俸禄は大夫の四倍、大夫は上士の倍、上士は中士の倍、中士は下士の倍、下士と、庶人でも官職にあずかる者は、同等の俸禄とします。そのうえで、下士と庶人の俸禄は、百畝の田畑を耕作した分に合わせます。大国に次ぐ伯の国は、領地が七十里四方。君主は卿の俸禄の十倍。卿の俸禄は大夫の三倍、大夫は上士の倍、上士は中士の倍、中士は下士の倍、下士と、庶人でも官職にあずかる者は、同等の俸禄とします。そのうえで、下士と庶人の俸禄は、百畝の田畑を耕作した分に合わせます。子や男のような小国は、領地は五十里四方、君主は卿の俸禄の十倍。卿の俸禄は大夫の二倍、大夫は上士の倍、上士は中士の倍、中士は下士の倍、下士と庶人でも官職にあずかる者は、同等の俸禄とします。そのうえで、下士と庶人の俸禄は、百畝の田畑を耕作した分に合わせます。耕作する者の収穫物は、成人して妻をむかえた一夫ごとに百畝です。百畝の収穫物で、上農夫は九人の家族を養います。そして、上に次ぐ農夫は八人の家族を養います。中の農夫は七人を養う。中に次ぐ農夫は六人を養います。下の農夫は、五人を養います。庶民でも官職にあずかる者は、その俸禄を、この農夫たちのように差をつけるものとします。」*以上、『孟子』万章下155ー孟子と北宮錡の対話 周王朝の爵位と土地制度◆音声で聴きたい方はこちら↓(制作途中) ダウンロード copy #哲学 #孟子 #諸子百家 #中国思想 2 この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか? サポート