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『孟子』告子下202ー孟子の言葉(75)良い臣下は民の賊

◆全訳はこちら↓

孟子は言った。

「今どきの君主に仕える者たちは、だいたいこのように言っている。

〈私が、君主のために土地を開拓し、国庫を満たしているのだ。〉

さて、今どきの、いわゆる〈良い臣下〉は、古の時代であれば、いわゆる〈民の賊〉であった。
君主を道(みち)にしたがわせることもできず、仁に意志をかたむけさせることもできない。
なのに、君主を富まそうと求めている。
これでは、夏の桀王(けつおう)を富ませようとしているのと同じだ。

〈私は、君主のために他国と盟約をむすび、戦争となれば必ず勝たせているのだ。〉

さて、今どきの、いわゆる〈良い臣下〉は、古の時代であれば、いわゆる〈民の賊〉であった。
君主が道にしたがわせることもできず、仁に意志をかたむけさせることもできていない。
なのに、君主のためにと強引に戦争を求めている。
これでは、夏の桀王を補佐しているようなものだ。
今どきの道にしたがったまま、今どきの習俗を変えることもしないのであれば、君主に天下をささげたとしても、一日でも、その地位に落ち着くことはできないだろう。」

*以上、『孟子』告子下202ー孟子の言葉(75)良い臣下は民の賊


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